このドラマのNorman Reedusは本当にかっこいい。

 

このドラマは、本当にTreat(ごちそう)。

私がWalking Deadの中で一番好きなキャラクターは、ダリルだ。ダリルは世の中が変わってから、一番変わったキャラクターだと思う。世界が普通だった時は、社会の落ちこぼれだったダリルだが、世界がこうなってから、内部で眠っていた強さが目を覚まし、このドラマで最強なサバイバーの一人になった。私はこういうタイプのキャラクターが大好きで、ダリルが死んだらもうWalking Deadを見るのをやめようと思っていたぐらいだ。

でも、ダリルは死ななかった。

ダリルはWalking Deadの最後までいて、リックがいなくなってからは一番のヒーローだった。

Walking Deadが終わるとき、皆それぞれの道を行くことになった。ダリルはまっさきにバイクに乗って、放浪の一人旅を始めた。ダリルは、キャロルとずっと仲良かったけれど、最後旅立つときに、ダリルはキャロルに何らかの形で連絡し続け、消息を報告することを約束した。

Walking Deadはそうやって終わった。

 

そして、しばらくしてDaryl Dixonというシクエルが出た。先にDead Cityを見たので、このシクエルも大して期待をしていなかったが、ダリルは一番好きなキャラクターだったので見ることにした。ダリルだけのドラマってどうだろう。この人ひとりだけでドラマ一つを背負っていけるだろうかと思ったが、このドラマは結構よかった。Dead Cityよりはずっと良い。

このドラマの中のダリルは完全にヒーローだ。ヒーローなんだけど、完璧すぎてハナにつくヒーローじゃなくて、この俳優さん、ノーマン・リーダスの持ち味なんだろうけれど、欠点だらけの、人間臭いヒーローで、完璧なヒーローより逆にかっこいい。

 このドラマの舞台は最初から最後までフランス。舞台がヨーロッパであることも、今までのWalking Deadとは全く違う。ダリルが何らかの事情でボートに乗り、気を失って、漂流し、フランスの海岸に流れ着くところから始まる。どうしてボートに乗ることになったか、フラッシュバックの形で部分的にわかるのだが、完全には分からない。キャロルと関係があるようだ。

何か目的があって、ヨーロッパに来たようなのだが、それが何なのかは明かされない。フランスについたのは良いけれど、しばらくして、自分が探していたものはないことに気が付き、アメリカに戻ろうとするが、世界は終わっているので、飛行機もなければ、誰でも大きな船に乗ってアメリカまで帰れる、という時代じゃない。大きな組織だったら、港をコントロールしていて、大きな商船も持っていて、貿易をしているので、そういうところにどうにかして入って、船に乗せてもらう、という方法しかない。そういう大きな組織は、今までダリルがさんざん経験してきたような、あくどいことをやっていて、今のような大きくて強力な組織になっている。アメリカに行くには、どうにかして、そういう大きな組織が持っている大きな船に紛れ込むか、誰かに知り合って口をきいてもらって乗せてもらう、という方法ぐらいしかない。今となっては、ヨーロッパから、アメリカは一生かけても着かないかもしれないほど、遠い。

 

 

 フランスの海岸に漂着したとき、ダリルはずっと気を失っていたので、自分が最初どこにいるのかわからなかった。ふらふら歩きまわっていると、現地の人間に会った。その時に自分はフランスにいることを知った。ダリルはフランス語は全く話せない。でも、英語を話せるフランス人が結構いるので、それでどうにかやっていくことができた。

初めてフランスで出会ったのは、若い女と取り寄りの男性だった。この二人は、まるでダリルの友達のように近寄ってきて、結局だまして、ダリルの頭を殴って、彼のバックパックを奪った。どこにいても、今はそんな世の中になってしまったのだ。

 気絶して、怪我をしているダリルを拾って、看病したのは、修道女だった。彼女は、ダリルが海から上がってきた時から、ずっと後をつけていた。ダリルが頭を殴られて気絶したとき、彼を拾って修道院に運んだ。そして彼の看病をした。

 ダリルが目を覚ますと、修道院にいた。そこには修道女ばかり10人ぐらい住んでいた。このことが起こってから、ゾンビたちはここには入ってきてなかったらしく、修道女たちは平和に暮らしていた。もちろん、外の世界で起こっていることを知らなかったわけではない。ただ、ゾンビたちは、修道院には入ってこなかったのだ。そこには、少年が一人住んでいた。

 ダリルを見つけた修道女は、ダリルの世話をした。ダリルは回復するまで、修道院にいた。修道女たちは静かにダリルを受け入れ、歓迎しているようだった。なぜそこにいるかわからない少年とも仲良くなった。

 

ダリルと少年

 

ある日修道女は、少年は神がこの世に送った特殊な少年で、将来人類を先導する人になる、とダリルに言った。予言では、この少年をネストと呼ばれるようになった、かつてのモンサンミッシェル修道院まで連れて行かなければならないが、その少年を守りながらネストまで連れていく男が海からやってくる、と言われていた。「それがあなただと思うの。」と修道女が言った。これを聞いたダリルは、とんでもない、俺はアメリカに帰る。そんな子供のことは俺には関係ない、と突っぱねたが、修道女は、私はずっと前から修道女だったわけじゃない。世の中がこんなになる前は普通の女だった。その時のコネがあるから、男の子のことをネストに送り届けてくれれば、その人に頼んで、アメリカ行きの船に乗せてもらうように頼んであげる、と交換条件を出してきた。ダリルは、それで、少年のネストに送り届ける役目を引き受けた。

これは危険な旅になるので、修道女も一緒に行くことになった。修道女としても、そんな大切な少年をダリルに預けて、自分は残るなどとは考えられない。

 

人類の救世主と言われている少年。

 

 この少年のことは、伝説になっていて、広く知れ渡っていて、もし本当に将来の救世主なら人類の希望の星だ。また、人々は少年のことを守る男のことも聞いているので、道中、この少年を奪おうとしたり、傷つけようとしたり、殺そうとしたり、誘拐してほしがっている人たちに売りつけようとする輩が次から次へと二人と修道女を襲うが、人々はダリルと少年を、自分の命を犠牲にしてでも守ろうとした。ダリルは予言にあるように、その少年を守る。同時に、ダリルは、ずっと修道院で、修道女たちに育てられたやわな少年に、サバイバルの知恵や、自分の身を守る方法、もっと強くならなければならない、など、いろいろ伝授して、父親のように接した。この少年は父親がいないだけではなく、今まで大人の男と接触したことがなかったから、ダリルを崇拝した。ダリルの言うことをスポンジのように吸収した。このようにして、ダリルと少年のきずなは強くなっていった。

 

少年を守りながら、安全なところに送り届けるために、修道女と旅をする。

 

 また、ダリルは、強く、このことが起こる前は普通の女だったという修道女のことも好きになっていった。それはお互いそうだった。けれど、女性は神に身をささげた人だったので、二人の関係はあくまでも精神的なものだった。

 ダリルは、この少年はただの普通の少年に過ぎない。ただの少年に課すにはあまりにも肩の荷が重すぎないか、ただの子供のように、普通の子供に接するように接してあげないか?と何度も修道女に食って掛かったが、修道女は少年は特別な存在なのだ、と主張し続けた。

ダリルと修道女と少年のネストへの旅は続いた。道中いろんな人に襲われそうになり、いろんな人に助けられた。そのうちに3人のつながりは強くなった。

ネストに届けた後、ダリルはアメリカに戻るのか、少年と修道女と一緒に残るのか?ダリルはキャロルと何らかの約束をしていて、それを果たせずフランスまで来てしまったようなのだ。キャロルのところに戻らなければならない。でも少年は、ダリルを崇拝していて、大好きで、行ってほしくない。

という話だ。

 

フランスでは、車ではなく、すべて馬車とカートで移動

 

このドラマのダリルは完ぺきにヒーローで、かっこよかった。喧嘩したら右に出るものはなく、まわりの人間がゾンビに遭遇してびくびくしているのに、ダリルは全くやられる気配がない。そういえば、ここでは得意の弓矢がないので、チェインの先に大砲の弾がついているような武器を使っていたが、一人でどんどんゾンビたちを軽々と退治するのを見ていて、ほれぼれとした。会った人誰でも、この一見してラフなアメリカ人を好きになり、その強さに敬意を示す。子供はダリルが大好き。子供たちはダリルにあこがれて、ダリルを取り囲んで、そばを離れようとしない。このドラマのダリルは、Walking Deadの時よりずっと活躍してたし、ダリルの良いところが存分に発揮されていて、いちダリルファンが見て、とてもよかったと思う。Dead Cityより話の筋もよかった。これだったら来シーズンも見ると思う。

 

ドラマの中ではネストと呼ばれる、モンサンミッシェル寺院。少年を救世主として迎えた。