妻子異国に向こう

産後(さんご)薬なく

み文は読むに

虫散々闇に鳴く

困るに母よ逝くな


 3月5日は「サンゴの日」。さんごを含む呪文のような言葉は何でしようか?

3.141592653589793238462643383279502884197……

 実は円周率を暗記するための語呂合わせでした。円周率π(パイ)は有理数ではないので、割り切れたり、繰り返したりしません。環境破壊も仕方がないと割り切ったり、繰り返したりしてはいけない問題です。

 2015年、第1回「鮮鶴平和賞」は「未来世代の平和」というビジョンに基づき、「気候変動危機の最前線で人類の未来と平和のために努力した」ことを理由に、サンゴ礁の国キリバスのアノテ・トン大統領に授与されました。「鮮鶴平和賞」創設の理念は「平和の範囲を未来にまで広げなければなりません。たとえ私たちが直接会うことのない子孫であったとしても、彼らが幸せな人生を送れるようにしなければなりません」と示されています。


 トン大統領は、海洋生態系の重要性を国際社会に訴えるクローバルリーダーです。心痛いことに、キリバスは三十年以内にその生活基盤である国土全体が水没するかもしれないと危惧されています。そのような危機に瀕しているにもかかわらず、世界で最も大きな海洋公園を造り、海の生態系を保護する活動の先頭に立っているのです。(『人類の涙をぬぐう平和の母』より)


 キリバスは日付変更線の位置が本来の東経180度より東に食い込み「世界一早く新しい一日を迎える」国家です。海抜の低い環礁が多いために、キリバスは近年の地球温暖化による海面上昇で、国土の半数以上は水没の危機にあります。

 かつて『機動戦士ガンダム』は大人のアニメとも評価されました。ガンダムのパイロットで、人類の力を信じるアムロの甘さを突き放し、「地球寒冷化作戦」に打って出た赤い彗星のシャア・アズナブル。「地球は人類のエゴ全部を飲み込めやしない」(『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』より)との、中二病をくすぐるような名セリフは若年層にも受け入れられ、再ブームになりました。



 サンゴ礁は太古の昔から二酸化炭素を飲み込んできました。硬い骨格はカルシウム(Ca)を主成分とし、温室効果ガスである二酸化炭素(CO₂)と化合して炭酸カルシウム(CaCO₃)という固体に閉じ込め、大気中の二酸化炭素濃度を下げるはたらきをしてきたわけです。長い年月をかけて形成された石灰岩は石材やセメントの原料にもなり、人類の暮らしを支えてきました。

 「雪玉地球論」によると、約6億年前(原生代末期)に地球の表面全体が雪に覆われ、太陽光を反射してさらに寒くなるという正のフィードバックが起き、大氷河時代が訪れたと推測されています。現代はその逆のことが起きているようです。地球温暖化によって気温が上がり、そのことによってサンゴが死に、サンゴ礁の白化が進んでいるのです。

 皆さん、後生ですからサンゴ礁を守り、平和な未来を築き上げていきましょう。


 本当の平和とは、単に宗教や人種、国家間で起こる対立を終わらせることだけではありません。私たちを苦しめるものとして、分別のない環境破壊、そして未来への備えがないことが挙げられます。それにもかかわらず、既存の平和賞は、今の世代の問題解決にばかりこだわっています。現在の問題を解決しながらも、同時に幸せな未来をつくり上げていくことこそ、私たちが今、取り組むべきことです。その志を抱きながら、苦しみに満ちたこの世界の架け橋となるため、鮮鶴平和賞は最初の一歩を踏み出したのです。(『人類の涙をぬぐう平和の母』より)



海水浴に必ず持っていくものは?


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