デッサンの練習をしていて気になることは、どれくらいの時間で、うまくなるか、ということだと思います。
いったい、あと、何時間ぐらい練習すれば、うまくなるのか?
それを知りたい、という人も、多いと思います。
私自身も、デッサンの勉強をしている時、不安に感じていました。
描いても描いても、ちっとも、うまくなっている気がしない。
このまま、何時間も、何十時間も練習を続けても、うまくならないんじゃないだろうか?
そもそも、どれくらいデッサンを描き続ければ、上達するものなのだろうか?
そんな心配をしていて、まるで真っ暗なトンネルの中を、一人で、トボトボと歩いているような気分でした。
正論から言えば、デッサンにゴールはありません。
美術的なものですから、高みにある理想に向けて、努力し続けることで、デッサンも、どんどんと素晴らしいものになっていきます。
芸術とは、そういうものですね。
ただ、そうは言っても、ゴールが見えない、わからない、というのは、しんどいものです。
ましてや、デッサンの上達だけを目的としている人以外には、つらいものがあります。
おそらく、この文章を読んでいる人は、デッサンは、一つのテクニックとしてとらえ、そこから先の目標があると思います。
具体的に言うと、例えば、芸大や美大の受験のため、とかですね。
そういう人達には、タイムリミットがありますから、時間管理、スケジュール管理というものが重要になってきます。
受験日までにデッサンが上達し、ある程度まで描けるようになっていないと、いけないからです。
つまり、どれくらいの時間で、デッサンが上達するものなのかわからないと、計画の立てようがないのです。
では、ここからは、実技の受験目的のデッサンに絞って、話を進めていきましょう。
どれくらいの時間をかければ、受験対策としてのデッサンが上達するものなのか?
これも、はっきり言うと、人それぞれなので、きっちりとした時間というものは、わかりません。
今、どれくらいの実力があり、どのようにデッサンを練習しているのか?
そういった、現在の実力や、勉強の環境によって、大きく変わってくるからです。
特にデッサンは、実技ですから、知識を吸収すればそれで終わり、という、ペーパーテストの勉強とは、また違いますからね。
そのため、デッサンの技法書にも、習得時間に関しては、あまり詳しく説明はされていないと思います。
そうは言っても、先ほどもお話ししたように、芸大や美大を受験する人にとっては、時間は重要であり、それがわからないと、計画の立てようがありません。
そこで、私の経験から、一つの例というか、一つの考え方を、お話ししましょう。
まず、まったくデッサンをした経験がなく、そして、絵を描くことが得意ではない人の場合です。
そういう人は、デッサンが、ある一定程度まで上達するのに、最低、一年間はかかります。
そのため、少しでも早めにとりかかりましょう。
私は、自分には絵の才能など全くなく、デッサンの描き方も、全く知りませんでした。
そのため、デッサンの習得に時間がかかるものと思い、高校二年生の段階で、デッサンの勉強をはじめました。
受験のために練習している高校三年生にまじって、練習していました。
それでなんとか、受験に間に合い、現役で合格することができました。
もっとも、高校に入学すると、すぐに美術部に入り、そこでデッサンの練習をしている人たちを観察していました。
そのため、情報収集期間を含めると、合計で三年ぐらいかかったでしょうか。
また、高校三年生になった頃には、実技のみに集中して受験勉強をしていましたから、その分、多くの時間を、デッサンの練習に使うことができました。
調べると、芸大や美大によっては、デッサンの実技が重要視され、科目受験は、ほんの少し、という学校もありました。
そして、ある程度、絵が描ける人も、最低、半年は練習に時間をかけた方がいいでしょう。
受験用のデッサンには、それなりのルールというか、独特のテクニックがあります。
簡単に言ってしまうと、うまいデッサンと、合格するためのデッサンには、違いがある、ということです。
つまり、希望校の過去の課題を調べ、それにそった対策が必要だ、ということです。
これは、他の受験勉強と同じように、デッサンなどの実技試験でも、それに合った勉強が必要だ、ということです。
そういった勉強をしていると、やはり、最低、半年は必要でしょう。
このように、デッサンの習得には、時間がかかるものです。
そのためにも、少しでも効率よく、ポイントを絞って、勉強していきましょう。
その手助けになるのが、優秀なデッサン技法書なのです。
デッサンの技法書も、紹介しています。