【観劇日記】2012年 わたしのベスト舞台 | kaネとmo観劇日記

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年間200本程の観劇。
その感想やらを忘れないように、記しておこうと思います。

今頃かよと叱られそうですが、2012年の観劇を総括しようと思います。

まず、2012年の観劇総数は、チケット194本でした。
Liveを加えると214本。
まぁ、よく観ました。
病気ですね。
これだけの数を観て、高崎からの往復の移動時間を考えると、
なかなか感想を書き込む時間を捻出できませんでした。

なんとか2013年は、順序にこだわらず、書いていこうと思います。

2012年もたくさんの新しい出会いがありました。
素敵な作品に出会うと共に、
今後の活動が楽しみな劇団やら俳優・女優さんとの出会いもありました。
2013年、その出会いを追いかけてみようと思っています。

そんな2012年の観劇舞台からベスト作品を選んでみます。


1『ヌードマウス』 テアトル・ド・アナール  vol.1       1月
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ヌードマウスとは突然変異種のマウスのことです。
無毛で、胸腺が欠落し、先天性免疫不全のため組織移植に際して拒絶反応がなく、
感染・免疫・癌(がん)などの研究に利用します。
それを使って研究をしている父。
そこへ、離婚によって別居していた娘と息子が、妻の死と婚約(娘)の報告に。
そこで、娘が奇病を発病。
記憶の障害や、性に対する抑制の崩壊が起こり、
近親相姦?
それに感づいた婚約者の苦悩。
家族の愛情。
胸が締め付けられる作品でした。
舞台作品には近親相姦が多く取り上げられますが、
これまでの作品では、いまひとつしっくりしませんでした。
腑に落ちないというか…。
頭では理解しようとしてみますが、やはり納得できないというか…。
でも、この作品では、はっきりと近親相姦を書いているわけではなく
臭わせているだけですが、とても腑に落ちる展開でした。
佐藤みゆきさんに完全にKOされました。


2『南部高速道路』                        6月
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高速道路での大渋滞から始まる物語。
そこから下りられず季節が巡る、おかしな話です。
ある種の群像劇とも言えます。
偶然に居合わせた人たちの奇妙な連帯感。
そこに起こる隣人との関係。
演出が素晴らしかったです。


3『進化とみなしていいでしょう』   クロムモリブデン     8月
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佐藤みゆきさんが出演されるので、初めて観た劇団です。
その構成力、音楽(BGM)と見事に融合した動きに圧倒されました。
台詞も、まるで歌っているようです。(決して歌ってはいません)
これも群舞と言えるのでしょうか?
出演者の統一された動きに引き込まれました。
シリアスな物語の流れの中で、
ジョークもふんだんに織り込まれていて楽しいです。
それを真顔でやるのだからたまりません。
急遽リピート観劇を決めたほど惚れました。
これからも追いかけたい劇団です。


4『4 four』                      11月
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世田谷パブリックシアターによる試験的公演です。
〝劇作家が自由な発想を自在に試す場〟として
「劇作家の作業場」という劇作ワークショップを始めた、その第一弾。
川村毅さんの脚本(発想)が素晴らしく、白井晃さんの演出も面白かったです。
まず、ステージがありません。
ステージも客席も取っ払い、座席は会場全体にちりばめられた木箱。
会場中央にスペースがあり、そこを演技する場所の中心にしながら
客席の合間を縫うように動きながら進んでいきます。
その場面に関わらない俳優も、周囲の壁にもたれながら眺める…
という形で存在します(演技します)。
物語は、凶悪犯罪被害者の遺族たちよる相互カウンセリングのようなお話。
限りなくベスト3に入れてもよかった、お気に入りの作品です。
タイトルに合わせて、ここにしました。


5『おはよう、母さん』  劇団ガプリヨツ          8月
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大好きな若手女優二人が立ち上げた劇団。
二人は新国立劇場研修所第4期生です。
情熱がほとばしる公演でした。
自殺を決意した娘と、止めようとする母との攻防。
心に刺さる作品でした。
同世代の二人が演じた親子、母娘。
数年後に、またこの二人で観てみたいです。


6『ヘンリー六世Ⅲ』『リチャード三世』 子どものためのシェイクスピア   7月
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おなじみ、山崎清介さん率いる子どものためのシェイクスピア・カンパニーの公演です。
長編の『ヘンリー六世』の第3部と、続く『リチャード三世』を
同時に公演するという試み。
地方には、どちらかを公演する形態でした。
この二つの作品をそれぞれで上演するのではなく、
敢えてセットにして上演した意義は大きいと思います。
これを、子どもから大人まで充分に楽しめる公演に仕上げる手腕は
本当に見事です。
このシェイクスピアを子どもに向けて上演し続けていることに対し
英国で表彰する動きがあるそうで、
公演期間中に取材を受けていることが公表されました。
素晴らしい!!


7『深呼吸する惑星』    第三舞台 封印解除&解散公演     1月
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鴻上尚史主宰のあの第三舞台が、長い活動休止にピリオドを打つ解散公演。
全盛期の第三舞台を観ていませんでしたが、
客席に満ちているノスタルジー感も、
嫌ではありませんでした。
大高洋夫さん、小須田康人さん、筧利夫さんが生き生きと演じ、
長野里美さんの恒例のかぶりものを楽しみ、
山下裕子さんのビックリ顔キャラが炸裂し、
マドンナ筒井真理子さんは美しいのに面白くて
とにかく素晴らしかったです。
そしてゲストの高橋一生さんが本当にイイ。
いま最も気になる俳優さんです。


8『ロマンサー』     モダン・スイマーズ       3月
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人食い熊を追って山村にやってくる猟師。 
そこで暮らす家族。
猟師に同行している、熊に家族を奪われた男。
男は家族を見殺しにしたという思いに苦しんでいます。
熊・・・災害の象徴としてそこにあり、あの地震や津波を意味します。
あの災害の悲劇を捉えた作品として、
家族のあり方を問う作品として、
心に刺さりました。


9『パーマ屋スミレ』      新国立劇場             3月
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鄭義信さん作・演出の在日コリアンの物語です。
多くの演劇賞を受賞した前作『焼肉ドラゴン』の続編のような作品。
もちろん話は別物ですが。
過酷な労働に苦しむ炭坑夫とパーマ屋を営む女房をとりまくお話。
やはり心に滲みる作品です。
やさぐれている松重豊さんが印象的でした。

  
10『鎌塚氏、すくい上げる』                     8月
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ペンギンプルペイルパイルズの倉持裕さん作・演出の『鎌塚氏、放り投げる』の続編。
倉持さん、続編という作品作りに初挑戦だそうです。
確かに続編が作れる設定です。
続々編の製作にも期待しちゃいます。
今回は豪華客船が舞台。
『完璧なる執事』の鎌塚アカシが、御曹司と令嬢のお見合いを成功させる命を受け
右往左往する爆笑コメディ。
本当に楽しいんです。
満島ひかりさんの歌(中森明菜『十戒』)まで聴けちゃいました。
続編…観たいです。





カチンコ僅差で以下の作品を次点として書いておきたいと思います。
 どの作品も紹介したいほど楽しかったです。
 よし、本当にひと言だけ添えておきます。


ダイヤ『負傷者16人』     新国立劇場       5月
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 あめくみちこさんの陰ある演技が素晴らしかったです。


ダイヤ『サロメ』       新国立劇場       6月
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 あの舞台美術はチャレンジだったと思います。


ダイヤ『そして母はキレイになった』     ONEOR8   9月
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母に捨てられた娘たちに「母は人魚で、海に帰った」と語る山口森広さんが素敵でした。


ダイヤ『RUR』        演劇集団 砂地   12月
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若い作・演出の尖った舞台で、今後の期待度No1。




大好きな作品で、わたしの生涯の観劇でもベスト10に入りそうな、
以下の再演については敢えて選考から外しました。


スペード『まほろば』
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スペード『るつぼ』
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スペード『闇に咲く花』
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