Residenzとは何かは昨日書いたブログで説明した。
簡単に言うと、ミュンヘンを築いた、王家の血筋を持つ一族の宮殿だ。町中にあるので、敷地は少し郊外にあるニンフェンバーグ城と比べると狭いけれど、見た限り部屋数はニンフェンバーグより多いように思った。建物は全部つながっていて、いくつも曲がっていて、敷地内にギュッと収めている。
百聞は一見に如かず、写真を一気に掲載することにする。ロココ調とか、ルネッサンスとか、雰囲気や色やデザインで統一された部屋が何部屋も続く。それが終わると次のスタイルに移る、という具合だ。いろんな種類の部屋がそれぞれ数多くあって、全部掲載することはできないので、それぞれのスタイルで代表的な部屋だけを掲載することにする。
まずチケット売り場の前にギフトショップがある。
チケットを買って入ると、矢印が置いてあって、それに従って歩く。
一番最初の部屋。
これ全部貝殻でできている。今は古くなって不気味な感じだけど、当時は貝殻も新しくて見事だったろう。それぞれの部屋に名前がついてたけれど、100ぐらい部屋があったので、全部は覚えていない。この部屋の名前は、海の部屋かな。
ダイニングホール。この部屋は今でも使われている感じがした。テーブルの先が見えない。
立っていたところの天井。
廊下?
壁一面、ここで住んでいた人たち(?)の肖像画が飾ってあって、次の部屋まで続いている。
時計。中身の細工が見えるように、中を取り出している。これは裏から見たところ。
これ、何調っていうのか知らないけど、次のタイプの部屋。こういう、同じタイプの部屋が10部屋ぐらい続く。どの部屋も大きなタペストリーが壁一面を覆っている。このタペストリー1枚作るだけでも時間と手間とお金がかかると思うのだけど、壁紙代わりにどの部屋も4面巨大なタペストリーがかかっていた。
どの部屋も天井はこう。当時は印刷なんてないから、もちろん手描き。
結婚式のタペストリー。印象に残ったので。
これは謁見室とでもいうのだろうか。
それで、同じタイプの部屋が10部屋ぐらいあったのが終わって、こういう大広間になる。
これは細長いから、ダイニングホールなのかな。
天井。とにかく、何もない、ただの無地の天井とか、壁はなくて、何かでぎっしり埋まっている。
左の入り口みたいなのがどの部屋にもついていて、次の部屋につながっている。
次の部屋。これは、ホールに入るために階段を上って、通過するためだけのところ。でもこれだけ豪華。
このように、ドアを覗くと、ずっと奥の部屋まで続いているのがわかる。
次のタイプの部屋。こういう部屋がずっと続く。ここは王様が仕事する部屋か何か?
似ているけど違う部屋。
それから、女性たちの部屋。
王女の寝室
ここで高貴な女性たちが集まって、おしゃべりでもしたのだろうか。
次は、王室の人たちがゲームをしたり、社交をする部屋が続く。赤味と金色が出てくる。中国から取り寄せた花瓶とか壺がたくさん置いてあった。
王様の書斎。いくつ書斎があるのか。
赤味が出てきて、ロココ調になっていく。タペストリーもなくなって、壁布と絵に変わっている。
これも廊下みたいなところ。壁には肖像画。
見事なシャンデリア。
どんどん派手になってくる。私は行ったことないけど、ベルサイユ宮殿ってこんな感じ?
すご。旦那いわく、「ここまで金かける必要あるのか」
すごすぎて言葉が出ない。
この部屋で何するんだろう。
次の部屋。ここはそんなに広くない。けど、まぶしいばかりに豪華絢爛。
こういう感じの部屋がずっと続く。この天井や壁にべたっとついた金みたいのが、面白いというか、私には珍しいというか。
しばらく、赤と金の部屋が続いた後、ドアをくぐると青味が出てきた。
相変わらず、赤金だけど、黄色と青が加わって、落ち着いてきた。椅子が並んでいるところを見ると、ここは一族がお客さんに会う部屋なのかな。
ここは女王が社交をする部屋ということなんだけれど、真ん中のテーブルでカードや、ボードゲームをする様子が想像できるようだ。このデザインはトランプのジャック、クイーン、キングの絵を思い出す。幾何学模様で。あと、不思議の国のアリスとか。
おしゃれ。
女王の図書室
色が確実に変わっていて、クリーム色になっている。部屋のサイズもこじんまりしている。
謁見室。
壁のリリーフがソフトな感じで、相変わらず贅沢だけど、さっきのド派手なのとは全く違う雰囲気。
こうなると、すっかり落ち着いて、美術館のよう。
ここからは宗教っぽくなる。まるで今までの豪華さを反省してるみたいに。
相変わらず贅沢だけど、絵は全部宗教画。
天井もしっかりびっしり埋まっている。
これでおしまい。ああ、終わらないかと思った。全部回るのに数時間かかった。
何年もかけて増築しているので、歴史の流れとともに流行りも変わって、それに合わせて作っていったのだと思う。最初は昔の伝統的な、硬くて、暗い感じだけれど、だんだんお金をかけて、派手になって行って、豪華さがピークに達して、また徐々に落ち着いてきて、上品な感じになって、最後は長年豪華絢爛にして、お金をかけすぎたことを恥じるように、宗教画に囲まれた部屋を作った、という風に見受けられた。もっともこれは、美術館側が順路を決めていて、それに沿ってみて行ったので、実際建築された年代は正確には知らないんだけど、だいたい年代に沿って見せてくれていたように思う。
実際に見てみると、超豪華で、一つの一族がこれだけの富を独占しているのはどうかと思った。その他の人たちは貧しかったんだろうと思うので、一般の人から見れば、富を独り占めした王族に不満を募らせたのも無理はない。こうして革命が起こるわけだ。実際自分の目で見てわかったように思う。
でもこういうド派手で、豪華絢爛な部屋を見るのは楽しかった。堪能した。