このドラマ、Huluでストリーミングしているやつを見ていたのだが、アメリカではかなり人気があるらしく、シーズン4の製作が決まった。近頃本当にストリーミングドラマが多いので、テレビ番組のほうは下降線。もう少しすると、最大手ケーブル会社、Comcastも将来怪しくなるかも。近頃、アメリカを代表するような伝統的な大企業が倒産してなくなってしまう、ということが増えている。「ええ?あんなところまで?」と思うのも少なくない。近頃は、あきらめの境地、というか、あまりにもたくさんあるので、最初はえ?って驚いていたけれど、悲しいかな、慣れてしまって、ショック要素がなくなって、あーあ、と思うようになった。

今人気のYellowstoneでさえ、Prequalとか、Spinoffとかはテレビ=ケーブルでは放送しなくて、まっすぐストリーミングプラットフォームに行ってしまった。そのストリーミングサービスに加入して、月額料を払わないとならない。テレビでは見られないのだ。(Yellowstoneの場合は、Paramount+)

 

話がそれてしまったが、このOnly MurdersもHuluに加入している人じゃないと見られない。

この題、英語の意味が分かったとしても、何のことだかわからない。直訳すると、「建物の中で起こる殺人のみ」。見てみると、ああ、そういうことか、となる。

見始めた動機としては、特に興味があったわけじゃないんだけど、人気があるということで、結構テレビのトークショーとかに呼ばれて、番組の宣伝をしていたので、そんなに話題なんだったら見てみようかな、と思ったから。

このドラマの売りは、かつての大コメディアン、マーティン・ショートとスティーブ・マーティンが共演していること。私たちの世代の人間にとってはおなじみのコメディアンなのに、悲しいかな、年を取ってしばらく見なくなってしまい、その人たちがカンバックしてるということで、私たちの年代の人たちは応援する気持ちで見ていると思う。

 

Steve MartinとMartin Short.二人ともマンションの住民。

 

3人目のメンバーとして、今Z世代なのかな、それにはちょっと年齢が上なのかな、まあ、20代のラテン系女優で超人気ってわけじゃないけど、一応若い人だったら誰でも知っているセリーナ・ゴメス。この女優さんが出ている、ということで、若い人はちょっと興味があってみる気になったのだと思う。そういう風に、幅広い年齢の人にアピールする部分があって、数多くのストリーミングドラマの中から、このドラマを見る気になった人が多かったのでは、と思う。

 

Selena Gomez. マンハッタンファッションも見どころの一つ。

 

で、見てみると、いろんな、若い人は知らないだろうけど、かつて有名だった俳優がバンバン出てくるし、または、今の若者に受けている俳優も出てくるので、幅広い年齢層がターゲットになっている。うまい作り方だ。

ドラマの中では、スティーブ・マーティンが昔刑事ドラマシリーズの主役を務めていたが、今はすっかり売れなくなって、著作権や、ちょい役でテレビや、舞台やCMに出て、細々と暮らしている、年を取った、売れない俳優役。

マーティン・ショートは、かつてブロードウェーなんかを手掛けていたが、今はどこからも声がかからなくなって、生活難に陥っている、落ちぶれたプロデューサー役。

セリーナ・ゴメスは、自称アーチストだけど、仕事はしていなくて、このアパートは、金持ちだった叔母から譲り受けたもの。はっきり言って、どうやって生活しているのかは不明。絵を売って暮らしを立てているのかな?そういうのでマンハッタンに住んで、食べていけるのかしら、今の時代?

この3人の、一見全然共通点がないような人たちが、マンハッタンの大きな高級アパートビルに住んでいる。マンハッタン、という町柄、隣にだれが住んでいるのかもよく知らない、エレベーターで乗り合わせてもお互い挨拶もしないようなビルなのだが、そこで殺人事件が起こって、たまたま同じエレベーターに乗り合わせた4人のうちの一人が殺されたので、それでこの3人が結びついた。簡単に言えば。でもこの何の関係もない人たちが結びついたのは、他にも理由がある。たまたま3人とも、実際あった殺人事件のポッドキャストを聞くのが趣味だったのだ。

殺人事件が起こったときに、ビルでミーティングがあって、その時にこの3人は再会した。お互い、エレベーターで殺された人が入ってきたときの話をしていた時に、誰かが、「あのポッドキャストみたいだよね」と言って、ええ、私も好きなの、と話が展開して、3人でこの事件を解いてみようか、ということになった。そのうえ、自分たちで解いていく経過をポッドキャストにしないか、と話が進んで、その題を「Only Murders In The Building」にしようということになったのだ。私たちは、手広くやらないで、このビルで起こったこの殺人事件だけを扱うことにしよう。同じビルでそんなに何人も殺されないから、これ一回きりっていう意味も含めて、この題にしよう、ということになった。

そうして3人はなぞ解きを始めた。週に1回とか、定期的にポッドキャストをアップした。そうしたら、大ヒットになったのだ。ファンもついて、フォロワーができて、彼らに近づきたくて、ビルの前に人だかりができた。こうやって、3人は一躍有名になった。

 

ドタバタコメディーぽい雰囲気あり。でも結構面白い。

 

そのうち、ライバルのポッドキャスターも出現して、それが今のアメリカ人にはおなじみのコメディアン女優、ティーナ・フェイ。のちのシーズン3では、有名になったからか、メリル・ストリープまで出てくる。

 

ライバルポッドキャスターとして出現する、ティーナ・フェイ

 

売れない舞台女優兼マーティン・ショートのGF役で出演する、メリル・ストリープ。やっぱり演技上手。歌も歌えるし。

 

なので、このストリーミングビデオが話題になって行って、どんどん有名人が出てきた。舞台はマンハッタンだし、おしゃれだし、それだけで人気が出るのだと思う。あと、二人のベテランコメディアン、マーティン・ショート、スティーブ・マーティンのやり取りが面白い。それだけでも見る価値はあるかもしれない。

ストーリーの方はどうか、と言うと、うーん、とても面白いってわけじゃない。つじつまが合わないところもある。どうしてこの理屈がこの結論になるのかわからない、というところもある。

でも軽い気持ちで見れるからいいかな。

今ではもうシーズン3まである。建物の中だけの殺人を1回だけポッドキャストするつもりだったけど、また二度も起こったのだ。

 

この3人が名コンビ(3人でも名コンビって言うの?)