黄色いチューリップ | 自分に還る。

自分に還る。

読んだ本の感想など。

けさ、模試だという三男を学校まで送る途中で
目にした光景です。

そこは信号待ちでよく停まる交差点近くにある家で
道路から少し奥まったところに家があり、道路に面した
リビングらしきお部屋にはガラス越しにこたつが見えました。

庭先は、おせじにもよく手入れがなされているとは
言えないのですが、黄色いみごとなチューリップチューリップ黄が咲いていて
そのチューリップの写メを、その家の住人であろう男性が
ひざをくの字にまげて一心に写しているのです。

男性は、朝から全身黒の皮のスーツ
足元は魔法使いのような、つまさきのそったブーツ
まるで往年のキャロルのようないでたち

「ロッカー(ROCKER)だビックリマークニコニコ音譜

私たちは顔を見合わせておおはしゃぎしました。

ちょうどカーステレオからは最近三男がライブに行った
ストレイテナーの新曲が流れていて、「ギターをつまびく指先が
見えるようだねぇ」とうっとりしていた矢先だったのです。

30~40代かな?針金のように細い身体、浅黒い肌

「あの家の二階にはきっとギターがあるよね」と息子

「きっと彼は、中2のとき女の子にもてたくて
ギターを始めたんだね」と私

そして彼は、いまでも矢沢栄吉のように
ビッグになりたいと思っている。
その中学生のときからの夢をあきらめてはいない。

仲間から声をかけられるとツアーのサポートとして
いつでもはせ参じれるように、定職につかず、日銭を肉体労働で
かせいで老母と二人暮らしの生計をたてている。

と妄想は膨らみます。

「でもチューリップチューリップ黄の写メをあんなに真剣に撮るなんて
ピュアな人だよね」と感心しきりの息子

「あのくらいの年頃の男性で、美しいものに感動する心を
持ち続けているってすごいことだよね」と私も感動です。

すると、「彼のビッグになりたいという夢は
もうまもなく叶うでしょう」

という声が心に響いてきました。

「でもそれは、たくさんの聴衆の前で喚声を浴びることでもなく
多くの人の話題にのぼることでもありません。

彼は、彼自身がすでにビッグな存在だったと
まもなく気づくことになるでしょう。
彼にしろ、人々は、もうもともとたとえようもなく
ビッグな存在なのです」

と声は続きました。


ああ、そうか

これは私へのメッセージでもあるんだね。
こうして毎日を、自分のやりたいことよりも家族の用を優先して
動かなければならない主婦の私。

でもいつか世の中を変えたいという夢を持ち続けている。

あきらめなければ夢は叶う。

だって、もうもともと私たちは、この宇宙でとても価値のある
たとえようもなく大きな存在だから。