12月19日は「まつ育の日」。まつ毛といったら、今や一世を風靡するスウィングの女王・福来スズ子だろうか。俳優の水谷豊と元キャンディーズ・伊藤蘭の娘で、女優の趣里さんが演じるNHK朝ドラ『ブギウギ』の主人公だ。 スズ子のトレードマークになった「長いつけまつ毛」は3センチもあった。

 スズ子とタッグを組むのは、草彅剛が演じる作曲家の羽鳥善一だ。そのとぼけた演技に視聴者の評価は高まっているらしいが、キャンディーズ世代のウリチプサランは「王様の耳はロバの耳」ではないが、ストレートに評価している。「そういう役柄なのたから……」とピンクレディー世代の私はチョナン・カン擁護に回る。

 善一のモデルとなっているのが、時代を象徴する国民的ヒット曲を連発し、和製ポップスの礎を築いた作曲家の服部良一。スズ子は実在のスター歌手・笠置シズ子をモデルにしている。



 服部良一は、笠置シズ子との出会いについて自伝(服部良一著『ぼくの音楽人生』 )で次のように書いている。

 大阪で一番人気のあるステージ歌手と聞いて「どんな素晴らしいプリマドンナかと期待に胸をふくらませた」のだが来たのは、髪を無造作に束ね薬瓶を手に目をしょぼつかせ、コテコテの大阪弁をしゃべる貧相な女の子であった。だがいったん舞台に立つと「…全くの別人だった」。三センチもある長いまつ毛の目はバッチリ輝き、ボクが棒を振るオーケストラにぴったり乗って「オドウレ。踊ウれ」の掛け声を入れながら、激しく歌い踊る。その動きの派手さとスイング感は、他の少女歌劇出身の女の子たちとは別格の感で、なるほど、これが世間で騒いでいた歌手かと納得した。

 誇張(胡蝶蘭でも伊藤蘭)でもなく、本当に3センチもあったようだ。「贅沢は敵だ」をスローガンとしていた時代で、長いつけまつ毛に派手な化粧と身振りのシズ子は警察から睨まれる存在に。敵国への憧憬を助長するような「敵性歌手」は軍部から目をつけられ、1939年(昭和14年)には劇場への出演を禁じられたという。
 ドラマでもスズ子が泣く泣く3センチのまつ毛を切るシーンが、まさに「センチメンタル・ダイナ」だった。そんな中で日本が開戦ち、戦地へ送られた弟・六郎の苦労が思いやられる。
 「現代のマスコミは太平洋戦争の頃から変わっていない」と指摘する人もいる。マスコミだけではない。国内で「未来永劫関係を断つ」発言をしながら、外交では「分断から協調へ」を強調する首相。この国は歴史から何を学んだのだろうか。



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多部未華子さん

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