2023年度卒団式(小学生) | 陸上競技クラブ オホーツクAC/キッズ監督 金子航太のブログ

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走幅跳が専門のアスリート「金子航太」が,毎日のいろいろ「ん?」って思ったことを,コーチの視点とアスリートの視点から綴ります.

2023年度のオホーツクキッズAチーム(小学生)の卒団式.

毎年,こんなことは考えてはいけないと思いながらも「来るな,来るな」と思いながら迎える1日です.

毎年たくさん怒ったり,たくさん叱ったりしながらも,それ以上にたくさん笑ったり,たくさん喜んだり・・・そういった日々の活動の中で,毎年私の中では「過去最高のチーム」になっています.愛着が湧きすぎるので,本当にこのチームが解散するのが寂しい.

 

寂しい気持ちが強すぎますが,新たな道で輝く6年生たちを見るのが楽しみでもあります.

毎年そんな複雑な中で迎えるのが卒団式.今年もいつも通りに複雑な気持ちで迎えました.

 

オホーツクキッズの卒団式は通常の練習をおこなってから卒団式をおこないます.

練習の様子.保護者の方も見ている中での練習.やや緊張をした顔をしながらも5分ほどするといつも通りになりました.

マット運動からの動物動き.

おそらく子どもたちもびっくりしたかと思います.

卒団式だからいつも通り・・・と思いきや,いつもはやらない新しい練習を複数おこないました.

保護者の方々が見ているからこそ,あえてキッズたちの適応力の高さを見せてもらいました.

 

鬼ごっこも実施.

最近,流行っている二人で一つの手繋ぎ鬼.

みんなでキャーキャー言いながら楽しんでいました.

 

二人組で押し合い.

全力を出せられるように全身を使ってもらいます.

もちろん,楽しみながらが大前提.

仲間を楽しみながら競い合いながら全力を出してもらいます.

 

陸上競技の専門分野は基本中の基本の「腿上げ動作」に重点をおいてトレーニング.

安定すること,形を覚えること,腕振りでは肩甲骨を動かせるようにすること・・・マニアックな内容に取り組みます.

オンとオフがはっきりと区別できるのがオホーツクキッズの良さの一つ.

指導する私の表情を見て判断する癖が身についています.笑

 

またもや初めての内容.

「大股走」.股関節を大きく使うトレーニングです.

6年生もただでは卒団させません.

難しいことに挑戦をしてもらいました.

人生は「壁」の連続.どうやって乗り越えるかが大切です.最後の練習だけれども「壁」を与えました.

 

練習の締めはダッシュ.

卒団式の日は「学年ごと」にダッシュをします.

今まで一緒に頑張ってきた仲間との最後のダッシュ.

このダッシュを見るのが本当に嬉しく,見てる側は感情が溢れてきます.我々陸上競技人は子どもたちの日常生活でも成長を感じるのですが,最も感じるのがこの基本のダッシュなのです.


初めてチームに来た日のダッシュを思い出して,今の成長具合,絶対に勝つぞとグイグイ前にがむしゃらに走る姿に感動をしてしまいます.ここで毎年泣きそうになってしまうのです.

 

これにて練習は終了.

卒団式のために行動へ子どもたちは移動をします.

6年生組のみ,集めて最後のミーティング.

 

2つの約束をしてもらいました.

1つ目は「健康でいること」.健康以上に素晴らしいことはありません.

健康であるからこそ,人生は輝きます.身体を大切に健康を維持していってください.

 

2つ目は「逃げ出しても良いということ」.これから先,生きていく中で嫌なことやきついこと,つらいことは間違いなくたくさんやってきます.その時にその「壁」を乗り越えることはものすごく大切で大きな「壁」ほど乗り越えた時に大きな力になるのは事実です.事実であるけれども,無理をして身体を壊したり,心が壊れてしまったりすることはだめなのです.私がそんな子どもたちの姿は見たくもない.本当にきつかったら逃げても良い.逃げるのも選択肢の一つとして持っていて欲しい.誰も責めないから自分の身体と心を大切にしてほしいということを伝えました.

 

指導者が教え子たちに「逃げても良い」というのは,良くないことかもしれませんが,それだけ大切な教え子なのです.

幸せな人生を歩んでいってほしい.

 

そしてこの世代の良さについて伝えました.(伝えたまま書きます)

この世代は本当に不器用で,それは陸上競技だけではなく,生き方も人との関わり方も本当に不器用な世代だった.

陸上競技の記録だって,歴代の先輩方と比べると高くはない.不器用だし,記録は決して高くはなかったかもしれないけれども,この世代はできないことや苦手なことに対して逃げることなく,真正面から向き合って,どの世代よりも楽しそうに取り組んでいた.そういうとこが本当に好きだったし,頼もしかった.難しい課題にそのように取り組める人間は必ずこれからの人生で大きな成長が待っている.だからこれからもそのスタイルで頑張りなさい.

 

このように伝えました.

毎年,泣かないように我慢はしているのですが,無理です.


6年生を集めて話し始めたら,初めてチームに来てくれた時のことやその子との思い出や今の姿を見て成長を感じて話すことができなくなってしまいます.悔しいですが,何歳になっても泣き虫は治りそうにありません.

 

最後のミーティングを終えて,気合いを入れて卒団式へ.

卒団式の準備中・・・.

6年生は緊張気味,これから名前を呼ばれて,返事をして,卒団記念品をもらって,みんなからのメッセージの詰まった色紙をもらって,みんなの前で一言を話します.オホーツクキッズ伝統の卒団式です.

 

順番にも意味をもたせてつくりました.

6年生の頑張っている姿を掲載します.

 

旗手絢斗

チームのムードメーカーとして頑張ってくれました.
私のしつこいぐらいのいじりにも笑顔で答えてくれるナイスガイです.
卒団式の最初は毎年最も金子が信頼しているムードメーカーと決めています.
ただただ,楽しく運動をしているだけだった絢斗が少しずつアスリートの雰囲気を出してきたのが6年生に入ってからです.
6年生からの急成長は周囲も認める素晴らしいものでした.いつも周囲には仲間がびっしりいる人気者.
人に好かれる要素をたくさん持っているのが絢斗の魅力です.中学生ではJチーム進級して,走幅跳を専門に頑張ってくれます.
走幅跳はオホーツクキッズで最も厳しい金子直属のブロックです.ここからが本番です.頑張ろう!

 

中村弥斗

ハキハキと自分の言葉でしっかりと話すことができていました.素晴らしい.

今の弥斗からは想像ができないかと思いますが,小学校1年生の時は誰よりも泣き虫だった弥斗.

元気いっぱいかと思いきや,少し転んだり,できないことがあるとすぐに泣き出してしまう.そういう一面を持っていました.

今でも覚えているのが小学校1年生の時に東陵公園でジョギングをしていて,最初の30mほどで転んで膝から出血.

泣きに泣いていましたが,「いいか,弥斗,男なら走れ!泣くんじゃない!」と一喝.小学校一年生に対して今の時代だとあり得ない言葉かと思いますが,すみません.そういう私はそういう指導者なのです.泣きながらもしっかりと走り切ってくれたのを覚えています.歳を重ねるごとに泣くことはなくなり,グッとこらえて前を向いて頑張れるようになりました.陸上競技が本当に大好きで全ての種目の練習を全力で取り組んでくれました.その結果,全てがうまくなり記録が伸びているので,中学からはどの種目にするのか悩み中です.なんでもできるアスリートになる.オホーツクキッズの目標をその身体で表現してくれました.これからに期待です.

 

澤井優空

チームに加入当初はオホーツクキッズのメンバーのグイグイいく勢いに戸惑いながら時折泣き出してしまうこともありましたが,

今では逆にグイグイいくタイプになっています.優空の良さが出てきてくれて本当に安心しました.特に女子メンバーと一緒にいる時の楽しそうな表情は最高です.競技面では身長が急に伸びてきた影響もあって,筋力面が追いつかずになかなか思うように記録は伸びてはいきませんでしたが,伸びも落ち着いてきたのでこれから筋力面が高まってくるのでこれからがものすごく楽しみです.筋力面はまだ高くはありませんが,本日の大股走などでは大きく股関節を使う素晴らしい動きができていました.中学生からもJチームに進級して頑張るという話をしてくれました.これからが楽しみです.ビシバシいくからね.頑張ろう!

 

小林花凛

6年生の途中から加入をした花凛.

オホーツクキッズのグイグイと勢いのある仲間と馴染めるのか不安だったと思いますが,そんなこともなく,すぐに馴染んでいました.持ち前のズシッとした気持ちの強さのおかげですね.走りについても最初はドタドタと踵から接地をしていく走りだったのですが,少しずつ動きも改善.コーチングスタッフの予想以上に動きもよくなり,走りもよくなり・・・秋にはリレーの代表権を獲得するまでに成長をしてくれました.中学生からもJチームにて短距離に取り組んでいきます.オホーツクキッズでの活動時間はまだまだ少ないけれどもだからこそ伸び代があると思います.中学生でどれだけ大きな成長をしてくれるのか楽しみです!頑張ろうね.

 

細井啓慎

啓慎は2023年シーズンを終えてからチームへ加入をしました.オホーツクキッズとはコンセプトの異なるチームからの加入だったので,どのようにチームの輪に溶け込んでいくのか気にしながら見ていましたが,心配は必要ありませんでした.3回目ぐらいの練習ではすでにチームに溶け込み,6年生男子の心を鷲掴みにしています.今ではFチームから所属していたの?というぐらいの雰囲気になっています.実は啓慎は5年生の時に素晴らしい記録を出しているのですが,6年生シーズンではその時の記録を越えることができずに苦しいシーズンを送っていました.身体以上に心のケアが必要だと思い,キッズに加入をしてからはまずは楽しく,次も楽しくで思いっきり身体を動かしてもらいました.中学生からは小学生時代に充電ができたと思うので井上陽介コーチの指導のもとで大幅な自己ベスト更新をすることは間違いありません.過去の自分を思いっきり超えてやろう.頑張るぞ!

 

佐藤朋佳

女子チームのムードメーカー.いつもワイワイの輪の中には朋佳がいました.

私もなにかあればいつも朋佳にふれば場が盛り上がるのでたくさん助けられました.朋佳,ありがとね.

競技面では最も不器用なタイプだったね.走幅跳では踏切板から遥か奥の砂場ギリギリからのジャンプを何回も大会で見せてくれました.どうしよどうしよと私も困惑する時期もありましたが,誰よりも常に全力での練習をすることを積み重ねて徐々に踏切位置も安定してファールもなく跳べるように安定していきました.最初は2mもいかなかった走幅跳が3m30あたりまで伸ばすことができました.コツコツ頑張れば記録もパフォーマンスも高まっていく,朋佳のひたむきな姿勢に改めて頑張ることの大切さを知ることができました.頑張ったね.中学でも頑張るよ!

 

蝦名美宙

初めて練習に来た日のことを今でも覚えています.

チームの輪に入ることもできず,遥か離れた先でチームの練習も見ることができず反対方向を向きながら佇んでいました.

ご両親と相談をしながらなんとか練習体験をすることができて,チームに加入をすることができました.

そこからの美宙の成長ぶりは本当にものすごい.別人になったというぐらいに練習には積極的に参加をして,チームのみんなとも積極的に関わり,いつも美宙の周りには女子の仲間たちが集まっていました.競技の面でも砲丸投を選択して北海道大会にも進出.最後の3投目では入賞ラインを大きく超える投げを見せるも投げた記録を確認しようと前に踏み出してしまい,無念のファールで入賞ならず.入賞はできなかったものの,会心の投げを出すことができて,思わず前のめりになった美宙を見て,競技者として羨ましいなと感じたのを覚えています.それぐらいのパフォーマンスを出すことは競技者人生で感じれる人は本当に少ないからです.中学校では前々からおこないたかった吹奏楽に取り組みます.美宙なら大丈夫.陸上競技の時と同様に前のめりで取り組んでくれるでしょう.この半年間ずっと中学でも陸上競技をして欲しくて勧誘をしてきました.それでも折れない心はさすが私の自慢の教え子です.いつでも復帰を待ってるよ.陸上競技良く頑張りました.うちのチームにきてくれてありがとう!卒団おめでとう!

 

松田航青

このチームに入ってよかったです.航青のみんなの前で話をしていくれた熱いメッセージ.死ぬほど嬉しかったです.

練習中では考えられないぐらいにスラスラとみんなの前で堂々と話をしてくれました.航青の新たな魅力を新たに知ることができて良かったです.航青の良さは苦手な種目だったとしても嫌な顔を一つも見せずに,その場その場で仲間と一緒に楽しく思いっきり取り組めることです.航青のそういった雰囲気の良さに自然と仲間(特に下級生)が引き寄せられていってチーム内に安心感のある良い空気を作ってくれました.チームを持つ指導者としては航青のような人間が一人いると組織づくりでかなり助けられます.感謝しています.中学ではテニス部に所属をする予定.新たな取り組みにはなりますが,どんなに難しいことでも積極的に頑張ってきた航青ならば大丈夫.新たなステージで思いっきり成長した姿を見せてくれると思います.成長をした姿を見るのが楽しみ.頑張れ航青!卒団おめでとう!

 

坂上敦紀

この世代では絢斗とナイスコンビでいつもチームの練習を盛り上げてくれました.チームの雰囲気を和やかにする大切な役割を担ってくれました.感謝しています.競技面では5年生で走高跳で北海道大会入賞を果たすも6年生では入賞ができず…試合後の悔し泣きが印象的でした.力はあっても練習時に楽しさを優先してしまい集中しきれず,自分の身体をを競技に合わせて丁寧に動かすことがなかなかできずに動きの習得が出来なかったことが原因です.これは本人にも伝えており,北海道大会から少しずつ改善されつつあります.失敗や悔しい思いは自分を強くする.中学からは棒高跳をメインに頑張ります.新たな種目.楽しみながら頑張れ!!卒団おめでとう!


荒木空

いつも明るく元気いっぱい.女子チームを明るく下から上の世代まで仲良いチームにしてくれました.チャレンジをすることをいつも怖がりつつも,実際にチャレンジをする時には誰よりも真剣に取り組む…そんな一面を持っていました.北海道大会進出をかけた地区大会前のリレー練習,どことなく女子の雰囲気が「本気さが欠ける」場面があり,初めて思いっきり怒りました.「他のチームに申し訳ないからそんなんじゃ試合に出ない方が良い」と.それから練習時の様子が一気に変わり,北海道大会へ見事に進出.北海道大会後も,あれだけ試合に出たくないと言っていたのに,「もう一度走りたい」と言ってくれました.あの言葉は指導者人生で一生忘れられないぐらい嬉しかったです.中学でも空らしい仲間を大切にしながら頑張るスタイルとやる時はしっかりと頑張れり素敵な人間性のまま毎日を楽しんでもらいたいです.思いが溢れて思わず泣いてしまった最後の挨拶.素敵な人柄が溢れてました.嬉しい言葉ありがとう.卒団おめでとう!


木下暖真

運動量はチーム1!

特に休憩時間は休憩をせずにずーっと仲間と遊び回っていました.相棒の航青といつも一緒に遊んでいました.みんなの前で素晴らしい話をしてくれました.「最初は走りたいから入ってただけだけども,いつのまにか良い記録を出したいからやるようになった」と.これがスポーツの原点です.ただただ楽しいから動いて遊んでたものが徐々に夢中になり高みを目指して取り組んでいく.理想的なアスリートの成長の流れです.小学生時代にこの流れを身をもって知ることができたのは大きな財産です.そんな暖真も順調にはいかずに練習になかなか来れない時期もありました.それでも頑張って練習に参加をして卒団までできたことはめちゃくちゃ嬉しかった.ありがとね.これからもたくさんの困難が必ずやってきました.時には逃げたって良い.暖真らしく向き合ってみて下さい.卒団おめでとう!


橋本咲和

素材は抜群.踏切に向かっていく走りは間違いなく全国トップクラスです.そういった素晴らしい素材を持ちながらも,実は不器用で身体の末端を操作するめちゃくちゃ苦手です.そのため,動きを自分でコントロールすることができずに助走が毎回変わったり,動きの習得が出来なかったりと苦労をしていました.でも小学生時代はこれで良いんです.武器を磨いて,他は見てみぬふりをしてきました.中学から自分の苦手と向き合って武器をさらに磨いていってもらいます.先輩たちの偉大な記録へチャレンジをしてもらいます.仲良し女子チームを副キャプテンとしてまとめてくれました.過去を見ても上級生も下級生もみんなが仲良いのは珍しいと思います.咲和と仲間のおかげです.ありがとう!卒団おめでとう!


本田夏向

小学1年生から6年間,良く頑張りました.

うまくいかない,できないことがあるて感情が高まり涙を流すナイスガイ.こういう泣き虫は大好きです.陸上競技に対しても誰よりも真剣で一喜一憂を誰よりもしていました.優勝を狙った北海道大会ではまさかの失敗投擲の連続で無念の第4位.この失敗があったからこそ,次のステージでの大躍進が約束されてるのだと思います.みんなの前で言った「全国に行きます」.目標とか,行きたいとかではなく,「行きます」と言い切りました.約束をしたからには約束したなりの行動と結果を出しましょう.小学生時代には出来なかった北海道No. 1を中学で実現して,全国の舞台で思いっきり投げましょう!頑張れ,夏向!卒団おめでとう!!


河野大希

キャプテンとしてチームをまとめ上げてくれました.

 

どちらかと言うと引っ込み思案でなかなか自分を表に出せるタイプではありませんでした.でも,5年生になってから時折でてくる競技への集中力の高さから「立場が変われば大化けする」と確信してキャプテンを任せました.それからは成長の連続.北海道大会では走高跳で第4位.前までの大希であれば満足すぎる結果だったのですが,本人はあくまで優勝を狙っていたと.子ども達の成長は大人の想像を遥かに越えていきます.そして中学では「全国に行く」と言ってくれました.これからの成長が楽しみです.キャプテンとしては誰にでも優しく,言う時はしっかりと言う頼もしかったです.チームをしっかりとまとめ上げてくれました.感謝しています.ありがとね!全国目指して頑張ろうな!卒団おめでとう!!

 

全員に卒団記念品を渡して,全員から一言をもらって,卒団式は終了.卒団生からの一言は毎年痺れるぐらいに感動をくれます.みんなの成長が眩しい.うちのチームに来てくれて一緒に陸上競技をしてくれてありがとう.


最後にみんなで集合写真.

良い顔をしています.

卒団おめでとう!