引き込まれて救われて | 古典技法額縁制作修復 KANESEI

引き込まれて救われて

 

なぜだか分からないけれど、どうにもこうにも嫌な考えのループに嵌ってしまう事があります。そして自己嫌悪したりして。

 

昨今はウェブ上にそんな時の解決法がたくさん紹介されていて、瞑想する、運動する、自分を俯瞰的に見る、そんな自分も受け入れる等々、いくつもあります。

だけど、ううむ、そうじゃないんだよ・・・とひねくれ者のわたしは思う訳です。

 

運動したって一時しのぎでしょ(大体運動嫌いである。)、そんな自己嫌悪するような自分を受け入れましょうって、そうしたら、そんな思考回路で止まってしまうじゃないか・・・ブツブツ。

 

▲小箱ばっかり作っている場合じゃない。小箱に逃げている。分かっておる。

 

そんなある日、偶然に北インドのシタール音楽を聴きました。

シタールはご存じと思いますが、ギターのように左手で弦を押さえ、右手で爪弾きます。そしてタブラと呼ばれる太鼓(二つセット)奏者と2人で演奏するのが多い様子。

 

このシタール音楽が「ぐるぐる思考」からの脱出に大変効果があることが分かりました。・・・わたしだけかもしれませんが。

 

全く詳しくありませんので勝手な解釈ですが、伝統的な演奏は短くて30分、おおむね1時間と長い。そして曲の出だしはシタールのみでジャラララ~~~ン・・・と地底から響くようにゆっくり始まります。

曲の半分頃にタブラがこれまたゆっくり加わって、そこから徐々にスピードが上がります。

タブラの「タンタカタンタカ「」(右手)と「ムーンムーン」(左手)がどんどん早くになって、シタールのメロディーも競うように早く複雑になって、聴衆の心拍数もどんどん上がる。そして全員の興奮が最高潮に達したときにジャンッ!と終わるのです。

 

この、歌詞もなく(意味付けが無く)、聞く機会が少ない音楽なのもポイントに思われます。

少しずつ興奮の渦に引き込まれる時に徐々にわたしも変な思考から引きずり出され、何も考えずにハラハラドキドキが高まって、ダンッと曲が終わるときにはまるで「サウナから出て水風呂に浸かって整った」ようなサッパリ爽快な気分になるのです。

 

驚くほど効果があります。・・・わたしだけかもしれませんが。

長々と説明しても、この不思議な解放感は説明できません。

 

YouTubeやSpotifyでも「シタール」と検索すると沢山聞くことが出来ます。

わたしは最近のオシャレなアレンジではなくて、いわゆる巨匠の演奏を選んでいます。(モノクロ写真の演奏)

シタールの音は少し琵琶や津軽三味線のようですし、タブラも鼓のように聞こえる時があります。

 

もし気になる方がいらっしゃったら、もし聞いてみようかな、と思われたら

Ust Vilayat Khan aged 16 - rare video (youtube.com)(3分ショートビデオ、英語の解説あり)

Shahid Parvez Raga Darbari (youtube.com)

Vilayat Khan - Raag Darbari (1968) (youtube.com)

上記YouTubeの演奏などぜひ。長いですけれど、きっと引き込まれること請け合いです。