SOMPO美術館にて藤田嗣治展を観てきました。

自己表現、風景、前衛、東方と西方、女性、子ども、天国と天使という7つの切り口からフジタの歩みをみてゆく構成。
正直いうとそこに目新しさはそれほどないのですが、この展覧会はほぼ全点個人蔵の作品であることが大きなポイントではないかと思います。
しかもイスラエル、フランス、ベルギーといった国外の所蔵品が多く、またいつ見られるかわからない!というか一生に一度しか見られないかも?!
少なくともこの展覧会に出展された作品たちがこうして揃うことはもうない…一期一会。
そういう意味でフジタファンは必見の展覧会と言えるのでは。
仏画を思わせるような作品が多く見られたのも面白かった。
あとフジタのあの髪型はキャラづけのためにやっていたみたいな言われ方をするのが多いと思いますが、
もとはお金がなかったから自分で切っていたらああなった
…とフジタ自身は言っていたそう。
そのうちトレードマークになってしまいあとに引けなく(?)なったようだが。
フジタの様々な絵を見ることができる展覧会ですが、やはり
フランス女性の乳白色の肌
を表現する並々ならぬ気迫をいちばん強く感じました。
こればかりは印刷ではなんとも…。
特に《友達、ユキとマド》の美しさには息を呑みました。
でも「乳白色」の作品は特殊な技法が仇になってか傷み(ヒビ割れ予備軍?)が目につく…今後修復作業大変になってきそうだな…などと。
もしくは「動かすのは危険!」となって貸し出してもらえなくなったりしそう?少し怖い。
…そういえば最初の方の展示にユキの眼の中に映った自画像というのがあり…
ラブラブやないですか〜〜〜!!
まったくもう!!
展覧会の第二部ではフジタと交流のあった日本人画家の作品を見せる。
あら…もうフジタ終わり?ちょっと残念…と思ったのは束の間で、個性的で面白い作品ばかりでとても愉しかったです。
岡鹿之助が見られたのも嬉しいですが、高野三三男、海老原喜之助など私は今まで知らなかった画家の作品にも気に入ったものがありました。
余談。
昨日川野芽生の第1歌集『Lilith』を読んだので…鑑賞中このうたが頭を過る↓
油画を覆ふ硝子に須臾うつり夢より夢をわたるわれらは
…素敵ですよね。素晴らしい歌集でした。