人は地球の重力から解き放たれると、新たな能力に目覚めるという。それは時空を超えた非言語的コミュニケーション能力の獲得であったり、超人的な直感力と洞察力を手に入れることができるといった内容である。



 何の話かというと『ガンダムシリーズ』に登場する新しい人類とされるニュータイプの能力である。1979年の『機動戦士ガンダム』で描かれた「認識力の拡大によって誤解なく人と人が分かり合える」というニュータイプの概念は、米ソ冷戦後の閉塞感ある世相の中で預言的なメッセージであった。

 ニュータイプに対して、彼らのような特殊な能力を持たない従来の人類はオールドタイプ (Oldtype) と呼ばれる。侵略戦争やテロ行為、虚偽の情報操作などによって、自己の主張を通そうとする昨今の世界情勢は、ガンダムの舞台設定と類似する。

 第38話で赤い彗星のシャアが「厄介な事になりそうだ、ガンダムのパイロットもニュータイプだとはな」と語る。共産主義者や全体主義者にとって、最も厄介な存在とは何者なのだろうか。それが『ガンダムシリーズ』のニュータイプとして象徴的に描かれている。



 地球の重力から解放されるというのは、既存の価値観や囚われを脱却すること。敵であるララァとも対話してしまうニュータイプとしてのアムロ・レイの霊的な開花は、従来の政治機構や国家のあり方さえも変えてしまう危険性すらある。

 そのせいだろうか。日本のアニメがブームになっている中東のある国でも『ガンダムシリーズ』だけは放送されないと聞く。既得権益を失いたくないオールドタイプの方々から敬遠されているのかもしれない。

 12月2日は「日本人宇宙飛行記念日」。ガンダムのパイロットは日本から海外へ、そして宇宙へ。あれっ、もしかしてアムロは日本人ではない? そう、安室さんて名字の日本人だと誤解していた人はいない……。



もし宇宙に行けたら何したい?

「アムロ行きまーす」と言う。

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