日本からより多くの写真作家を海外へ

日本からより多くの写真作家を海外へ

受講生は海外での個展、作品販売、プーシキン美術館に永久保存。
「アーティスト・ステートメント講座」は過去400名受講

 

4/14(日)、すごい人がポートフォリオレビューしにやって来ます!

 

「夢を叶えるため」のコネクションを個人でつくろうと思ったら、ポートフォリオレビューは最適です。

 

SAMURAI FOTOのディレクターをしていただいてる志鎌猛(しかまたけし)さんも、

いまでこそ、パリフォトで作品や写真集が展示されたり、海外のいろんな国で個展を開催して、

作品販売もされていますが、最初は、ポートフォリオレビューから始めました。

 

 

けれども、志鎌さんは最初、ポートフォリオレビューの存在を知りませんでした。

そのため、ニューヨークのギャラリーに作品を持って飛び込みで売り込みに行かれたそうです。

 

そのときに言われたのが「作品を売りたいなら、ポートフォリオレビューに行かないとダメだよ」

 

ギャラリストやキュレーターはギャラリーに常駐していはいないそうで、

自分の求める作品を探して出かけていたり、ポートフォリオレビューに参加して、

新人を発掘しようとしているのだそう……。

 

それに、もし、ギャラリーが好まない作品を持ち込まれても困るので、

ほとんどは門前払いで会ってくれないのそうです。

 

なので、作品を売りたいなら、ポートフォリオレビューが唯一の窓口なんです。

 

ただし、暴露してしまいますが、

ポートフォリオレビューでコネクションをつくって、作品を売れる確率はかなり低いです。

 

 一般的には、12人のレビュアーにプレゼンしたとして、2〜3人が気に入ってくれます。

 

それでも、すぐにギャラリーと契約が決まったり、美術館での展覧会は決まりません。

 

ギャラリーや美術館で展覧会の予定は2年先くらいまでは埋まっているからです。

 

なので、実現するまで、メールで新作や展覧会開催、季節のご挨拶をし続けて

関係を密に保ち続ける必要が出てくるわけです。

 

ですが、この" keep in touch "はなかなか大変で、続けられる日本人の方は少ないです。

 

そうしているうちに、だいたい音信不通になり、せっかくの少ないご縁も切れてしまう。

そういう日本の写真家をこれまでたくさん見てきました。

 

プロジェクトとアーティスト・ステートメントをつくって、

お金と時間をかけて、ポートフォリオレビューに参加しても実際はかなりハードルが高い。

 

それが実情です。

 

ですが、SAMURAI FOTOでは年1回以上は海外でグループ展を開催し、作品を売ったり、

国際写真フェスティバルに招かれりたり、

メンバーの作品がアメリカ三大アート写真美術館の1つであるMOPA(Museum of Photographic Art)や

世界第二位のプーシキン美術館に永久保存になっています。

 

今年3月も、サンフランシスコのMarin Art and Garden Centerという大きなスペースでの

グループ展が決まっています。

 

それは、ディレクターの吉田繁さんが2014年のFOTO FESTでモスクワのギャラリーとの契約が決まったのがきっかけ。

 

吉田さんはそれ以前にもアルルのポートフォリオレビューに2回は参加し、

そから今に至るまで、合計で1,000万円はレビューに使ったそうです。

 

そんななかで、モスクワのギャラリーから始まって、国際写真祭に招待されるようになり、

そのときの縁で、ポートフォリオレビューでも会えないような格上クラスの

アート写真のスペシャリストとの関係を築けるようになったのです。

 

それは何年もの間の" keep in touch "のお陰でしょう。

 

そんなご縁の1つが、MOPAの館長デボラ・クロチコさんとの貴重なご縁です。

 

2016年にも東京で講演会と公開ポートフォリオレビューを開催させていただきました。

 

また、2019年にはサンディエゴにあるMOPAの裏側までご案内いただき、そこでレビューもしていただきました。

 

丸一日、私たちのために時間を費やしていただき、ランチもご馳走していただきました。

 

日本が大好きなデボラさんの淹れてくださった日本茶の美味しかったこと。

 

デボラさんは毎日、ご飯を炊いているほど、日本通です。

 

そんななか、今年4月14日(日曜日)に、東京での講演会と公開ポートフォリオレビューが決まりました。

 

このクラスのキュレーターはポートフォリオレビューには出てくることはありません。

 

もちろん、作品を見る目は最上級。的確なアドバイスもしてくれますし、

デボラさんは作品を購入しようとしているコレクターをたくさん知っています。

 

2016年に来日されたときもアメリカのコレクターを日本の女性写真家RKさんの事務所に

案内して、作品購入の打ち合わせをしているところを拝見させていただきました。

 

今回もデボラさんのレビューは限られた方だけのご案内になりますが、

公開ポートフォリオレビューの見学は多くの方に参加していただるようにと考えています。

 

そのうちに、私のインスタやFBなどで参加費や会場、時間など

詳細を告知いたしますのでお楽しみに!!

 

直接、力のあるアート写真のスペシャリストがレビューしているところを見られる機会、

ましてや、日本で会えるチャンスはなかなかなかありませんので、ぜひ💐

 

 

 

 

 

 

 

願いを叶えてくれるレビュアーを選ばないと参加する意味がない!

 

最近は、日本でもポートフォリオレビュー(以後、レビュー)が開催されるようになってきました。

 

なので、どんなものか知っているという方が増えてきていると思います。

 

私は2011年から、アルルやヒューストン、ポートランド、サンタフェなどで開催されたレビューを取材し続けてきました。

 

そんな経験を元にざっとまとめると、

ポートフォリオレビューとは

 

⚫︎自分のシリーズ作品(「プロジェクトPROJECT」)20枚ほどと

アーティスト・ステートメントなどを持参してプレゼンする講評会です。

 

⚫︎1対1でのレビューは20分。

会場はホテルの大会議場が多く、予約した時間になったらレビュアー(REVIEWER)のテーブルに行き、

20分経ったら会場を出されて、会議場のドアは閉められます。

 

⚫︎自分が売り込みたい相手をレビュアー(批評家)リストの中から選んで会います。


⚫︎事前審査の有無など多少の違いはありますが、レビューの期間はだいたい4日ほど。

その間に10〜15人のレビュアーさんに会います。

 



レビューとはこんな感じのものなのですが、ここでいちばん大切なのは、

自分が売り込みたいレビュアー(批評家)リストの中から選ぶということです。

 

「売り込みたいレビュアー」とは、

あなたの夢を叶えてくれる力を持っている人

 

たとえば、ギャラリーと契約して作品を販売してもらいたいのなら、

ギャラリーのキュレーター。

 

個人コレクターというレビュアーもいるので、その方を選んでもいいでしょう。

 

アート写真美術館などで展覧会をしたい、あるいは永久保存してほしいのであれば、

その美術館のキュレーターを選びましょう。

 

写真集を出版したいのなら、出版社の編集者やパブリッシャーが最適です。

 

国際写真フェステイバルに招待してもらいたのであれば、そのオーガナイザーか

アートディレクターを選ぶといいです。

 

けれども、あなたの夢を叶えてくれる力を持っていない人を選んでしまったら、

せっかくお金をかけて行ってももったいないことになってしまいます。

 

願いを叶えてくれるレビュアーを選ばないと参加する意味がない! ということをおわかりいただけたでしょうか?
たとえば、大好きな写真家にレビューをしてもらっても、
その方が写真を販売するルートを持っていたり、コレクターとして購入してくれる、あるいは美術館で展覧会できたり、永久保存してもらうような力を持っていなければ、ただ写真を批評してもらうだけになってしまいます。
なので、まずは、あなたの夢を叶えてくれるようなレビュアーのいるレビューを選んでください。

そのうえで、お目当てのレビュアーを選んで、準備を整えてブレゼンを行ってくださいね。
じつは、SAMURAI FOTOでは、10年以上レビューなどに参加してきて、
いろんな夢を叶えられる力を持った人とのコネクションがいくつもできてきました。
最近、世界第二位のプーシキン美術館の永久保存に5名が入ったのも、来年3月に、サンフランシスコで展覧会を開催して、作品を販売できるのも、そんなコネクションを築けたからです。
今年4/13には、レビューにも出てこないような格上のすごい方の講演会とレビューを行ないます。
その詳細などは、次のブログで!!!!

 

 

 

 

 

 

日本では写真は売れない。売れても安すぎます!

 

私が『デジタルカメラマガジン』の写真投稿サイトのGANREFのワークショップのお手伝いをしているころからの知り合いや、

「アーティスト・ステートメント講座」の受講生など、私の知り合いにはたくさんのハイアマチュア・カメマランや

プロカメラマンなどを含めた"フォトグラファー"さんがいます。

 

その方たちは、プロの方もアマの方も年に数回の写真展を開催されています。

グループ展に参加している数を入れると、みなさん、とても多く開催されていらっしゃいます。

 

その展覧会ではもちろん作品を販売されているわけですが、

これがなかなか売れてないようです。

 

また、日本では写真の価値がとても低く、海外でA2なら20万円で売れるところを

半額あるいはゼロを一桁減らした価格を付けているのをよく見ます。

 

そのたびに「安過ぎるからもったいないです」と提案するのですが、

「だって、高くするともっと売れないと思って……」という答えが返ってきます。

 

確かにそういうところもあるかもしれませんが、

実際のところ、安い値段をつけていてもほとんど売れないというのが事実のようです。

 

だったらどうしたらいいのか?

それは海外で写真作品を売ることです。

 

今日はそのために準備しておくべきこと、

ほとんどの日本の写真家が見落としていることをお教えしますね。

 

それは海外まで出向いたり、ポートフォリオレビューに参加しなくても、日本にいながら自分でできることです。

 

 

これは、私と一緒にSAMURAI FOTOのディレクターを務めている吉田繁さんのサイトです。

 

 

ギャラリーの中の" One minutes -Border for a Prayer"の中の1枚です。

この写真では見にくいですが、左下にどのプロジェクトの中の1枚かということと、

その番号が記されています。

 

海外に向けて作品を売るために必要なのはアーティストとしてのホームページです。

海外向けですから、もちろん英語の表記も必要になります。

 

このあたりまでは、やっている人もいますが、ここから先がいちばん大切!!

 

 

これは吉田繁さんのギャラリーページを開いていくと出てくるPDFです。

 

●通し番号を付ける

●プリントサイズを入れる

●エディションを入れる(何枚しかプリントしませんという宣言)

●shooting year(撮影した年)

●メディア(プリント用紙)

●価格(額付きか写真のみか)   

最低限これをホームページに入れておきましょう!

 

これらは全部大切です。

 

意外と、番号やサイズ、メディア、エディションが抜けているフォトグラファーさんが多いです。

 

ですが、これらがないと、買おうと検討しているコレクターさんは困ります。

 

また、これらは販売だけでなく、海外の美術館やギャラリーから

展覧会の依頼があったときにも困ります。

 

海外とでは、Zoomなどのオンラインでミーティングすることも多いですから、

その後にメールでやり取りするときなどに通し番号がついていないと、

どの作品かわからなくなってしまいます。

 

ということで、あなたのホームページの「ギャラリー」をいますぐ見直してみてください。

 

それで欠けている項目は早急に加えておくことをお勧めします。

 

最後に、SAMURAI FOTOメンバーのページも添付しておきますね。

 

 

 

メンバーそれぞれのパーソナル・ホームページに飛べますので、参考にしてみてください。

 

 

 

 

 

 

 

フォトグラファーは写真以外のものを用意していた! 

 

前回、初めて訪れた南仏アルルでのポートフォリオレビューで、

日本では見たこともないようなインパクトのある写真や、

ただ、きれいなだけではない写真に衝撃を受けたことを書きました。

 

「いったい、それはなぜだろう」と、

海外のフォトグラファーさんたちのレビューの様子を目を皿のようにして

じっくり見ているうちに、私はあることに気づきました。

 

ヒューストンのFOTO FESTの中のポートフォレオレビュー

 

上記の写真は、ヒューストンのFOTO FESTの中のポートフォリオレビューの様子です。

 

こちらはヒューストンのオフィス街にあるホテルの大会議場ですが、

アルルはドアも開け放たれた市民センターで、通りすがりの誰も入れるので、

とてもオープンな雰囲気です。

 

でも、レビューの形式はだいたいこんな感じです。

 

だいたい50くらいのテーブルがあって、

リクエストしたレビュアー(講評してくれる人)のテーブルに着いて

フォトグラファーが自分のプロジェクトの写真作品を見せます。

 

ということで、初めてのアルルのレビューのときに話を戻しますね。

 

海外のフォトグラファーの写真にはどれも日本で見たことのないような力強さがある。

 

その理由を探りたいとテーブルからテーブルに回っているうちに、

私はあることに気づきました。

 

みんな写真のプリントだけでなく、文字だけが並んだA4用紙を持っていたのです。

 

そのときはそれがいったい何かわかりませんでした。

 

でも、海外のフォトグラファーはみんなそれを見ながら話したり、

そのA4用紙自体をレビュアーに見せていました。

 

なんだかわからないけど、みんなが持っている「あれ」の正体を突き止めなくては……。

 

そう思って、私はそのA4用紙の写真を端から撮影しました。

 

それで、ホテルに帰って、それを全部、日本語に訳して読んでみて、

びっくりしました。

 

そこには「私は自分の写真でこれをどうしても伝えたいんだ!」という熱い言葉が並んでいたのです。

 

翌日のレビューも見に行って、参加しているフォトグラファーに聞いてみると、

それが『アーティスト・ステートメント』でした。

 

日本の写真にはない「写真の強さ」「鋭さ」「胸に迫る感覚」、

それらはみんな「このアーティスト・ステートメントがあるからなんだ!」

 

それから、私は、まだアーティスト・ステートメントを知らない日本の写真家にこのことを伝えて、

 

日本の写真家にももっともっとクオリティの高い写真をつくってほしい、

世界に出て活躍してほしいと願うようになりました。

 

そうして、それ以来ずっと、「アーティスト・ステートメント講座」をやっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年のアルルでのポートフォリオレビューで目からウロコ 

 

私は現在、2011年に設立された"SAMURAI  FOTO"というグループのディレクターを務めています。

 

このグループは「日本の写真家にもっと海外で活躍してほしい」というのが目的です。

 

そして、海外での体験の第一歩として訪れたのが、

 

南仏アルルで毎年7月に開催されているポートフォリオレビュー(以後「レビュー」)です。

 

 

こちらは2014年にSAMURAI FOTOメンバー10名で

初めて、海外(アルル)のポートフォリオレビューに行ったときです。

 

そのときのレポートはこちら

 

なぜ、アルルを海外で最初のポートフォリオレビューに選んだのかは、

アルルがいちばんカジュアルで、通りかがりの街のひとでも

誰でもレビューを見学できるからでした。

 

じつはヒューストンで開催されるFOTO FESTやポートランドのPhotolucidaなど、

ほとんどのレビューはホテルの大会議場などで開催されます。

 

そして、1センション20分の間、会議場のドアはぴっり閉められたまま。

 

写真家とレビュアー(評価してくれるスペシャリスト)しか席に着いたり、

見学することはできません。(通訳さんは別ですが……)

 

そのため、緊張感も半端なくあります。

 

英語で会話するだけでも緊張するのに、これはもう緊張度Maxです。

 

それに比べて、

アルルのレビューなら、「参加者でなくても、気軽に見学できる」。

 

その会場は、市民センターで、全部のドアも窓も開けっ放し。

 

だから、真夏のレビュー会場は少し暑いのですが、

開け放たれた窓から扉へと、気持ちのいい風が流れ込みます。

 

会場のすぐ横が広い駐車場兼お庭になっているところも快適です。

 

そういうわけで、私が海外初、人生初のレビューに

取材に行ったのもじつは南仏アルルのなんです。

 

それは2011年のことです。

 

でも、そのときの私はレビューの実体も知らないし、

ましてや「アーティスト・ステートメント」というものをまったく知りません。

名前さえも聞いたことがなかったです。

 

『デジタルカメラマガジン』という写真雑誌で、

国内外200名以上のプロ写真家のインタビューを18年ぐらい続けたくらいの

知識しかありませんでした。

 

なので、当然ながら

アーティスト・ステートメントについて学びたくて行ったのではありませんでした。

 

レビュー自体も初めの体験でした。


私がアルルのレビューに行った最大の理由は、

アルルの南フランスのプロヴァンス地方にあるからでした。

「プロヴァンスの旅行ついでに行こう」

そんな軽い気持ちで旅行ついでに出かけた、というのが本当のところです。

 

ゴッホの絵になった題材になった石畳のアルルの街では、

レビューの期間中は、国際写真フェスティバルも開催されていて、

街中のいたるところで、大小いくつかも写真展が開かれています。

 

アルル自体も観光地ですから、たくんさの観光客もいて

おのずと観光気分で楽しくなります。

 

そして、私も通りすがりの人のように、

50くらいのテーブルで行われているレビューを見学し始めました。

 

スペイン、スイス、アメリカ、グルジア、いろんな国の写真家と

彼らがリクエストしたレビュアーにプレゼンしている様子を

そうっと覗き込み始めたときでした。

 

どの写真家のプリントやプロジェクト(20点ほどのシリーズ作品)も

見た途端に、

 

「えーっ、日本でこんな写真を見たことがない。

いったい、世界の写真界はどうなっているの??????」と打ちのめされたのです。

 

日本の写真は、ポートレートや風景写真、鉄道写真のようなカテゴリー別

になっているものばかり。

 

でも、世界の写真は違う。

 

そればかりか、日本の写真のように「きれい」というものはあまりない。

 

でも、強くて、胸に迫ってきて、どうしてこんな表現があるのだろう。

 

その理由はどこにあるのだろう。

 

そう、初めてのレビュー取材で、私は「目からウロコ」どころでなく、

胸が締め付けられるようなインパクトと、

その理由がどうしても知りたいという衝動が起こりました。

 

というわけで、この続きは次回また目