昨日ブロンクス動物園に行ったのです。動物好きの舞ちゃんのために。


やっぱり科学館に行ったときのように、電車に乗って、歩いて。

科学館の時は、クイーンズだったのです。マンハッタンからいうと、東。ブロンクスは、マンハッタンから言うと、北側。日本人が多く住んでいる、ニューヨークの郊外、Westchesterは、ブロンクスを電車でずっと通過した北側にあります。

ちなみに、マンハッタンを取り巻く町で、もう一つブルックリンがあります。ブルックリンは、クイーンズの真南。マンハッタンから行くと、南東っていうのかな。

いづれも、映画や、テレビドラマなんかで、さんざん出てくる町名ですが、私の子供のころは、「日本人は絶対行ってはいけない。」って言われてたんです。今でも、そうだと思うんだけど、マンハッタンで働いている人で、郊外の高い家賃や、家が買えない、ブルーカラーの、低所得層が住んでいるって聞いてました。

ちゃんと、街によって、アクセントがちょっとずつ違うのも、面白いですよね。地元っ子だと、しゃべっているのを聞いただけで、ブルックリン出身とか、クイーンズ出身とか、そういうのわかるみたいです。子供の時は、そういうのもちょっと憧れたもんです。

でも、このごろはあまりにも郊外に住むのが高すぎて、ヤングファミリーとか、共稼ぎのヤングカップル、働いている独身者なんかが、どんどんクイーンズや、ブルックリンに出て行ってて、街並みがだんだん良くなってきていて、おしゃれになってきているって聞いていたんです。

新しく引っ越してくる人は、昔の先入観がないから、おしゃれになったブルックリンとかみて、「あ、ここに住もう」ってすっと思えるらしいのです。私は、昔のイメージがあるので、抵抗があって住めないかなあ。


昨日クイーンズに住んでる、白人のヤングファミリーが、10歳の娘と友達がエレベーターに乗ってたら、男が乗り込んできて、いきなりジッパーを下げて、見せたらしく、驚いて、次の階であわてて降りたら、男があわてて出ていく二人のお尻をつかんだ、ということで、ちゃんとカメラにも映ってるんだけど、娘たちが泣きながら家に帰ってきて、お母さんがびっくりして、警察にすぐその痴漢を逮捕してくれるように、電話をかけたら、警察は来てもくれなかったといって、ニュースで苦情をまくし立ててました。でも、そういうニュースを見ると、「クイーンズだからなあ。」って思ってしまうんです。昔から、治安の悪い場所には、警察を呼んでも来てくれないっていうのは、常識だからねえ。よくなった、とはいえ、やっぱり昔ながらの人がまだ残ってるんだろうなあ。


動物園自体は、いい動物園でした。どういう意味で、いい動物園というかというと、子供が生まれてからというもの、いろんな動物園に行くようになって、動物園を見る目っていうか、そういうのがある程度できたんですが、むかーしブロンクスズーに、小学校の遠足で行ったことがあって、かすかな記憶があるんだけど、その時より動物のいる環境とか、動物園自体の環境が、ネイチャーフレンドリーになった、っていうか、動物保護とか、環境保護とか意識してるんだな、っていうのが、感じられて、いい動物園になったな、と思いました。

昔は、動物が檻に入れられてるって感じで、糞尿のにおいもしたし、子供心に、「こんな狭いところに閉じ込められて可哀そうだな。アフリカに戻りたいだろうな。」なんて思ったもんです(なぜか動物園の動物は全部アフリカから来てる、と思い込んでいた。)。今でも、どの動物園に行ったって、それは感じるけど、前より檻って感じがしないし、 広いし、もうちょっと、野生だったら、こういうところに住みたいのかな、って工夫してある気がするのです。昔は、動物を見せるっていう、ショー的要素もあったんですが、このごろは、動物を保護するために動物園があって、みに行く私たちは、「動物の邪魔にならなければ、みてもいいですよ。」って感じしますよね。奥ーの方で寝てて、姿がまったく見えなくても、それはそれで仕方ないわけで。昔は、もっと露出させるために、わざと狭い檻に入れて、周りには飾り程度の岩とかしか置いてなかったですよね。動物が、気が狂っちゃってて、ウロウロ行ったり来たりして。かわいそうだったなあ。


絶滅寸前のも多いしね。大事にしないと、地球上に一匹もいなくなっちゃうし、そりゃあ、世界中の動物園が協力し合って、絶やさないようにすごく気を使ってると思うんです。時代は変わりましたよね。以前は、動物園の動物が可哀そうだったけど、このごろは、「ここじゃないと生きていけないんだ。」って目で見るようになりました。


ブロンクスズーは、ロスのと比べて、やっぱり木が多いですね。動物園自体が公園って感じで、森の中を散歩してたら、ぽこっぽこっと、トラならトラ、鹿なら鹿が囲われているところが現れるって感じですね。立派な熊とかがいるんですねえ。あれはちょっと見もの。動物がいなくても、1日散歩して過ごしてもいいぐらいです。子供がそれじゃあ、承知しないだろうけど。あと、見世物でない動物も、たくさん種類がいるんです。それも子供たち、大喜びでした。リスはもちろんのこと、チップモンク、いろんな種類の鳥、何匹か、りすよりずっとスリムで、細長く、体も引き締まっていて、目つきもするどい、黒い、リスを細長くした方が動物がいて、「あれなに?」って聞いたら、旦那は知る由もないのですが、「あれはweasleじゃないか」、と言ってました。

とにかく、動物好きの舞ちゃんの感想を聞いたら、「珍しい動物がいっぱい見れて、楽しかった。」と言ってたんで、連れて行った甲斐があったかな、と。


動物園といえば、今までいろんな動物園に行きました。ロスでよく行ってたLAZooはいうまでもなく、サンディエゴズー、オーストラリアのシドニー動物園にも行きました。オーストラリアの動物園は、ご察しの通り、コアラがずらーっとたくさんいました。一緒に写真も撮らせてくれます。カンガルー公園にいくと、目の前にカンガルーがごろって寝転んでいて、またいで行かないと、道通れないのです。子供たちはっきり言って、あまりの近距離で、怖がってました。

上野動物園が一番よく知らなくて、結婚する前、旦那とデートで何度か行ったかなあ。猿山が面白かった記憶があります。猿も対猿(?)関係が大変そうだな、とか、よく見るとグループで固まってたりするし、じっと見ると、あの猿は、だれだれさんみたいって思って、ずっと見てた覚えがあります。

でも、動物園といえば、どうしても忘れられないのが、北京の動物園です。Talk about 動物保護。パンダは、世界中がたぶん注目してるからだろうけど、最新の設備で、大事にしてるのがわかったけど、それ以外の動物は、動物保護なんて、なにそれ?って感じの扱いなんです。さすが中国。人権問題とかあるじゃないですか?人間でも扱いに問題があるって言われてるのに、動物に至っては、人間以下、というか、「動物は人間じゃないじゃない?なんで大事にする必要がある?」とでも思ってるらしく、どの動物も檻だけ、なんです。それも、浅い檻、奥行きがない檻で、木か、コンクリの床の上に水を入れる皿だけ置いてあって、それだけ、なんです。本物の木どころか、飾りの木も草も岩もないんです。もっと皮肉なのが、動物が全部見事なんです。見たことのない、珍しい猿とかたくさんいて、よくこれだけ世界中から集めたな、って感心しました。世界中の動物愛護家がいやがってるだろうな、と。あんな風に扱ってたら、すぐ死んじゃうんじゃないかな、って心配になりました。死んでも、隠して言わないだろうし。

虎館とか行くと、虎とライオンの檻が分けられてあって、次から次へと、狭い檻に、こんな大きな、見事なライオン見たことない、ってくらいのライオンが一匹づつ、檻の真ん中にでーんと座っているのです。虎なんか、大きな白虎もいるんです。シベリア虎とか言うらしいですね。あんなの、見たことないです。見事です。どのライオンも、トラもウロウロ歩いてもいません。私だったら、気がくるって吠えたくなるところですが、ただ狭い檻の真ん中に座って、見物人をじっと見ているのです。檻だけだから、もちろん見物客のざわざわした声も全部聞こえているはずです。完全にくるってるのかな?それとも薬でも与えられてるか…とにかく、不自然っていうか、あまりにも動物が立派なだけに、不気味でした。あの光景は一生忘れられません。あの、トラの館は、トラとライオンの精神病院ですね。


ブロンクスズーに話を戻しますが、一番印象に残ったのが、ブロンクスっていう場所なんです。

電車に乗って、最寄りの駅から歩くんですが、電車も乗ったところは、ホテルの近所なので、白人も、アジア人も、いろんな人種が乗っていて、まあ、普通の地下鉄。それが、ブロンクスに近づくにつれて、黒人さん以外は誰もいなくなるのです。窓の外に見える光景も、建物に、所狭しと落書きがしてあるわ(street graffitiって言いますよね。今はアートの一種らしいですが。描ける場所も規制されてるって聞いたけど、そういう風には見えなかったなあ。)、今はもうちょっと高級になったのかな?家賃をとるような?昔はprojectと呼ばれる、低所得者用に政府が建てたアパート群(家賃もタダ同然。ただ黒人が主に住んでいて、白人は少なくて、犯罪にあったりした)がずらっと並んでいて、私が知っている、昔のブロンクスと全然変わってないのです。動物園の駅に到着するころには、黒人でないのは、私たち家族だけで(そう思っただけかもしれないけど)、緊張しちゃって、寝るどころじゃありませんでした。駅から歩いて動物園に行く途中も、ブロンクス公園の中にあるんだけど、公園では、ヒスパニックの人がピクニックをしていたり、体格の立派な黒人の若者が集団で、ただたむろしてたり、「ううん、怖い。」って感じでした。

帰りも、駅の周りとか、汚いのは言うまでもなく、ヒスパニックや、黒人の人が、ただただ立っていて、皆に「立ち止まっちゃだめよ。」って私が注意すると、旦那も子供も「なんで?」って。「だって、みてごらん。柄が悪いでしょう?こういうところは立ち止まると、強盗にあったり、お金くれって言いに来たりするから、さっと通り過ぎて、そのすきを与えちゃいけないのよ。体の大きな黒人な人に、いくらかお金くれない?って言われたら、あげざるを得ないでしょう?」って言いました。

駅のホームに立つときも、旦那は「あっちの端っこのほうが人が少ないから、座れるかもしれないから行こう。」って言ったんだけど、「人気の少ないところに立ってたらダメ。あっちから、お金くれって言いに来たら怖いでしょう?」っていって、わざと人の多い真ん中辺に、皆で立って待ちました。旦那は「昼間は大丈夫なんじゃないの?」って言ってたけど、子連れだと、一度でもそういうことがあると、ものすごく怖いと思うので、なるべくそういう状況は避けたいと思って。日本感覚じゃダメなんだよね、こういうところは。旦那は、ああ見えても、お坊ちゃま育ちで、危険なところに住んだことも、行ったこともあまりないので、平和ボケしてるんだよね。

電車に乗って、周りの人はほとんど黒人さんでした。体格の立派な、アイポッドつけて、音楽聞いてる、ヒップホップ系の黒人、派手なサングラスと、派手なシャツを着た黒人、パンツを半分出して、お尻の下までズボンを下げてはいている若者、絶対workoutしてるだろう、筋肉ムキムキの男の人、アフロの女の人、大きな輪っかのイヤリングを付けて胸が大きく開いているTシャツを着ている女性、白人とのハーフなのかな?肌色が浅い女の人が乗ってくると、いきなり男の人が話しかけるし。大きな声でラップ歌う人とか。誰も見ないのね。「ああ、テレビに出てくるかっこいい黒人たちは、ブロンクスに住んでるんだ。」と思ってしまった。ちなみに、派手なシャツを着た黒人の男の人は、子供たちの姿を見るとすぐ席を譲ってくれました。見かけほど、怖い人たちじゃないみたいです。でも、さすがに座って、うとうとしかけたら、腕時計をもう一つの手で隠しました。寝ている間に、取ろうとするかもしれないし。やっぱり怖かった私です。さすがに、写真を撮る勇気はなかった。撮りたかったけど。

100丁目ぐらいで、白人の若い女の人が乗ってきて、何となくほっとしました。気のせいか、電車の中の雰囲気が和んだような。たぶん黒人さん同士も緊張してるんだと思います。そういうのって、地元の人が一番危険に敏感だと思うんです。それ以降は、ビジネスマン風のグループが乗ってきたり、学生が乗ってきたりと、「普通」の地下鉄の光景になりました。


ちょっとした、大冒険でした。よく考えたら、初めて自分の足でブロンクス行きました。

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