10月18日(月)1時38分配信 産経新聞

 国が都道府県を通じてひとり親家庭の子育てなどをサポートする「安心こども基金」の運用をめぐり、都道府県側から「使い勝手が悪い」などの不満が相次ぎ、国がいったん交付したものの返還される見通しの額が約800億円に上ることが17日、分かった。大阪府だけでも返還額は約60億円に達する見通しで、大阪府は国に改善を要望。国側も今年度末に予定していた基金の終了時期を延長するとともに、運用方法の見直しを検討し始めた。

 安心こども基金は、ひとり親家庭の子育てサポートのほか、保育所整備を促進することなどを目的に、厚生労働省などが平成20年度に開始。都道府県に事業予算を交付し、都道府県を通じて事業を実施する仕組み。

 ただし、事業ごとに予算の使い道が細かく決められており、都道府県の自由裁量はほとんどないのが実状で、都道府県側からは「使い勝手が悪い」などの不満が噴出している。

 例えば、ひとり親家庭の就業支援事業では、支援対象をホームページ作製やテープ記録の編集など「在宅就業」に限定しているものもあり、大阪府の担当者は「いまの経済情勢では在宅の仕事で自立できるケースは少なく、国は利用者のニーズをとらえ切れていない」と批判する。

 また、看護師や介護福祉士などの資格を取得するため養成機関に通う場合、所得に応じて月額約7~14万円を支給する事業でも、資格の取得者自体が少ないにもかかわらず、国は独自試算で大阪府には約27億円を交付。このままでは半額程度が利用されないまま返還される見通しという。

 こうした国と都道府県の認識のずれが原因で、厚労省の今年6月時点の集計によると、返還額は約800億円に達する見通しという。

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10月15日(金)12時28分配信 毎日新聞

 高齢者交流施設「まちなかサロン 元気ほん歩」が、那須塩原市のJR黒磯駅前にオープンした。市の街中サロン補助事業によるもので、西那須野地区の「街中サロンなじみ庵」に次いで市内2カ所目。
 空き店舗活用で、サロンの広さは約100平方メートル。テーブルが置かれ、やってきたお年寄りたちが、囲碁、将棋や絵手紙などの趣味の講座を楽しめる。このほか、介護教室、地元産野菜、駄菓子の販売なども行う。また、サロンの壁側の棚を活用したレンタルボックスも設けられ、手芸などの販売に活用できる。レンタル料は月300円という。
 運営は社会福祉法人・京福会(福富京理事長、那須塩原市住吉町)が市の運営補助を受けて行う。スタッフは京福会元職員の介護士や看護師ら19人が務める。スタッフの一員で、絵手紙講座を担当する穂積幸子さん(70)は「真心を込めてお迎えしますので気軽に来てほしい」。早速、訪れた近くに住む田渕トキさん(88)は、得意の踊りを披露し「楽しかった。また、来たい」と話していた。
 利用は月曜日から金曜日までの午前9時半から午後4時半まで。希望者は直接訪れて交流できる。
 問い合わせは「元気ほん歩」(電話0287・62・2202)へ。【柴田光二】

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10月14日(木)13時44分配信 毎日新聞

 ◇医師や看護師常駐
 和歌山大学(和歌山市栄谷、山本健慈学長、約4000人)は、精神障害と診断された学生が医師や看護師らの治療や支援を受けながら通学できる「キャンパス・デイケア」を、校内で本格的に始める。病気と上手につき合いつつ学べる態勢作りで、全国の大学でも珍しい試みという。
 同大によると、精神障害と診断される学生が増えている。1982~92年には計100人だったが、93~03年は計328人に上った。精神疾患を抱えた学生を支援しようと、同大は04年にサポート室を開設し、現在は年間延べ1500人以上が利用している。
 デイケアは、支援態勢をさらに発展させる試み。精神科医1人と常勤看護師2人のほか、非常勤のカウンセラー(臨床心理士や精神保健福祉士)が、同大保健管理センターに常駐する。
 対象は、同大の健康診断で、統合失調症▽感情障害(そううつ病)▽摂食障害--と診断された学生のうちの希望者。今年の場合、精神障害と診断された127人のうち、この3疾患と診断された人は計約40人だった。
 3疾患に診断された人は、従来は休学して医療機関で治療やリハビリに専念した後、復学する場合が多かった。デイケアの設置で、大学生活を送りながらの治療が可能になるという。
 デイケアでは、適切な量の薬を正しい時間に飲んだり、規則的に食事をとったりするよう指導。人間関係の築き方も助言する。集団療法では、論文の仕上げ方や就職活動の方法など、「大学生活でのスキルアップ」を図る。さらに、かつて同様の支援を受けた先輩学生や卒業生のグループが、仲間作りを手伝う。
 11月にもセンターは改修を終え、キャンパス・デイケア室などがオープンする予定。精神科医で同センター所長の宮西照夫教授は「心や体の悩みを抱えながらも大学生活を達成できれば、自信が生まれて回復にもつながる」と話している。【久木田照子】

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