古典技法額縁制作修復 KANESEI
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額縁用じゃなくても額縁に。

 

いつもお世話になっている額縁材メーカーさんから

新しいカタログが届いて、新商品にわくわくしつつ

さっそく新商品木地を使った額縁を作っています。

 

 

アユース材の薄い木地に丸〇とフリルのような

ちょっとした彫刻をしました。

この木地、メーカーさんのお話によると

額縁用ではなくて建材(内装)用として作ったとのこと。

どおりでドロ足(裏側にある、絵を入れる枠)がありません。

 

▲だいぶ薄くて華奢な木地なのです。

 

▲裏。ぺらっと薄くて、いわゆる額縁の形ではありません。

ドロ足がないので薄板を組んであるだけ、といった趣き。

 

たしかに額縁と建築は切っても切れない仲です。

額縁は元はといえば窓枠や扉枠から派生していますから。

建築の様式はそのまま額縁の様式に通じます。

2016年2月に完成した「hori-acanthus-1」額縁は

内装メーカーの棹木地を使って作ったのでした。

この時もやはりドロ足を作りました。

 

さて、このままではただの四角い木・・・ですので

ドロ足を取り付けます。

 

▲10×25mmの材を組んで取り付けます。

 

これから濃い茶色に染めて、ワックスで古色を足して

かわいらしい犬の版画を納める予定です。

新しいデザインの額縁を作る楽しさ、格別です。

 

 

平らは良い。

 

つめ込み過ぎているわたしの本棚は

棚板がすこしずつたわんでいましたが

とうとう本を取り出すにも戻すにも

おおきな労力が必要なほどになったので

棚板を交換をすることにしました。

 

家族に相談したら、奥から長ーい

板が登場しました。

なんと、祖母が使っていたという

着物の洗い張り用の板ですって。

もう何十年も物置で眠っていた板。

反りも無く面取りされて美しいままです。

これを切って、ダボ用のミゾをルーターで入れて

(すべて家族がしてくれた作業です・・・)

無事に棚板2枚を交換することができました。

 

 

本が平らに並んでいるってすばらしい。

すっと取ってさっと戻せるってすばらしい。

 

 

本体に合わせて茶色に塗ることも考えましたが

祖母が使っていた当時のままにしています。

おばあちゃん、ありがとう。

 

 

額縁の作り方 25 差し箱の向き

 

本日は番外といいますか余談といいますか。

額縁を保存するための箱「差し箱」の向きについて。

 

額縁を黄袋(黄色い布の袋)に入れてから

差し込み式の箱に収納する場合、

画面はどちらに向けるのか。

Atelier LAPIS の生徒さんにも質問されましたし

疑問に思われるお客さまも多い様子です。

 

▲こちら差し箱と黄袋。

一般的に段ボール製ですが、布を貼ったタトウ箱もあります。

 

昔、いろいろな方に質問しましたが諸説あって

結論として向きに決まりは無かったのです。

その中でわたしがしっくりきた答えは

『紐具のある面に画面をむけて収納』でした。

 

随分前に、あるギャラリーオーナーにお聞きした時

「じゃあ差し箱を壁に立てかけて置いてごらん」

と言われて、わたしは紐具面を表に置きました。

「ね、自然に置くとその向きでしょう、だから

絵の表もおなじだよ。」とのお話でした。

 

▲箱の紐金具がついている面と額縁の表を合わせる。

そして紐をくるくる巻き付けて閉じる。

わたしはこの向きで入れていますが

反対向きに入れるほうが安全という方もいらして、

どちらが正しいかはそれぞれ。

 

▲裏側には何もありません。

 

蓋を閉じる前に黄袋のくちの処理もします。

黄袋に入れて箱に入れて、蓋をしますけれど

黄袋のくちをきちんと畳んだほうが

蓋はきちんと閉じます。

そして次に開けたときも美しい。

たまに黄袋がグチャッとつっ込まれた額縁に会いますが

ものがなしい気分になります。

いちいち細かいですか?

でもこうした小さなことって、案外と人の目に

留まっているものですから

気を付けるに越したことはありません。

 

▲黄袋を畳まないと額縁も箱内で不安定になる。

 

ちなみに!どちら向きに箱に入れたとしても!

差し箱に入れた作品を何枚も立てかけるとき。

たとえば棚に収納したり、搬入搬出のときなど。

画面はかならず中合わせにしてください。

A、B、C、Dと箱に入った作品4枚があったなら

A表とB表、B背中とC背中、そしてC表とD表。

「前へならえ」(すべて同じ向き)ではありません。

これ、昔々に「前へならえ」で並べてしまい

こっぴどく怒られた思い出があります・・・。

 

 

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