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日本からより多くの写真作家を海外へ

受講生は海外での個展、作品販売、プーシキン美術館に永久保存。
「アーティスト・ステートメント講座」は過去400名受講

 

2011年のアルルでのポートフォリオレビューで目からウロコ 

 

私は現在、2011年に設立された"SAMURAI  FOTO"というグループのディレクターを務めています。

 

このグループは「日本の写真家にもっと海外で活躍してほしい」というのが目的です。

 

そして、海外での体験の第一歩として訪れたのが、

 

南仏アルルで毎年7月に開催されているポートフォリオレビュー(以後「レビュー」)です。

 

 

こちらは2014年にSAMURAI FOTOメンバー10名で

初めて、海外(アルル)のポートフォリオレビューに行ったときです。

 

そのときのレポートはこちら

 

なぜ、アルルを海外で最初のポートフォリオレビューに選んだのかは、

アルルがいちばんカジュアルで、通りかがりの街のひとでも

誰でもレビューを見学できるからでした。

 

じつはヒューストンで開催されるFOTO FESTやポートランドのPhotolucidaなど、

ほとんどのレビューはホテルの大会議場などで開催されます。

 

そして、1センション20分の間、会議場のドアはぴっり閉められたまま。

 

写真家とレビュアー(評価してくれるスペシャリスト)しか席に着いたり、

見学することはできません。(通訳さんは別ですが……)

 

そのため、緊張感も半端なくあります。

 

英語で会話するだけでも緊張するのに、これはもう緊張度Maxです。

 

それに比べて、

アルルのレビューなら、「参加者でなくても、気軽に見学できる」。

 

その会場は、市民センターで、全部のドアも窓も開けっ放し。

 

だから、真夏のレビュー会場は少し暑いのですが、

開け放たれた窓から扉へと、気持ちのいい風が流れ込みます。

 

会場のすぐ横が広い駐車場兼お庭になっているところも快適です。

 

そういうわけで、私が海外初、人生初のレビューに

取材に行ったのもじつは南仏アルルのなんです。

 

それは2011年のことです。

 

でも、そのときの私はレビューの実体も知らないし、

ましてや「アーティスト・ステートメント」というものをまったく知りません。

名前さえも聞いたことがなかったです。

 

『デジタルカメラマガジン』という写真雑誌で、

国内外200名以上のプロ写真家のインタビューを18年ぐらい続けたくらいの

知識しかありませんでした。

 

なので、当然ながら

アーティスト・ステートメントについて学びたくて行ったのではありませんでした。

 

レビュー自体も初めの体験でした。


私がアルルのレビューに行った最大の理由は、

アルルの南フランスのプロヴァンス地方にあるからでした。

「プロヴァンスの旅行ついでに行こう」

そんな軽い気持ちで旅行ついでに出かけた、というのが本当のところです。

 

ゴッホの絵になった題材になった石畳のアルルの街では、

レビューの期間中は、国際写真フェスティバルも開催されていて、

街中のいたるところで、大小いくつかも写真展が開かれています。

 

アルル自体も観光地ですから、たくんさの観光客もいて

おのずと観光気分で楽しくなります。

 

そして、私も通りすがりの人のように、

50くらいのテーブルで行われているレビューを見学し始めました。

 

スペイン、スイス、アメリカ、グルジア、いろんな国の写真家と

彼らがリクエストしたレビュアーにプレゼンしている様子を

そうっと覗き込み始めたときでした。

 

どの写真家のプリントやプロジェクト(20点ほどのシリーズ作品)も

見た途端に、

 

「えーっ、日本でこんな写真を見たことがない。

いったい、世界の写真界はどうなっているの??????」と打ちのめされたのです。

 

日本の写真は、ポートレートや風景写真、鉄道写真のようなカテゴリー別

になっているものばかり。

 

でも、世界の写真は違う。

 

そればかりか、日本の写真のように「きれい」というものはあまりない。

 

でも、強くて、胸に迫ってきて、どうしてこんな表現があるのだろう。

 

その理由はどこにあるのだろう。

 

そう、初めてのレビュー取材で、私は「目からウロコ」どころでなく、

胸が締め付けられるようなインパクトと、

その理由がどうしても知りたいという衝動が起こりました。

 

というわけで、この続きは次回また目