叶井さんのご冥福をお祈りいたします。





『 エンドロール! 』で何度も「死ぬのは怖くない」と話してますが、叶井さんは死ぬことよりもその間際に出てくる痛みに襲われることが怖いわけですか。

☝️うんうん、同意。次男猫のことは横に置いておいて…死ぬ恐怖より、痛みへの恐怖が強い。今まで、がんで亡くなった親族をみてきたので、余計にしんどい。誰もが逃れられない恐怖なのだろうけど。

自分の中にある恐怖の正体を知るのは、大事なことなのだなと思う。



 もうさ、昨日病院に行って緩和ケアの人にも言ったのよ。安楽死できないのは知ってるから、痛くなったら治療しないでモルヒネ大量に打って意識を無くしてどうにかしてくれと。

ーー当然、やってくれないですよね。

☝️これ、意外に重要かも。これが可能だと思っている人もいるだろう。私もどんどんモルヒネ打って、痛くないようにしてくれればいいと思っていた。実際、今も周囲でも聞いている。もし、これからそういう話が出た時には、ちょっとお耳に入れたい。




 近藤誠先生のところも行ったよ。先生がまだ生きてるとき。

ーー近藤先生は、なんと?

叶井 「絶対抗がん剤やるな」って。

☝️幡野広志さんのXなどなど、思い起こす。私も長年、どちらかといえば抗がん剤否定派だった。これはステージやがんの部位によって、違うのだろうとは思う。抗がん剤=嘔吐とは限らないわけで。

私ががんと直面した時、抗がん剤についてすぐ考えたけれど、やらないという選択肢はなかった。




心筋梗塞の先生に「俺、死ぬならがんじゃなくてこれがいいんだけど」って言ったら、先生も「自分もそう思います」って言ってたよ。

ーーそれって、ある種の自殺でもありますね。

叶井 マジで首吊って自殺しようとしたよ。9月に胃を切って入院してるときに。

☝️これについては、「医師のほとんどが、自分が死ぬならがんを選ぶ」と何かで読んだことがある。死ぬ準備が出来るという点で、いいということらしい。

ぽっくり行きたいと思う反面、準備もしたいと思う。逝き方は、完全には選べないものだと思い知る。「神の采配」もあるのだから。




心と体がそれぞれ違うように、同じ病気(大きながんというくくりの中)であっても、同じ経過を辿るわけではないのは分かっている。いたずらに不安や恐怖を抱かないよう、バランスを取っていこう。

体験談などを読むのは怖いけれど、そこから考え、見つめ直し、選択をする時の基準となっていく。


続く…