宇佐神宮の幻の神事・行幸会をたどる旅。まずは日田市から国道212号線を北上、中津市にある薦(こも)神社を訪ねました。

 

薦神社は別名大貞八幡宮とも呼ばれ、宇佐神宮の元宮であるとも伝えられています。御祭神はもちろん、応神天皇(八幡大神)、比咩大神(宗像三神)、息長帯比売命(神功皇后)。

 

前に薦神社を訪ねた相方曰く、「鳥居がいくつもあって、どこから入っていいのかわからなかった。」とのことですが、確かに。どの鳥居から入るのが正式なんだろう?あせる

 

とりあえず1番広い駐車場そばの鳥居から入ってみました。

 

<薦神社・駐車場側鳥居>

 

入るとすぐ正面に屋根付きの橋が。

  

<呉橋>

 

「あれ?この橋、宇佐神宮にあった・・・」

勅使(天皇のお使い)が渡ったという呉橋、薦神社にもあったんですね。今は老朽化が進み渡れないようです。

 

呉橋の手前には、広々とした参道が横に伸びています。

 

<薦神社・参道>

 

箒の目も清々しい参道を県道側に歩いて行くと、社号標がありました。

 

<薦神社・鳥居と社号標>

 

もしかして、こちらから入るのが正しいのかな?^^; そばには由緒書もあります。

 

<薦神社・由緒書>

 

それによると、かつて三角池に八幡神が顕現され、720年日向大隅で隼人の反乱が起きると朝廷軍は八幡神を奉じてこれを鎮圧、その際神輿には三角池のマコモで作った枕状の御験が乗せられていたとあります。どうやらこれが行幸会の起源のようです。(諸説あり)

 

先ほど通ったときは気付かなかったのですが、こちらの鳥居から見ると、もうひとつ参道があります。そのもうひとつの参道(向かって右側)を進むと大きな楠があり、

 

<大楠>

 

その先に広大な池が広がっていました。

 

<三角池>

 

これが薦神社の御神体・三角池(みすみいけ)です。

池中に佇む赤い鳥居が神秘的・・・

 

赤い鳥居の手前にはもうひとつ石の鳥居があって、扁額には「薦社内宮」とあります。

 

<薦社内宮>

 

そう薦神社では三角池を内宮、神殿を外宮と称しているのです。

 

その昔「御澄池」とも記された三角池は広さ5ヘクタール余。驚いたことに人口池で、築造は御社殿の草創(承和年間834年~848年)より以前という。当時大陸の技術をもった渡来人により水利不便な台地に多くの溜池が造られたそうで、三角池もそのひとつと考えられているとか。

 

御神体として大切に守られてきた三角池には、今も入り江状の澤(池南西部)にマコモ群落が残っているとのことですが、

 

<南西に見える敷島と水生植物群生地>

 

どう目を凝らしても枯れススキにしか見えない・・・

これはやはり、夏に再訪すべきか?(笑)

 

三角池の畔に建つ小さな神門をくぐると、外宮である神殿に至ります。

 

<三角池そばの神門>

 

もうひとつの(先に通った)参道もまた神殿に通じているのですが、

 

<参道突き当りにある御神木>

 

こちらは深い鎮守の杜の中、堂々たる神門を望む光景がなんとも美しい・・・!

 

<薦神社参道と神門>

 

以前相方が訪ねたとき三角池に気付かなかったそうなのですが、なるほど、境内案内図もないし、最初にこの神門に出会ってしまうと見落としても仕方ないかも・・・ それほどにこの神門は存在感があります。

 

<神門>

 

薦神社の神殿は承和年間に創建されたものの戦乱期に破壊と再興が繰り返され、現在の社殿は江戸時代後期に建てられたものなのですが、唯一この神門だけは、江戸時代初期、中津城主・細川忠興が造営したときのものなのだとか。

  

<神門(国重要文化財)>

 

細川忠興といえば、鎌倉時代以降中断されていた行幸会を復活させたその人。薦神社の再興にも力を入れていたのですね。

 

<神門近影>

 

神門を過ぎ手水舎へ、

 

<手水舎>

 

身を清めてからお参りします。

 

御本殿は築地塀の中に、中央:本殿、左:若宮社(応神天皇皇子)、右:祇園社(素戔嗚命)と三殿あって、

 

<御本殿>

 

横長の拝殿にはそれぞれの拝所が設けられています。

 

<拝殿>

 

なので、それぞれにお参りします。

 

お参りした後、こちらの社紋が一つ巴であることに気付きました。

  

<お賽銭箱に記された一つ巴の社紋>

 

巴紋は水に由来する紋だそうで、三角池を御神体とする薦神社らしいなと思ったのですが八幡社にあって一つ巴とは珍しい・・・

宇佐神宮の社紋は三つ巴。宇佐神宮の元宮とされることと何か関係があるのでしょうか?

 

神秘に包まれる薦神社。御社殿から池に出たところに、もうひとつ不思議なものがあります。それは「神様の足跡」。

 

<神様の足跡>

 

平たい岩の上に、八幡神が3歳の童の姿で降臨された際の足跡という窪みがあるのですが

本当!

 

 

<足跡?!>

 

その形は小さな子どもの足跡そのもの!

 

宇佐神宮の元宮という格式高い神社でありながら、どこか居心地の良さを感じる薦神社。「三角池にハスの花が咲く頃、また訪ねたいな。」と思いました。*^^*

 

クローバー おまけ クローバー

薦神社でいただいたお言葉(おみくじ)に、「今から来年の事をよくよく考えてやりそこなわぬ様十分注意するように」とあったのですが・・・どうしよう。来年までもう半月もない・・・汗焦るーーーあせる

 

<駐車場にいたネコ>

 

・薦神社(大貞八幡宮):大分県中津市大貞209 HP