淡島神社に参拝したところで帰路につきます。が、高速代節約のため武雄北方ICから長崎道に入るというので相方をねじ伏せ 拝み倒し、佐賀県有田町に立ち寄ることにしました。
<有田の街並み>
こちらにある陶山神社にかねてよりお参りしたいと思っていたのです。
<陶山神社>
陶山神社にも駐車場はあるのですが、思うところあって手前にある観光用駐車場に。
<神社手前にある無料観光駐車場>
陶山神社は境内に線路が走る珍しい神社と聞き、
<境内を横切る線路>
それをこの目で確認したかったのです。(←鉄道好き)
陶山神社の創建は万治元年(1658年)。
<紙風船が彩る鳥居>
今から400年前の寛永年中に肥前国松浦郡有田において陶器の原材料となる磁礦が泉山にて発見。そのことにより町が起こり、年々陶器製造が盛んになり、有田皿山代官の命で松浦郡有田郷有田皿山大樽山に社殿を建て、松浦郡中宗廟大里村の蓮華石正八幡宮より祭神「品蛇和気命(応神天皇)」を勧請し皿山中の宗廟として「有田皿山宗廟八幡宮」としたのがはじまりとのこと。
<日本一の青銅狛犬(登録文化財)>
明治4年(1871年)当地区の総称「陶山」に因み「陶山神社」と命名され、現在は窯元をはじめ多くの人々の崇敬を集め、一般に「やきものの神様」として親しまれています。
<御神木>
「やきものの神さま」とあって手水舎の水口から
<手水舎・陶器でできた龍の水口>
灯篭、
<磁器製の灯篭>
境内の案内図まで陶器!
<磁器製の境内案内図>
しかし陶山神社の神髄はこの先にある。御社殿へと続く石段の上、燦然と輝く白い鳥居―
<階段の先に建つ磁器製の鳥居>
そう、鳥居までも磁器製なのです。
<磁器製明神鳥居(登録文化財)>
明治21年 (1888年) 稗古場区により奉納された高さ3.7m、幅3.9mの鳥居。
有田泉山の陶土から作り出された白磁に、天然呉須(ごす)による淡いブルーの唐草文様の明神鳥居は有田のシンボルともいえる存在で、わたしが陶山神社を訪ねてみたいと思った理由もこの鳥居の画像を見たのがきっかけでした。
さらに鳥居をくぐると、そこは清々しくも美しい白磁の空間。
<白磁の境内>
磁器製の大きな水瓶に
<磁器製大水瓶>
明治22年(1889年)中の原区の奉納で高さ1.09m、直径90cm。大物作りで有名なロクロ師・井手近作、小山直次郎、絵付けは川浪喜作という逸品。泉山の陶土でこれほどのものを作るのは難しいらしい。
同じく磁器製の狛犬。
<磁器製狛犬>
明治20年十代今右衛門の奉納。鳥居と同じく泉山の陶土を使用。暖かみのある白磁と独特な姿が目を引く。
まるで野外美術館です。
<磁器製の柱に描かれた今にも天に昇らんとする青龍>
拝殿前に進み、二拝二拍手一拝。
<磁器製の扁額(奉納はあの深川製磁)>
御祭神は品蛇和気命(応神天皇)ですが、有田焼の起こりが秀吉の朝鮮出兵の際鍋島直茂(鍋島藩初代藩主)が陶工・李参平を連れ帰ったことにあり、相殿には直茂公が祀られています。
<御本殿にある日本一の磁器製玉垣>
弘化3年(1846年)幸平区の奉納。総延長6.1m、高さ78cm。呉須による蔓草文様が描かれた角物細工で、遠目には確認できなかったが上部の擬宝珠にはロクロ目があるらしい。江戸後期の豊かな作調が表れている逸品。
御本社向かって右手には火魂命を祀る八天社、
<八天社>
<こちらも磁器製の扁額>
左手には天満社の石祠があって、中にはかわいらしい(失礼!)天神さまが鎮座されています。
<天満社>
<磁器製の小さな天神さま>
稲荷神社から伸びる坂道を登ると
<宇気持命を祀る稲荷神社>
陶祖・李参平を祀る記念碑があり、そこから見える有田の風景は必見とのことですが、膝サポーターを忘れたので(痛恨!)断念。
稲荷神社前に少し開けたところがあったのでそこから町を眺め、良しとしました。
<稲荷神社前から眺めた有田の街並み>
最後に授与所でお守りを求めました。
<有田焼の勾玉御守>
陶山神社はお守りも磁器製。十二支が描かれた縁起絵馬守りもかわいかったんだけど、それだと年齢がバレるなと思いこちらの勾玉御守にしました。
お守りは神社内にある宗廟窯にて神職さんがひとつひとつ奉製されているそうで、色の出具合が微妙に違います。そういう意味では世界で一つのお守りかも。
帰り際、警報機の音に振り返ると参道を横切る特急列車「白いかもめ」が。
<列車が神社境内を走り抜ける珍風景>
「うわっ、こんな至近距離で「かもめ」が見られるなんて・・・!」
車が通らない踏切には遮断機を設置する義務がないそうで。それゆえに見られるこの珍風景は、テレビ朝日「ナニコレ珍百景」にも認定されているそうです。(珍百景No.123「スリル満点の神社」)
「ブラタモリ」で紹介された泉山磁石場やトンバイ塀も見てみたいし、またゆっくり有田を訪ねようと思います。
おまけ
有田町にある「ゾンビランドサガ」マンホールが見たくて「アリタセラ」に行ったけど、
<有田町の「ゾンビランドサガ」マンホール(さくらちゃんだ)>
ふらりと行っていい場所じゃなかった。魅力的過ぎるー!
<アリタセラ>
約20,000坪の敷地に22軒の有田焼専門店が軒を連ねる。ギャラリーやホテル、レストランも。
たっぷり時間をとってまた来よう♪