陸上競技クラブ.
2010年〜2015年あたりは全国でもかなり少ない業種で,当時の陸上競技をする場といえば「少年団」や「部活動」が中心でした.
小学生は少年団.中学生や高校生は部活動.これが一般的です.
それが2015〜2020年あたりからは徐々に陸上競技クラブというものが全国各地にポツポツと出来始めました.
少子化の影響からか,陸上競技部自体がその地域の学校からなくなり,今まで「少年団」だった陸上競技のチームが卒団をした教え子たちのためにクラブ化をしたような形から増えていったものも多くあるかと思います.
そして今は学校現場の働き方改革の関係で,部活動の地域移行化が国からも提示され「陸上競技クラブ」が数多く出来始めています.
オホーツクキッズは発足当時から陸上競技クラブです.
発足年は2015年でしたので,参考とするべき既存の陸上競技クラブは少数しかない状態でした.
大学コーチ時代に毎年2月に合宿をしていた沖縄県石垣島でお礼を兼ねて毎年陸上競技教室を開催していました.
その際に「石垣島アスリートクラブ」の代表の新谷敦史さんと出会い,陸上競技クラブについてノウハウを教えていただきました.
この出会いがオホーツクキッズ発足に大きな力になったことを今でも鮮明に覚えています.
北海道では皆無のような状態だったので発足当時は大きな風当たりを感じたのを今でも鮮明に覚えています.
よく言われた言葉に「そんなに甘い世界じゃない」「そんなんで生活はできない」「人生を軽く考えすぎだ」がありました.
当時は何も言わなかったですが,北海道では誰もチャレンジをしていない「陸上競技クラブ」の世界なのに,なぜこんな言葉をチャレンジをしていない人たちがチャレンジをしている人間に言えるのかと本気で思っていました.
そして,人生を深く考えた結果,学校現場での指導ではなく,クラブとして地域の子どもたちに自分にしかできない指導をしていきたいと行動をしたのです.
2024年現在はそういった風当たりの強さはいっさいなく,地域からも受け入れられていることを感じていますし,受けて入れていただけたことに感謝をしています.
この10年間のクラブ運営を通して,「陸上競技クラブ」という形態では2種類のものがあると私の中で結論がでました.
完全な自分の中での造語です.
・自立型陸上競技クラブ
陸上競技クラブでの指導で子どもたちの競技力を伸ばしていくことを目的にする
・共存型陸上競技クラブ
部活動の練習で足りない部分を補填していき,競技力を伸ばしていくことを目的にする
この二つです.
2024年の現在で,陸上競技クラブのコーチなどに話を聞くと必ず耳にするのが「部活動の顧問が〜(良い話ではないです)」.
よくわからない技術を教える,よくわからない考えを教える,メニューの量が以上に多くて部活動で怪我をする,クラブ所属の子は試合に出させてもらえない・・・etc
こういった愚痴を良く聞きます.
「自立型陸上競技クラブ」の形態を目指している指導者はこういった愚痴が非常に多いです.
自分達の陸上競技の考え方・指導方法に自信を持っているからこそ,他者からの子どもたちへの干渉を嫌がるケース.
こういったクラブの指導者は陸上競技に対しての情熱が高く,確固たる指導方針を持っている方が多いです.
こういうクラブに所属をしているとぐっと伸びるアスリートは非常に多いです.
「共存型陸上競技クラブ」の形態は・・・はっきり言ってかなり少ないです.
陸上競技クラブと中学校の部活動を掛け持ちさせて,部活動での不足分を補うスタイルのクラブ.部活動では全体を見ての指導になるので競技力の高低に関わらずに全体で必要なものを取り入れていきます.クラブでは個々の動きや身体能力に応じた技術やアスリートとしての意識の持ち方などを指導をする.そういう形の陸上競技クラブです.
オホーツクキッズでは現在は「共存型陸上競技クラブ」の形態をとっています.
オホーツクキッズの中学生チーム「Jチーム」は2016年から子どもたちの要望で発足しました.
発足当時はやはり風当たりは強かったですが,徐々にクラブの必死さ?熱心さ?が伝わり,今では地域に当たり前のように存在をさせていただけています.
今後もこのような形をしていくかは世の中の情勢を見つつと私自身の考えによって変化はしていくかと思いますが,現在の「共存型陸上競技クラブ」の形態で,学校現場とクラブで陸上競技を学ぶスタイルは継続していくと思います.
これはオホーツクキッズのコーチングスタッフが優れているから成り立っているのではなく,オホーツクの中学校の部活動の先生方が本当に一生懸命で子どもたちを預けていても問題が一切ないからです.本当にオホーツクの子どもたちは恵まれていると思います.
2024年現段階での陸上競技クラブというものに対する個人的な考えです.
今後のためにまとめてみました.