『雄弁は銀、沈黙は金』( Speech is silver, silence is golden)

 議論の場では往々にして弁の立つ人がその場を制し、口下手な者は正しいことを言っていたとしても無視されることが多いものだ。高橋ツトム先生が積乱雲の新モデルをイギリスの気象学会みたいなところで発表した時、総出で反論を受けたという。そして、その正しさが認められたのが、約10年後だったと語られていた。

 橋田達夫さんの事件が話題になっている。聞くところによると、高知の世界平和統一家庭連合に行って「話を聞いてくれ」と訴えたという。教会改革推進本部長の勅使河原秀行氏が高知まで足を運ぶのではないかと予想していたら、すぐにそうなった。テッシーは被害者に対して、どんな恨みごとでもしっかり話を聞いて、真摯に対応する姿勢を示していた。

 もちろん、怒声を浴びせられたり、門前払いを食らう覚悟もあっての訪問だったかもしれない。それでもまず足を運ぶということは誠意の表れであろう。

 考えてみれば30年前、テッシーはマスコミ報道による被害者でもあった。正しいことを言っても全く聞き耳を持たれないメディアの姿勢に、さぞかし無力感を覚え、傷つけられたことだろう。

 久しぶりに再びメディアに姿を現した時、緊張しないはずがない。簡単な決意ではなかっただろう。先日(10/20)の記者会見の場で、一方的に「自己批判せよ」と言わんばかりに反省・謝罪を求める記者の質問に、あきれ返って笑うしかないというのが正直な反応だろう。

 賀川豊彦が目指した話合いによる議会主義とはこんなものではなかったはずだ。今の国会における野党の質問や、会見における記者の質問にしても、何か相手を糾弾することが目的のようで、相手を理解することなど、まるで眼中にないようだ。双方の言い分をしっかり聞いた上で理性的判断をするのが民主主義の基本ルールである。

 さて、元妻の証言を聞いてみると、納得するところも多い。例えば「1週間分のカレー」という表現は、大学時代のクラスメートが冗談のように言っていたことだが、わが家ではカレーがそこまで長持ちした試しがない。さすがに週の後半分は冷凍保存しておく必要がある。

 そして息子さんが部屋の壁に書いたという恨み言について。それは統一教会に対する恨み言ではなく、もっとひどいことが書かれていたと語られていたが、具体的内容には言及なし。これは元夫へ配慮して沈黙されたと感じた。知らんけど。



 やはり『雄弁は銀、沈黙は金』なのかもしれない。



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