1ドル160円台。円安が進んでいるのは、国際社会における日本の信用が失われていることの表れだ。それに加えて財政不足……。ザイセーフソク、ザイチェフ則。

 有機化学において、脂肪族炭化水素の脱離反応において生じるアルケンの一般的な傾向を示すザイチェフ則という法則がある。簡単に喩えると資本主義の原則みたいなものだろうか。

 「おおよそ、持っている人は与えられて、いよいよ豊かになるが、持っていない人は、持っているものまでも取り上げられるであろう」(マタイによる福音書25:29)



 ザイチェフ則によると、最も多く生成されるアルケンは、「水素置換基が最も少ないα炭素から水素を取り除くことに対応する」とされる。また、マルコフニコフ則はその逆反応において、「Hが多く付いている炭素にHが結合する」という傾向性を示す。

 例えば、プロピレンにH₂Oが付加すると2種類の物質が生成する。1つは、Hが真ん中の炭素にくっついた「1-プロパノール」、もう1つはHとOHが逆にくっついた「2-プロパノール」である。このとき、水素原子の多い炭素に水素が付加する、2-プロパノールができる可能性の方が、1-プロパノールができる可能性よりも高いということになる。



 話が専門的になりすぎてしまったが、貿易においてもそうである。6月28日は「貿易記念日」。元手とする資本が多ければ大きな商売ができるが、手持ちが少なければ先細りになるものだ。韓国ドラマ『商道(サンド)』は李氏朝鮮最大の交易商人になった実在の人物である林尚沃(イム・サンオク)の生涯を描く。ドラマとしては面白いが、現実にはハイリスク・ハイリターンは、なかなか難しい。

 将棋でもそうだ。持ち歩が多い時は余るほどあるのに、歩切れの時は一歩がないことに苦しめられる。ちびまる子ちゃんのおじいさんも言いそうだ。「まる子、歩2個不足」ーーマルコフニコフ則の覚え方にどうぞ。

 「あなたがたに言うが、おおよそ持っている人には、なお与えられ、持っていない人からは、持っているものまでも取り上げられるであろう」(ルカによる福音書19:26)。マルコ福音書じゃないのね。



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