青島神社に宮崎神宮、ここまで山幸から初代神武天皇へと続く系譜をたどってきました。次に訪ねる神話スポットは、それよりずっと前のお話、「イザナキとイザナミ」まで遡ります。
『オノコロ島に降り立ったイザナキとイザナミはたくさんの国と神を生みました。
しかし、最後に火の神を生んだことでイザナミは大やけどを負い、死んでしまいます。
嘆き悲しんだイザナキはイザナミを連れ戻そうと黄泉の国に行きますが、そこには変わり果てた妻の姿が・・・
恐れて逃げ出すイザナキ、怒り追いかけるイザナミ。
なんとかイザナミを振り切って地上に出たイザナキは、黄泉の国との境(黄泉比良坂)を岩で塞ぎ、妻との別離を宣言します。
<神蹟黄泉平良坂伊賦夜坂傳説地の石碑(島根県) 2009年5月撮影>
黄泉の国から戻ったイザナキは「穢い国に行った」と、筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原で禊をしました。
身体を洗い清めるとたくさんの神々が生まれましたが、最後左目を洗うとアマテラスが、右目を洗うとツクヨミが、そして鼻を洗うとスサノオが生まれました。』
~「古事記」より~
イザナキが禊をしたといわれる「筑紫の日向の橘の小門の阿波岐原」、それこそが宮崎市内にある禊池だといわれています。
イザナキ・イザナミから神武天皇まで、あらゆる神々を網羅した神話スポットの数々。まさに神々のふるさと・宮崎ですね。^^
禊池を訪ねる前に、その近くに鎮座する江田神社にお参りしました。
<江田神社>
江田神社の駐車場には、禊池の象徴・三貴子誕生をモチーフにしたモニュメントが。
<みそぎの碑。海=スサノオ、日=アマテラス、月=ツクヨミを表している。>
江田神社に祀られる神様はもちろん、伊邪那岐命と伊邪那美命です。
<江田神社鳥居>
江田神社の創建は不詳とのことですが、「続日本後紀」では837年官社に列し、さらに「延喜式」では日向国式内四座のひとつとされていることから、かなり格式の高い神社であることが伺えます。
<江田神社の境内>
「かけまくも畏き伊邪那岐の大神、筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原に禊ぎ祓えたまいしに」 祝詞にも読まれる阿波岐原に鎮まる古社。
<御神木>
お祓い発祥の地らしく、辺りは清々しい気が満ちていて、こうして御社殿の前で手を合わせているだけで祓い清められるよう・・・
禊池は「阿波岐原森林公園 市民の森」の中にあります。
<「阿波岐原森林公園 市民の森」入口>
「森林公園」という名の通り、園内は緑があふれています。
<森の中の遊歩道>
<咲いていたサザンカの花>
気持ちの良い遊歩道を、案内標識に従い歩いていくと突然視界が開け、大きな池が現れます。これが禊池(御池)です。
<禊池(御池)>
周りが公園として整備されているので、あまり神話の舞台という感じがしないのですが(すみません)池に立てられた紙垂が聖地であることを示しています。
<風に揺れる紙垂>
「この場所でイザナキは禊をし、アマテラス、ツクヨミ、スサノオと3柱の貴い神が生まれた・・・」
9月に国生み・神生み神話を追って淡路島 を旅して、改めて禊池を訪ねたいと思っていました。
<オノコロ島とされる絵島(兵庫県) 2014年9月撮影>
オノコロ島伝説の地を見聞きしたうえでこうして禊池を前にすると、また感慨深いものがあります。
7年ぶりの再訪でしたが、禊池の水面を渡る風は以前と変わらず、清らかで、さわやかで・・・
その風に吹かれていると、なんとも清々しい気持ちに。
生憎の空模様でしたが、心はすっきりと晴れ渡っていました。*^^*
* * * * *
その日の夜は延岡のビジネスホテルに。
近くにあった「居酒屋 徳とく」さんで宮崎グルメを堪能しました。
地鶏うンま~
<左からサンマの刺身、山芋おろしの鉄板焼き、みやざきじどっこ炭火焼>