5月9日は「アイスクリームの日」です。昔、月刊『新天地』に、読者から「天上のアイスクリン」という投稿がありました。当時は何のことか分かりませんでしたが、宮沢賢治の詩集『春と修羅』に収録された「永訣の朝」の詩に掛けていたのですね。
「四季の歌」のメロディーに乗せて「天上のアイスクリーム」をお届けします。
①春を愛する人は「はるちゃんのアイス屋」
1盛2盛3盛までなら カップとコーンあり。
②夏を愛する人は「小夏シャーベット」
リトルサマーオレンジ 美味しいんだもの。
根強い人気で種類も豊富な サーティワンアイス。
④冬を愛する人は「雪見だいふく」
弾むぷにぷに餅のような バニラアイス。
「おまへがたべるこのふたわんのゆきに わたくしはいまこころからいのる どうかこれが兜率(とそつ)の天の食(じき)に変(かは)つて やがてはおまへとみんなとに 聖い資糧をもたらすことを わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ」
宮沢賢治は浄土真宗の信仰の中で育ちましたが、中学卒業後に法華経(日蓮宗)の熱心な信者となります。「永訣の朝」は最愛の妹との別れをうたったもの。詩中の「兜率の天の食」が校正前は「天上のアイスクリーム」であったそうです。
仏教の経典において、女人は救われざる者とされていましたが、唯一「法華経」のみが女人成仏を説いており、これを日蓮は最上の教えとしたのでした。愛する妹の平安と人々の幸福を願う賢治の祈りが詩に込められているようです。
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