岐阜地裁・裁判員裁判 | タビノス

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一生は案外短いのかも。できるだけ多くの場所を見たい。

この日は久しぶりに地元の地裁で裁判の傍聴をした。HPで見つけた裁判員裁判である。詳しいことはいえないが、殺人未遂事件の初公判である。犯行の現場の様子、凶器の様子など検察から細かく説明される。この仕事は大変だ。20人ほどの傍聴人の中には涙を浮かべている人もいた。

極めつけは防犯カメラの映像。現場の犯行前後の数分間の様子がモロに残っているのである。傍聴側には音声のみが伝わるが、十分に緊迫感が伝わる。なんだこのリアリティは・・。

手錠をかけた被告人がいる。静まりかえった空気の中、皆が現実を直視し真剣に判断する。平和に慣れきった日本では極めて珍しい空間である。


裁判の大半には決まった正解はない。正解のないものへどう考えるかという意味でかなり勉強になる。

 

2週間後、午後3時からの判決を見る。「主文 懲役10年」。その後約30分、裁判長が見解を述べる。被告がどう思っているのかは表情からは読み取れない。

 

裁判員の6名も同席。およそ2週間審議に加わるのは、仕事を持つ人にとってはかなりの負担である。お疲れ様というほかはない。

 

「虎に翼」というNHKの朝ドラがやっている。日本初の女性弁護士の話で法廷シーンも出てくる。女性の職業面での自立をテーマとしているが、これは決して過去の話ではない。遅々として進まず変化の遅い日本の現状にかなり皮肉を突きつけているようにも思える。

 

自由に行動・思考できることに感謝である。