11月8日(水)、呑山観音寺へお参りに行きました。「ついでに紅葉狩りも楽しんじゃおう」という魂胆でしたが、同じ思いの人は多かったようで。駐車場手前1Kmあたりから大渋滞。幸い通りかかったタイミングで臨時駐車場が解放され、思ったよりすんなり入れました。ありがたや・・・
呑山観音寺は福岡県鉾立山の麓にある高野山真言宗別格本山、篠栗八十八か所霊場第十六番札所です。駐車場に車を止めたらいつものように、塔頭の天王院(第三十六番札所でもある)からお参り。
<天王院表参道>
未だ夏日が記録される九州地方、色づき具合が心配でしたが参道のモミジはしっかり紅葉していました。
<参道で見られる紅葉>
それにしても天王院参道の木立、これまでずっと杉の木だと思っていたらなんと槙の木でした。高野山真言宗のお寺ならではですね。
<槙の木と紅葉のコラボ>
参道の先にテントがあったので何事からと思ったら、紅葉まつり(10月28日~11月23日)につき瑜祇大宝塔と両頭愛染明王を特別公開中とのこと。もちろん、行く!
【瑜祇大宝塔との出会い】
拝観料400円を納めると、散華をいただきました。
<散華と案内>
これに名前と願い事を書いて堂内に投げ入れ、お参りするとか。(お守りとして持ち帰ることも可)
普段は立ち入ることができない白壁沿いの参道を進んで
<白壁沿いの参道>
瑜祇大宝塔へ。
<令和4年5月に落慶した瑜祇大宝塔>
青空に映える朱の柱、相輪も日の光を受けキラキラ輝いて美しい・・・
「瑜祇塔(ゆぎとう)」とは、インド、中国からの三国伝来の密教独自の塔、五峯八柱(五本の相輪と八本の柱)の宝楼閣です。南インドにおいて、龍猛菩薩より密教両部の根本経典の「大日経」と「金剛頂経」を授かったという伝説の宝塔「南天の鉄塔」の形を模したものだそうで、弘法大師も高野山にこの塔の建立を発願されるも、叶わなかったとか。(後世になって高野山伽藍の奥の林に建立され、今も山内を守護しているらしい)
<貴重な背面ショット>
御本尊は「両頭愛染明王」。別名「厄神明王」とも云われ、不動明王と愛染明王が合体した、両頭六臂の忿怒のお姿をしておられます。こころ・知恵の世界(金剛界)と、もの・慈悲の世界(胎蔵界)とが一つに調和した、平和で理想の世界「大日如来の密厳仏国浄土」を現出する仏さまとのこと。
青黒色の不動明王と赤色の愛染明王が合わさったお姿は美しくも荘厳で・・・ この度お目もじ叶ったことに感謝しました。
瑜祇大宝塔のお隣にはバラ園「花筵庭(かえんてい)」があります。正式開園は来年5月ですが、今回瑜祇大宝塔拝観者に先行して初公開されたとのこと。
<バラ園「花筵庭(かえんてい)」>
残念ながらバラはほとんど咲いていませんでしたが、
<辛うじて咲いていたバラの花>
コロナ渦を受け、参拝者に癒しと安らぎを感じてもらいたいと造られた小さなお庭。そこここに暖かい配慮が感じられ、心が和みました。
<かわいらしいベンチと紅葉>
<バラ園から瑜祇大宝塔を仰ぎ見る>
紅葉を愛でながら、
<バラ園から七福神堂への道>
鐘楼堂、
<鐘楼堂>
七福神堂と巡り、
<七福神堂の紅葉>
再び天王院表参道を上って天王院へ。
<天王院の仁王様>
御本尊・浪切不動明王にお参りします。
<天王院本堂>
御本尊は秘仏として厨子の中に安置されているのでお目にかかることはありませんが、弘法大師が唐より帰国する際海難から救ったという仏さまだけに、いつも力強いお力添えをいただけるような気がします。
<天王院の紅葉>
<本堂脇の愛染堂>
天王院から裏参道を進み呑山観音寺へ。
<呑山観音寺本堂大悲殿>
御本尊は千手千眼観世音菩薩。謹刻者・造仏年不明、篠栗八十八ヶ所霊場が開創される以前からこの地に祀られていた素朴な石仏とのことですが、こちらも秘仏のため普段拝見することはできません。しかしほの暗いお堂の中で手を合わせていると観音様の気配が伝わってくるようで、自然と心穏やかになれる・・・のですが、この日は大変混雑していてお参りもままならない。 ご挨拶だけして大師堂、高野四社明神社、鉾立稲荷神社(この日は午の日でした)とお参りして百観音堂へ。
<百観音堂>
その名の通り100体の観音さまが祀られるありがたいお堂。その奥に進めば
<お堂裏に抜けて>
鮮やかな朱が広がります。
<ドウダンツツジの紅葉>
この時期呑山観音寺1番の人気スポットとあって記念撮影する方が多かったのですが、奇跡的に無人ショットが撮れました。
<緑とのコントラストもきれい>
このところの雨不足で色づきはイマヒトツでしたが、それでも十分美しく。
気になっていた瑜祇大宝塔も拝見できて、良い参拝となりました。感謝。
・呑山観音寺:福岡県糟屋郡篠栗町萩尾227-4 HP