「とらつば」といえば「とらやのきんつば」の略ではなく、朝ドラ『虎に翼』。始まったばかりで恐縮だか、戦後80年を迎える2025年、第112作目の連続テレビ小説は、アンパンマンを生み出した漫画家やなせたかし(1919―2013)と小松暢(1918―1993)の夫婦をモデルとした『あんぱん』に決定している。
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正義の味方アンパンマンと悪役バイキンマンが繰り広げるテンプレ化したストーリーがとてもわかり易くて、子供たちにも安心感を与えてくれる。
そして、作者やなせたかしはバイキンマンを絶対悪とは捉えない。物語の中では共存する存在として描いているのだ。その点では『機動戦士ガンダムSEED』シリーズなどと似た思想が伺える。
『ガンダムSEED』では登場人物に「何と戦うのか」「敵って誰だよ」などのセリフを語らせている。旧ガンダムにおけるホワイトベース的な戦艦の名が「アークエンジェル(天使長)」。絶対悪と考えられてきたサタンでさえも、本来は善を目的として創造された天使長が堕落した存在であったことが『原理講論』第二章「堕落論」で解き明かされている。
(二) 蛇 の 正 体
エバを誘惑して、罪を犯させたものは蛇であったと聖書に記録されている(創三・4、5)。では、この蛇はいったい何を意味しているのであろうか。我々は創世記三章に記録されているその内容から、この蛇の正体を探ってみることにしよう。
聖書に記録されている蛇は、人間と会話を交わすことができたと記されている。そして、霊的な人間を堕落させたという事実を見れば、これもまた、霊的な存在でなくてはならないはずである。しかも、この蛇が人間に善悪の果を食べさせまい、と計らわれた神の意図を知っていたという事実から見れば、それはなお一層霊的存在でなければならないということになるのである。
また、黙示録一二章9節を見ると、「巨大な龍、すなわち、悪魔とか、サタンとか呼ばれ、全世界を惑わす年を経たへびは、(天より)地に投げ落され」たと記録されているのであるが、この古い蛇が、すなわち、エデンの園においてエバを誘惑したその蛇であるということはいうまでもない。しかも、この蛇が天より落とされたと記されているのを見ると、天にいたその古い蛇とは、霊的存在物でなくて何であろうか。また、この蛇を悪魔でありサタンであると呼んでいるが、このサタンは人間の堕落以後今日に至るまで、常に人間の心を悪の方向に引きずってきたものであるがゆえに、まさしくこれは霊的存在でなくてはならないのである。このように、サタンが霊的存在であるということが事実であるならば、サタンとして表示されているこの蛇が、霊的存在であるということはいうまでもないことである。聖書に表れているこのような事実から推測して、エバを誘惑した蛇は動物ではなく、ある霊的存在であったということを、我々は知ることができるのである。
それでは、このように蛇という比喩で呼ばれる霊的存在が、果たして創世以前から存在していたのであろうか、さもなければ、これも被造物の中の一つであるのかということが問題となるのである。もし、この蛇が創世以前から神と対立する目的をもって存在していたとすれば、被造世界において展開されている善悪の闘争も不可避なものとして永続するほかはない。したがって、神の復帰摂理は、結局無為に帰してしまわざるを得ないであろうし、あらゆる存在が神お一人によって創造されたという一元論も崩壊してしまうのである。ゆえに、蛇として比喩されているこの霊的存在は、元来善を目的として創造されたある存在が、堕落してサタンとなったものであると見なさなければならないのである。
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