猫をお股に、青空を眺める。
数年前に、数年間お世話になった方が、人づてに膵臓がんだと聞いていた。
そういえば柿がお好きだったなぁと思い出し、実家から送られてきた柿をお福分けにご自宅へと伺ってみた。
まだ入院中かなと思ったのだが、退院されてご夫婦で在宅されていた。
お世話になった方はとても恰幅がよく、毎朝4時に起きて公園まで歩き、ラジオ体操をして家に帰っていた。往復で12,000歩程度歩いていたそうだ。何故続けられていたかというと、パートナーの美味しい手料理で、大好きなお酒を美味しく飲む為だったという。25歳下の私より、俄然体力があったと思う。
定期的に病院に通っていたが、ある時から食欲がなく、どんどん痩せてきたので診てもらったが、異常なしと言われたそうだ。また別な個人病院に変えても、診断は同じ。それでもおかしいと思い、大きな病院に紹介状を書いて欲しいとお願いして通院したところ、4センチのがんが見つかったというのだ。
見つかりにくいがんとは聞いていたが、そんなにか〜。
手術が出来ず、肝臓に転移しており、肺にも影があるらしい。陽子線治療で肝臓のがんは見えなくなり、膵臓のがんは多少小さくなった…という程度だそう。
長らく絶食だったこともあり、以前の恰幅の良さと豪快な喋りは影を潜めていた。
とても仲の良いご夫婦なので、そこは救いかなと思う。私と違ってとても料理好きな奥様であり、朝食には体に良いスムージーを作っていたし、お二人ともとても健康に気をつけていた印象だった。
ああ、それなのに…。またまたやり切れない。
奥様が、
「あのねぇ、どんな病院と巡り合うかも運だって言われたわ。」
と仰っていたのが印象的だった。看護師さんに言われたんだったかな?
キリスト教信者ではないが、制服が可愛かったからという母の趣味で、カトリック幼稚園に通ったせいか、ふと聖書の言葉が浮かんだりする。
私たちは、白髪一本すらコントロールできない…確かにそうだなー。
食べ物で体は出来ている。
精神と体は、強く結びついている。
病は気から。
思い癖、考え癖が体に影響する。
そもそもの体質がある。
遺伝がある。
様々な健康法、考え方が溢れている。
長生きしたい、健康でいたいというのも、欲と言えば欲。コントロールしようと必死になるのは当然だけど、当たり前だが絶対はないと、自分に言い聞かせている。