<与えることについて>

 

「たくさん持っているのに

ほとんど人に与えない人がいる

 

たまに施すことがあっても

それは評判が目当てだ

そんな人たちの施すものは

隠れた欲望の分だけ値打ちが落ちる

 

ほとんど財産を持っていないのに

なけなしの財産を全て与えてしまう人もいる

 

そんな人たちは

生命とその豊かさを信じている

そんな人たちの金庫が空になることはない

 

 

「与えることを喜びとする人もいる

そんな人たちはその喜びが報酬だ

~中略~

けれども中には痛みを感じないで

喜びも求めないで

善行とも意識しないで

与える人がいる

 

そんな人たちは向こうの谷間で

ギンバイカの樹がその香りを

ふりまくように与える

 

神は、そんな人たちの手を通してこそ語られる

彼らの目の奥からこそ

神は大地に向かって微笑まれる」

 

 

「いつまでも持っていられるものなどあるのだろうか?

今持っているものは

いつかは全て誰かに与えることになるのだから

 

それならば今、人に与えよう

与える時期は相続人のものではなくて

あなたのものなのだ

 

あなたは常日頃、口にするかもしれない

それだけの価値のある相手に与えたいと

 

果樹園の木たちはそんなことは言わない

牧場の家畜たちも言わない

彼らは自分が生きるために与える

彼らにとって残しておくことは死ぬことだから」

 

 

「人から喜んで受け取る勇気と自信

のみならず

それ以上の慈善を受け取る思いやりを持つ人こそ

誰よりも大きな価値のある人だ

 

 

「その前にまず

自分が人に与えるにふさわしい人物かどうか

施しの道具として

ふさわしいかどうかを考えよう

 

なぜならば生命に施しができるのは

生命だけだからだ

 

人は自分で

施しをしていると思っているが

本当のところは

施しの目撃者にすぎないのだ」

 

 

「与えられる人

つまりすべての人は

感謝の重さを背負いすぎてはならない

それでは自分自身にも与えてくれた人にも

束縛を与えてしまうからだ

 

むしろ与えてくれた人とともに

その贈り物の上に

まるで翼にでも乗るように乗ればいい

 

もらったものを気にしすぎることは

与えてくれた人の広い心を疑うことになる

与える人の母は惜しみなく与える大地であり

その人の父は神なのだから」