2024年2月27日~3月2日

パリにいたのは、今思えばずっと前の気がするけど、2週間前のことだ。

パリの飛行場にて

 

相変わらず、忙しい飛行場

 

前回パリに来たのは、ずっと前。アメリカに移住する前。子供が生まれる前。25年ぐらい前の話だ。その時のことを思えば、パリはずいぶん変わった。まず、パリの人は英語が話せる。前来たときよく覚えているのは、朝ごはんを食べるときにホテルの近くのカフェに入ったけれど、私が英語でオーダーしたら、ウィイトレスの人が全然わからない、という振りをしたのか、本当にそうなのかわからないけど、顔を背けた、という事。今思えば、アジア人だったし、アメリカ英語なので、二重に聞く気がしない、と思われたのじゃないかと思う。主人がとりあえず片言のフランス語でオーダーしたら、主人のいう事には返事をして、やっと食べ物を注文できた、という覚えがある。でもその時はあまり気にせず、その時オーダーしたクロワッサンはすごくおいしかったし、フランス料理はおいしかったし、凱旋門を見たり、エッフェル塔にのぼったり、ルーブルに行ってオリジナルのモナ・リザを見たりして(意外と小さい絵だったので驚いた記憶がある)大いに楽しんだ。ちなみに、今回食べたクロワッサンは、やはりおいしかったけれど、日本のベーカリーや、アメリカで売っている韓国系ベーカリーのクロワッサンも負けてない。25年前と比べてもう一つ違う点は、世界は狭くなった、という事。

 今では、日本でも、アメリカでも、フランスで売っているのと同じぐらいおいしいクロワッサンが食べられる。もちろん、日本人も、韓国人(なのかな?)も、フランスに修行に行ったり、研究したりして、フランスの味を自分たちでも出せるよう、努力した結果なのだと思う。25年という歳月の間、クロワッサンだけではなく、いろんな方面で世界中の人が努力して、外国でも地元と同じよいものを提供できるように修行したり、研究したりし、インターネットが発達して、世界中のものをオーダーできるようになり、流通手段も発達して、より早く、効率よく物を外国に届けられるようになった結果なのだと思う。今回のヨーロッパ旅行では、そのことをいろんな方面で強く感じた。世界は狭くなったな、と。フランスでしか買えない、食べられない、と思っていたものが、今回、あ、これは日本で食べたことがあるな、とか、アメリカにも売ってる、と思うことが多かった。もちろんいいことだと思う。これから子供たちの時代は、外国に行かなくても、なんでも手に入る、外国で便利とか、あって当たり前、というものは世界中で使われている、食べられている、という時代になるのかもしれない。

 絵画もフランスにあるオリジナルは、日本でも定期的に送られてきて、見ることができる。でも、やはりもともとある美術館でオリジナルを見る、というのは格別なものがある。

 

パリの飛行場と言えば、チューブで移動するのが特徴。デザイン優先で、機能が二次的、という話も聞く。

 

ホテルの部屋に到着。広い部屋ではなかったけど、窓いっぱいにパリの景色が見えて、「眺めのいい部屋」だった。セーヌ川の上に橋が架かっていて、向こうの駅はリオン駅。

 

右側を見ると、遠い所にエッフェル塔も見える。夜はエッフェル塔にライトが付いて、光っているのが見えた。

 

デザインの方が機能より優先される話の例として、このコーヒーメーカー。かっこいいんだけど、最後までどうやってコーヒーを淹れるのかわからなかった。

カリフォルニアから10時間の飛行時間ののち、やっとホテルに到着。少し休憩すると晩御飯の時間。夜の街に繰り出して、食べるところを探索に行った。

駅前なので、結構レストランがあった。パリの人は外で食べるのが好きらしい。結構寒かったけれど、コートを着ながらこうやって外で食べたり、タバコをすっている人が多かった。

夜のリオン駅。

今夜はここにしよう。携帯で見てみると、レビューもいいようだし。道行く人が、足を止めてはメニューを見て、立ち去る。多分他のレストランと比べているのだ。

店内。早く行ったので、まだ誰も来ていなかった。帰る頃には満席。

まずは赤ワインを注文。銘柄はウェイターさんに任せた。注いでくれたときに、「これどこのワイン?」と聞いたら、「Bordeaux」と答えた。常日頃あまりお酒は飲まない。飲むときは、いつも安い、地元のカリフォルニアワインなので、珍しくてうれしかった。ちなみに、ウェイターさんは私たちが英語で話すと、すぐフランス語から切り替えてくれた。昔と違うなあ、と感じた。あっちも外国人客は慣れている、という感じだった。ただ、「日本人だろうとは思ったけど、英語が話せるかどうかわからなかった」と言っていた。「カリフォルニアから来た日本人です。」というと、なるほど、という感じでうなずいた。あと、食べ物をオーダーするたびに、「D'acdord」というので、なんだか、フランスに来たんだ、と実感して嬉しかった。そういえば、オッケーってこういうんだっけ、と思って。

まずバゲットと、ツボに入っているのはピックルズ。この2つは必ず付く。もちろんおいしかったけど、アメリカのパリスバゲットや、トレーダージョーズで買うバゲットもおいしい。(日本ではあまり見かけない)

 

私はまずシェフの作ったパテ。

主人は奮発してフォアグラ。と言っても他のアペタイザーに比べてそんなに高くなかった。付け添いはアプリコットか、リンゴのジャムのようなソース。アメリカではフォアグラなんて、めったにお目にかかれない。パテもあまりない。私はいつもトレーダージョーズに売っているチキンのパテか、缶詰めのを食べている。両方ともあまり高くない。

私はCoque Au Vinで、

主人はビーフの何とかを頼んだんだけど、来てみたら見た目同じような感じで、どっちがどっちかわからない。ソースに浸かっているので、肉を食べた後は、バゲットにつけて食べる。が、お腹いっぱいで半分残しちゃった。

私のは野菜も入っていたので、何もついてこなかったけど、主人はマッシュドポテトが付いてきた。私は結構好きなので、食べてみた。手作りの味がした。バターの味が濃かった。おいしかったけど、やはり全部は食べられず。

そういえば、フランス人は必ず食後にチーズを食べるんだっけ。なんか豆腐みたいなのとか、カモンベールに何か入っていたり、ホワイトチーズに灰が付いてるのとか、珍しいチーズが多かった。とりあえず、一口ずつ全部もらった。柔らかいチーズにバジルが付いているのが結構おいしいと思った。

デザートは二人とももうお腹いっぱいだったので、シャーベットを取って二人で食べた。レモンとリンゴ、だったかな?

結局それで出たのだけど、アメリカの普通のレストランに入って食べるより安かった。アメリカは今、インフレが異常だ。フランスに来て、本場のフランス料理を、アメリカのあまりおいしくないレストランより安く食べられたのだから、来た甲斐があったと言えるのかな。まだついて、初日だけど。結論下すのはまだ早い、か。

帰りはスーパーに寄って帰った。旅行に行くと、現地の普通のスーパーに行くのが好き。

サーモンがやたらと多かった。アメリカでは今スモークサーモンは高い。値段は見てないけど、こんなにあるところを見ると、気軽に買える値段なんだろう。いいなあ。

それから、へえ、フランスも変わったな、と思ったのは、お馴染みの、バゲットの間に何か挟んであるサンドイッチの下にお寿司(らしきもの)があった。

あと、コーヒーに入れるクリームが欲しくて、アメリカにあるHalf&Halfのようなものを探したが、いろんな種類のクリームがあって、どれがいいんだかわからなかった。部屋には、あのわかりづらいコーヒーメーカーと砂糖はあるが、クリームらしきものは何も置いてない。ブラックで飲むらしい。

ぶれちゃったけど、その晩は、ライトアップされた、小さなエッフェル塔を見ながら就寝。