これ見たばかりなので、記憶の新しい間に書こうと思う。
前からAlienシリーズのドラマが出るっていうことは知っていたんだけれど、やっとFX/Huluで放送された。2025年8月から放送された。日本のHuluでも見られるらしい。私の印象だと、多くの人が心待ちにしていたと思うんだが、シーズン1が終わってみると誰もこのドラマの話をしていない。ということは、人々が期待してたほどよくないのかな?などと思ってみた。
私はもともとAlienが好きで、最初のが出てきたときは、1979年で、私はまだ学生だったけど、ストーリーもその時は斬新で宇宙で起こる話だったし、特殊効果とかもさりげなく最新、ストーリーが衝撃的で、いまだかつてなかった、ドキュメンタリー風の映し方が、本当にあってほしくないストーリーを余計本当にあったことみたいに見せていたので、怖さが倍増だった。でもこんな怖い話を淡々と語っているところも好きだったし、この時代は女性がだんだん社会進出してきたときだったので、主人公のシグーニー・ウィーバーが強くて、男みたいで、かっこよくて、彼女だけ唯一生き残った、というエンディングも気に入っていた。
オリジナル Alienのポスター
Alienのシグーニー・ウィーバー。強くてかっこいいので、あこがれだった。
それから映画としてたくさん出たけど(やはりファンが多いからだろう)、個人的に好きなのは当時タイタニックとかで、超売れていたジェームス・キャメロンが作ったAlien 2と、ずーと飛んで、私の大好きな映画の一つ、Prometheusだ。Prometheusはテレビでやっていたのだけど、Alienとは知らずに、映画の雰囲気が私好みなので、なんとなしに見ていたら、最後の方にAlienの化け物が出てきた。「これAlienなんだ!」と感動した。最後のどんでん返しみたいで、すごく面白かった。今でもたまにテレビで流しているので、見ることがある。いまだにお気に入りの映画の一つだ。Alienと知らないで見るともっと面白いかもしれない。(もう言ってしまったけど)
ポスターだけ見たら、Alienシリーズとは思わない。よく見たら、これもRidley Scottが監督なのだ。
それから最近、(2024年)にAlien:Romulusというのが出てきて、それも映画館で見るのは見逃してしまったのだけど、そのあと飛行機で見ることができた。これも、久しぶりでAlienらしい映画でよかったと思う。見ていて、登場人物たちが逃げても逃げても追ってきて、結局最後は勝てない(ネタバレ)なんて、かわいそう。現実にこんな生き物がいなくてよかった、と思った映画だった。
こういうのが顔に張り付いて、ホストの体内に卵を産み付ける。全身生身の人間は、ホストにうってつけ。
Alienファンはとっくに知っているだろうが、この化け物の説明をすると、とにかく、人間は「獲物」。遭遇してしまったらひとたまりもない。しかも、その場で体をバラバラにされてしまうならまだいいのだが、寄生虫なので人体内に卵を産み付け、ホストの体内をむしばみ、ある程度成長すると腹を突き破って出てくる、という恐ろしい化け物なのだ。卵を産み付けられてから体外に出てくるまで1週間程度。最初は寄生虫が顔にべったり引っ付いて、その間卵が体内に植えつけられる。しばらくすると、顔にべったりついている寄生虫は死に、はがれて、ホストは目が覚める。目が覚めてからは、卵を産み付けられている人間は気が付かないで普段通りに過ごす。周りの人間も、変な虫が顔に張り付いてどうなることかと思ったけど、なんともないらしい、と安心しているのだが、数時間後、突然腹を突き破って牙が生えた生き物が出てくる。目の前で、腹が避けて、中から牙の生えた生き物が出てくるんだから、周りの人間は大騒ぎ。捕まえようとするんだけど、逃げ足が速くて、機体のどこかに消えてしまう。どうしよう、と言っている間に化け物は成長する。
成長も早くて、あっという間に2メートル、3メートルぐらいの大きさになる。足も速くて、泳ぐこともできるし、一度目をつけられたら、逃げたってあっという間に捕まってしまい、生きながらホストにされるか、その場で殺されるか。人間のような生身の体を持った生物は太刀打ちできない。宇宙船の中の乗組員は、一端Alienが機内に放たれると全員皆殺しになるのに一晩とかからない。数時間だ。繁殖力もすごくて、たくさん卵を産む。なので、人間対Alienだと、人間は絶滅必須なのだ。
今調べたら、最初のAlien映画は2122年に起こったことになっていて、今放送されているAlien:Earthはその二年後、2124年に起こることらしい。こんなたくさん映画ができてるのに、2年間の間に収まってしまう、というのはちょっと無理がある気がするけど、そのぐらい繁殖力がすごくて、これらの出来事がすべて同時進行的に起こるほどAlienたちがスピーディーで、いったん目をつけられてしまった人間は攻撃され始めてから、地球にやってくるまで2年しかかからなかった、ということなんだろう。
題名の通り、Alien:Earthは地球にAlienがたどり着いてしまう話なのだ。
ドラマで何エピソードもあるから、話は映画よりもっと複雑だ。まず、未来の地球では、政治というのが機能しなくなって、5大グローバル企業が地球を制覇している。そのうちの二社がAlienを奪い合う話だ。少なくともシーズン1は。その時代の「人間」は4種類いて、生身の人間と、部分的に機械のサイボーグ、知能が完全にAi、体も人工のSynth(Synthetic、合成の略)、体はSynthだが、人間の意識をダウンロードしたハイブリッドが存在する。このドラマは、人間、サイボーグ、Synth,Hybrid同士の戦いの話でもある。
Prodegy社(天才児の意味)は7人のハイブリッドを開発したばかり。誰の意識をダウンロードしたか、というと、世界中から、ちまたの、知能は高いが、虐待されたり、貧困層だったり、重病だったり、恵まれない子供たちを探してきて、その子たちを親から買い取り、教育しながら意識をデータに記録する。何年か後に、子供たちが大きくなったらこうなるだろう、という、大人のSynthの体を作って、生身の体の方はいわば破棄して、意識だけをSynthにダウンロードする。こうして、体は人工的だが見た目は大人。精神はまだ子供、というハイブリッドができる。このドラマは、このハイブリッドの子供の一人、ウェンディーが主人公だ。この会社がProdegyと呼ばれているのは、創立者が会社を設立した時、まだ子供だったからだ。今でもこの社長は、大人だけど、性格は子供っぽい。
Prodegyの社長
このドラマは、ライバルのWeyland-Yutani(日系みたい)社が、宇宙生物を収集して地球に持って帰る任務を与えた宇宙船を宇宙に送って、その宇宙船の中でとらえられた生物たち(Alienを含む)があともうすぐで地球に戻る、というときに逃げ出して、あっという間に乗組員を襲って、皆殺しにし、コントロールを失った宇宙船がProtegy社の所有地に墜落した、というところから始まる。
Weyland-Yutaniの宇宙船だけど、Protegyの土地に墜落した、ということで、双方返せ、返さない、となる。両社とも、宇宙船の中に乗っていた宇宙の生き物が狙いだ。もちろん破壊力のすごい生物だということは承知で、両社とも欲しがっているのだから、人間と、自分たちの力を過信している、としか言いようがない。両社ともこの地球に到着してしまった怪物たちの破壊力、恐ろしさを知らない。明らかに甘く見ていることが命取りになることは、長年のAlienファンだったらわかるのだけど、いつものことだが、人間は金銭欲、権力欲に目がくらんで、手に入れたほうが相手を負かせる。自分が一番になれる、と思って、そのことだけしか念頭にない。たくさんのお金と権力を持ってるから、多少破壊力の強い怪物だからって自分たちが餌食になることなんてありえない、と思っているんだろう。もし地球に上陸して、自由に動き回れるようになったら、人類が滅亡するのにそう長くはかからないだろうに。だから彼らのするべきことは、絶対これら宇宙生物を地球に上陸させないことなのだが、彼らのしたいことは逆で、自分たちが引き取りたいのだ。
このドラマでは怪物も何種類かいる。いつもの、映画に出てくるAlienはその中の一匹に過ぎない。怪物は5種類いる。(もっといるかも。)怪物は全部生身の体を欲しているから、どの怪物と接触しても人間は餌食となる。ただ、一匹を除いてあとの4匹は人工的な物体には興味がない。1匹はSynthの体内に流れている、人工液も食べる。Synthもこのアブのような虫に接触すると、体液を吸い取られて死亡する。ただ、Synthは痛みを感じないので、そんなにつらくないのかも。意識だって保存してあるだろうから、体を作ってまたダウンロードすればいいだけだ。ただ、Synthの体を一体作るのに、何億ドルもかかる。
このドラマでは、こういう初登場の宇宙生物もいる。この生物は、生物の目玉に入って、ホストを殺して、体を奪って、観察する生き物で、すきを狙って獲物を殺す。人間にとって大敵であるのは、通常のAlienと変わりない。
宇宙船はProdegy社の敷地に墜落した、ということで、Prodegy社の社長はSynthとHybridを宇宙船に送って、宇宙生物を収集し、彼らが住んでいる孤島へ運ばせた。ここではさらっと言っているけれど、宇宙船から孤島に運んでくるのは簡単なことじゃなかった。途中、生物に接触して、生身の人間である兵士たちが何人も殺された。ここら辺から、見ている視聴者としては、「本当に殺さないで、地球の違う場所に運ぶの?」と思ってしまう。なぜこんなに犠牲者がでているのに、しかもあっという間に重装備をしている人間が大勢殺されるのに、あえて生かして地面を移動させて持って行こうとするの?と思う。まあ、ここで殺しちゃったらドラマにならないけれど。それで孤島の、警備が厳重な研究室に生物たちを閉じ込めておくのだが、宇宙船の中でも逃げ出すことができたこれら生物たちは、こちらの研究室も逃げ出すことができた。人間よりも頭がいいのだ。しかも、まだ精神が子供のハイブリッドたちに世話を負かせたのが良くなかった。ハイブリッドたちは頭はいいけど、心は子供だから簡単に生物たちに騙されてしまうのだ。
精神が子供だったハイブリッドたちは、しばらくすると大人になった。そして、通常の人間よりも頭のいい子たちなので、孤島の閉ざされた世界に疑問を持つようになる。結局、私たちの親代わり、私たちの世話をする、と言いながら、所有物扱い、実験材料に使っているんではないか?(その通りなんだけど)反逆が起こり、島から脱出しようとする。研究室から生物たちが逃げ出してしまい、島の中のどこに潜んでいるんだかわからない。
ここでは詳しく言えないけれど、ウェンディーは特に優れたハイブリッドで、Alienと話すことができる。というより、ウェンディーいわく、「Alienの方から私を選んだ」という。Alienはウェンディーの言うことだったら何でも聞く。そのウェンディーが島の外に出たいと言い出し、仲間に声をかけてボートに乗って出ようとした。Alienも一緒についていくつもりだ。
Wendy
ウェンディーは頭はいいけど、世間知らずだからかな?自分と一緒にAlienを陸地に連れて行ったら一気に人間が死んでしまう。そんなこと、考えたらすぐ理解できそうなものだが、それがわからないのだろうか?それとも自分がハイブリッドだから、人間はどうでもいいと思うのだろうか?自分を作ったのは人間だ。人間がいなくなる、ということは、生身の、本物の人間がいなくなる、ということだ。自分たちはあくまでも人間の真似物に過ぎない。人間がいない世界は、ウェンディーたちハイブリッドや、シンスにとってもいい世界とは言えないのではないか?それともAlienを抑えることができる自信がウェンディーにはあるのだろうか。そうだったら、その自信は空虚だ。
Alienが大陸に上陸してしまう。そうなると、人間は直絶滅するだろう。どうなるのか?というところで、シーズン1は終わり。
それから最後に、このドラマ、知っている俳優さんは、Timothy Olyphantだけ。そういう意味では、有名な俳優さんをたくさん使っていない、ということは、よっぽど内容に自信があるということなのかも。Timothy Olyphantは、最初Deadwoodで見て、とても気に入って、そのあと、この人が主役だったので、Justified(ブログ記事あり)というドラマシリーズを見た。今はJustifiedの時より年も取って、あの時ほどはかっこいいカウボーイって感じではなくなったけれど、その代わり、かなりの名優になって、演技派になったと思う。ここでも上手に無感情のSynthの役を演じている。
このドラマで出てくるTimothy Olyphant。Synth役
あと、Alienシリーズは、監督がRidley Scottのが多い。このドラマもリドリー・スコットがプロデューサーを務めている。それだけで、このドラマの質の高さは保証されている、と言ってもいいのかもしれない。








