古典技法額縁制作修復 KANESEI
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「むぅぅ」の行きつく先は

 

ある日の出来事、どうでも良いけれどどうでも良くない出来事の日記です。

 

前夜の寝る直前にsnsで嫌な発見があって「むぅ」と思いつつも、まぁ仕方がない、そんなもんだ、と振り切って眠りました。

そうしたら案の定、とても嫌な夢を見て、これまた「むぅぅぅ」と起き上がりました。

またもやボンヤリとsnsを見ていたら、友人の幸せな様子が目に飛び込んできて、慌てて目を逸らす。

 

こんな時はとにかく無心になるのじゃ!と思って、それっ!とばかりに作業部屋に駆け込んで、自分の幸せを数えて(昭和の歌詞のようだけど)、黙々と作業をいたしました。

なにせ頭と心と手と目の接続が悪い時ですので、単純作業が吉。ひたすら点々打ちに没頭しました。

 

▲わたしを慰めてくれるのは、やっぱり制作なのでした。

 

夕方近くには気分もすっきりして「やれやれ」と思っているところにメール着信。クレジットカード会社から「4500円の不審なカード使用があったから本人使用か確認したい」とのこと。その「不審な使用」はつい2分前なのでした。

 

2分前なんて点々打ちに没頭していた時です。もちろん「わたしは使っていません」と返信しました。あっという間にカードは停止され、番号も変わるとの知らせが来ました。(確認したところ幸いに不審な使用はその時のみ)

 

新しいカードが届くまで2週間程度かかるとか。その間はオンラインで買い物できませんし、諸々登録してある支払い(保険ですとか)も番号変更手続きが必要・・・

 

昨夜から続く「むぅぅぅ」っとした気分がここで最高潮になりました。

いつどこで番号が盗まれたのか、だれがどこの国で何を買おうとしたのか、もう分かりませんけれど・・・

カード会社の対応のスピードからして、珍しい出来事ではない様子ですし、漠然とではありますが気をつけないと、と思うのでした。

 

▲庭のモジャモジャを見て深呼吸

 

幸いにも金銭的な被害はなかったけれど、心のショックと恐怖と「むぅぅ感」は増しました。

でも不幸中の幸いと言えるのでしょう。誰も気づかなかったら被害額は増えて心的疲労も恐怖心も倍増ですもの。

 

むぅぅ・・・と思っていると「むぅぅ」な出来事を引き寄せるのでしょうか。

意識して朗らかに過ごしたほうが良いだろう!と頷いたのでした。

 

 

ラテン語額縁大活躍の巻

 

6月に完成してお届けした「ラテン語額縁」(ラテン語のフレーズを装飾として入れた)は、おかげ様で大活躍したそうです。

 

ご注文下さったのはジュエリーブランド germedeur の主催者 kaneko さん。

8月、新宿伊勢丹1階で germedeur のポップアップショップが1週間オープンして、ラテン語額縁はガラスケースの中で美しいジュエリーを展示するお手伝いをしていました。

 

▲最終日に駆け込みでご挨拶に伺いました。

 

額縁は伊勢丹の担当の方やお客様にもご好評ですよ!と kaneko さんから嬉しいお言葉を頂きました。フル・オーダーメイドの古典技法額縁は珍しいようです。

 

kaneko さんには額縁以外に小箱も使って頂いておりまして、これまた嬉しい再会です。

 

▲豆小箱に指輪がひとつ。ピッタリサイズ!

 

▲錫箔の箱も嬉々として働いていました。

 

それにしてもなんという下手な写真でしょうか。

実物の展示とジュエリーはもっともっと素敵なのですよ!・・・それはさておき。

 

我が娘(額縁や小箱)が嫁ぎ先で大事にして頂き、さらに喜んで頂いているとは、母としてこれ以上の喜びはありません。また頑張って作ろう!という励ましと、 kaneko さんの自信とエネルギーを分けて頂いて、晴れ晴れとした気持ちになりました。

 

さぁ、残暑は厳しいですが秋は目前、がんばります。

 

 

今にして分かること

 

小箱制作では、ある程度まとまった数の小箱に石膏下地を施しています。ボローニャ石膏を塗り重ねて乾かしておけば、いつでも思い立った時に装飾作業が出来るという流れ。

 

今日もウサギ膠にボローニャ石膏を溶いて石膏液を作りました。

そしてふと、フィレンツェ留学時代に弟子入りしていた額縁工房でのことを思い出しました。

 

 

午後に工房へ行くと、同じころに来たパオラがひとこと「あ!今日の石膏液は良い感じにできてるねぇ!」

それを聞いたマッシモが「でしょ?午前中に作っておいたんだ。フフフ・・・」と2人でホクホク喜んでいました。

わたしはその「良い出来」の石膏液を混ぜたり触ったりして「へえぇ」と思いつつ、今ひとつ「何が良いのか分からない」のでした。

 

 

そして今日、小箱用に作った石膏液は、とても良い出来でした。

トロリとなめらか、少しふんわりとしている・・・とても美味いポタージュのような。

あの時、ふたりが言っていた「良い出来」の石膏液は、きっとこんなだったのかな、と思い出していたのです。

そうして振り返ってみれば、今のわたしは当時の2人の年齢に近づいて来ました。

 

結局、そういう事なのですよね。制作をずっと続けて、ああでもないこうでもないと経験しつつ考えて、ようやく積み重なって、石膏液の良し悪しだとか、「どうして今日の石膏液が良くできたか」が理解できるようになった。

 

しみじみと感慨にふけった午後でした。

 

 

未だわからない

 

小箱に金箔を貼って、その上に彩色して模様を入れました。

何色を塗るかは、あっさりと決まる(その時の気分によって選ぶ)時と、数日の間、本を見たりして悩んでから決まる、という2パターンあります。

 

今回は悩んだバージョンでした。

 

 

選んだ絵の具の色名はクリムソン、臙脂色というか、青味のある暗い赤色です。

 

 

今まで金と赤の組み合わせはあまり選んできませんでしたが、少し違う雰囲気の彩色も良いかしら・・・と選びました。

だけど、なんだか、気に入っているようないないような、未だ釈然としません。

 

 

そうこうするうちに彩色も完成しました。なかなか華やかな雰囲気。

これからアンティーク風に古色をつけて仕上げます。

どうなる事やら??

 

 

 

今日は何の日

 

「今日は何の日?」

「ダメダメの日」

 

どうにもこうにも細かい作業が上手く行かない日ってあります。

 

▲ブレちゃってずれちゃってもうどうにもこうにもいやはや。

 

オフホワイトの絵の具で模様を細く入れたい・・・ですがブレブレのヨレヨレ。そんな時はすぱっと止めて、事務仕事でもした方が有意義なのです。

分かっちゃいるけれど、「でもでもだって!今はこれがしたいんだもの!」と叫ぶ気持ちもある。

仕方がないので、ここぞとばかりに秘蔵(?)の新しい筆をおろして、いざ。

 

 

そうして続けると、嗚呼・・・言わんこっちゃない。

・・・とは言いたくないけれど。

 

いさぎよさも随時必要でございますね。

ぶれた線は明日の午前中に修正します。

 

 

 

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