倭の五王による朝鮮半島進出、豊臣秀吉による朝鮮出兵、そして韓国併合による植民地支配など。歴史的に怨讐関係にある韓国と日本がパートナーシップを築くことができるのでしょうか。

 ロシア、中国、北朝鮮といった近隣諸国との緊張が増大する昨今にあって、日本が韓国やアメリカと協力体制を構築することは、アジアの平和を守るためには不可欠な要素であると思われます。

 とりわけ韓国と日本の融和を目指すためには民間交流が必要です。1971〜76年に日本から医療チームが韓国に派遣され、統一教会主導のもとに初めての韓日国際合同医療ボランティアが行われました。

 まだ韓国が豊かでなかった時代であり、薬をもらえたこともありがたかったが、それ以上に海を渡って来てくれた、その心が嬉しかったと、当時のことを知る韓国人が述懐していました。

 また、国家間の壁をなくす近道として韓日間の国際結婚を奨励してきたのも統一教会でした。1988年の国際合同祝福結婚式では6516組が参加。(日本人男性と韓国人女性の)日韓カップルが1060組、(韓国人男性と日本人女性の)韓日カップルは1526組誕生しています。



 中西尋子氏は現地で日本人女性たちの話を聞いた上で、「『女性性』 の回復――ある新宗教教団における集団結婚式参加者たちの結婚と結婚生活――」と題する論文を書いています。最初と最後の一部分だけ抜粋すると、次のような内容です。


 一 はじめに

 韓国農村部に統一教会(世界基督教統一神霊協会)の合同結婚式で韓国人男性と結婚し、家庭を築いている日本人女性が少なからず暮らしている。その数は少なくとも六千人を超えるとされる。韓国の国勢調査や日本の海外在留邦人数の統計を見ても韓国在留の日本人女性の多さが際立っている(中西二〇〇五)。周知の通り、合同結婚式では、結婚相手は教祖によって選ばれる。なぜこれだけの数の日本人女性たちが合同結婚式を受け入れ、韓国での結婚生活を継続することができるのだろうか。この点について筆者は一度考察を試みた(中西二〇〇四)。それによれば、彼女たちは入信前から生きる意味を模索したり、世界平和のために何かできないかを考えたり、あるいはしあわせな家庭を築く方法を求めたりしていた。統一教会の教えと実践は、この欲求に応える部分を持っていた。だからこそ彼女たちは合同結婚式を受け入れ、交際したこともない韓国人男性との結婚生活を続けていけると解釈できるものとなった。

 ……(中略)……

 五 おわりに

 合同結婚式で結婚した日本人女性たちが、なぜ合同結婚式を受け入れ、交際したこともない韓国人男性との結婚生活を継続できるのかを、彼女たちの語りを通してみてきた。世俗にあって女性であることに積極的意味を見出せない女性、女性の身体さえも重荷であった女性たちに統一教会は結婚の意味を説いた。統一教会の「地上天国」建設という目標の下、結婚し子どもを生み育てることは聖なる実践となり、「女性であること」、「女性の性的身体」に積極的意味を与えた。統一教会における結婚と結婚生活は、彼女たちにとって女性性を回復し、女性としての自己を取り戻すもの、いわば「再生」の道なのである。だからこそ彼女たちは合同結婚式を受け入れ、結婚生活を続けていると考えられる。

 以上が調査した限りで引き出せる結論である。


 現在約7000名が日本から韓国に渡って結婚生活をしていると聞きました。嫁入り先の嫁姑問題は、同じ日本人同士でも簡単ではありません。ましてや文化や慣習、言葉までも違う中で苦労することも多かったでしょう。

 そんな中で、義父母に孝行を尽くし、模範的な嫁を表彰する「孝婦賞」を受賞した日本人女性が300人程度いらっしゃるようです。とりわけ年輩の韓国人からすれば、歴史的怨讐の国から来た嫁という立場の日本人妻が、国の壁を超えて、韓国社会で認められ、見事に成功したという事実を伝える内容です。 

 創世記一章27節に「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」とあります。解釈の難しい聖句ですが、神様には男性的側面と女性的側面があり、その神性に似せて男女を創造されました。それゆえ男性と女性が結婚してパートナーとなることで、完全なる神様の神性を表すことができるようになるというわけです。

 4月14日は「パートナーデー」。良き人生のパートナーを見出すには、自分の願うように相手が変わることのみを期待してはいけません。むしろ周囲から願われる自分となれるよう自らを変えることも必要です。ある面、結婚生活には宗教的な愛の実践が伴います。日本人女性の「孝婦賞」受賞は夫婦の絆の勝利でもありますが、韓国と日本のパートナーシップを切り拓く意義さえ、あるように思われます。



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