美しいラテン語  | 古典技法額縁制作修復 KANESEI

美しいラテン語 

 

完成間近になっている額縁は、ラテン語装飾です。

ジュエリーブランド「germedeur」のkanekoさんからのご注文、ジュエリー展示に使っていただけるように作っております。

 

昨年「ことわざ額縁」と名前を付けた額縁をご覧になったkanekoさんが、ガラスケース内で使えるサイズで文字を入れて・・・とご注文くださり、さて文章はどうしよう?

ご相談を重ねました。

 

▲満を持してラテン語文章の装飾を額縁に転写する。

 

アルファベットの文章で、ぱっと見て意味はすぐに分からない言葉(英語でもフランス語でも無くて)・・・で、ラテン語に収まりました。

kanekoさんが日本語で文章を作り、自動翻訳でラテン語に訳し、じゃぁこれで行きましょう!となったのです。が、ご存じのように自動翻訳ってまだまだ危うい・・・

額縁を作り始めてしまったら文章を変えることはとても難しい。ここはひとつイタリア人に尋ねるが吉。

 

そうしましたら案の定「ええと、言いたいことは分かるけど、文章として微妙というか美しくない。」とのこと。添削してもらいました。

 

kanekoさんによる日本語文章

「ジュエリーを通じて希望と喜びを分かち合う」

これを自動翻訳では

「Spem et laetitiam per ornamenta participes sumus」

そして添削後

「Spei laetitiaque per ornamentum participes sumus」

 

構成の変更はなかったけれど、小さな言い回しなのか単語の活用など変更されていました。(変更理由など説明してくれたのですが、わたしのイタリア語能力ではいまひとつ理解できず!)ハッキリ言ってよー分からんのです・・・。

とにかくこれで「正しくてエレガントなラテン語」になったはずです。

 

イタリア人にとってラテン語はどんな位置なんだろうと、つねづね思っていました。

日本人にとっての古文?もっと近いのか遠いのか。きっとある程度勉強したり興味を持っている人なら読んで理解はできるでしょう。

でも作文や添削となると別、と言った感じです。そして「より美しい文章」となると、これはぐっと難しくなる。

このイタリア人の友人には感謝です。きっと高校時代は頑張って勉強したんだろうなぁ・・・と思います。