週末にブログを書くことに決めているわたくし。

しかし仕事と家事の両立は想像以上に過酷…母はこうやってわたくしと弟を育ててくれたのだなーと、そして自分の時間が欲しかっただろうに休日に掃除や食事の支度をしてくれて、子どもたちとも遊んでくれた父は本当に偉大なのだなとこの歳になって実感している。

それを見習おうとドライブがてら海で遊ぶ日曜日を過ごしたのだが…

青い空白い雲広大な海に気分がブチ上がり、波と戯れ貝殻拾ったり砂遊びしたりと超満喫!岩場に移動してからはシーグラス拾ったりヤドカリ追いつめたりなどして、幸せ家族の休日もいいもんだな!なんて思っていた。帰りの車の中で「顔赤くなるまで遊ぶなよw」と言われるまでは。

出がけにちょっと様子がおかしいくらいに日焼け止めを塗りたくったはずだったのに、こまめに塗りなおさないもんだから効果激減、すっかり赤ら顔の田吾作風情になってしまった…帰宅後冷却の厳戒態勢に入ったのは言うまでもない。スンスンと涙目で保冷バッグを顔に当てているわたくしをかわいそうに思ったのだろう、その日の晩ご飯の支度は免除、デリバリーすることを許可してもらった。もちろん注文時に「サクサクイカフライを忘れずに頼んでくれよ!あれはいいものだ」と懇願しておいた。

ちなみにわたくし以外の家族はいい感じに少し焼けたな~程度。わたくしはもともと焼けても元に戻る体質のせいなのか、まったくいい感じではなかった。

翌日実家に行ったら父に「キュウリとか食べたらいいんじゃねーの?知らんけど」と軽く笑われキュウリを持たせてくれた。そして、手芸やDIYが趣味の友に拾ったシーグラスをあげたら、「これで小物作ったらあげるから…」と労わられた(この人の技術プロ級)。これらの優しさに感謝するとともにひたすらに祈る。

早く来いターンオーバー!と。

それにしてもこの日焼け問題何とかならんのか…

うちにあるこのお面(わたくしのものではない)かぶっとけばよかったとさえ思う…

「海辺ではしゃぐAnonymousさん」として恐れられたに違いないが。

 

録画していた映画をようやくじっくり観れた。

「シンプル・プラン」(1998)

 

この映画の監督はサム・ライミ。大ヒットしたトビー・マグワイア版の「スパイダーマン」シリーズの監督として有名であると同時に、傑作ホラー映画「死霊のはらわた」を撮った人物。なので、このタイトルから感じるイメージ「シンプルかつスマートな計画があるんだろう」というのは裏切られるんだろうなと観る前から思っていた。

アメリカの雪深い田舎で貧乏暮らしをしていた兄弟のハンクとジェイコブ。

ハンクは家に帰れば妊娠中の妻がいて、兄のジェイコブはずっと無職でその日暮らしに近かった。

ジェイコブ役を演じたビリー・ボブ・ソーントン。煮しまったようなダウンジャケットやメガネを自分で修理して使っているその佇まいに、ジェイコブの経済状況が「あっ…(察し)」となる

 

そんなふたりは大晦日に両親の墓参りに赴いた。亡き父はかつて「人生にとって必要なものはシンプルで、愛する妻に、まともな仕事、いい友人や隣人に恵まれること」と語っていた。今の彼らにそれがどれだけ叶えられているだろう?

その後幼馴染のルーと会い、彼の車に乗せてもらって帰路に就く途中、3人は雪に埋もれかけた墜落した小型飛行機を見つける。その中にはパイロットの遺体と、440万ドルもの大金が残されていた。絶対訳ありだとわかっているけれど、これまで見たこともなかった大金に目が眩んだ3人は飛行機(と遺体)を雪で覆い隠し、金を持ち帰ることにした。春になったら「単なる飛行機事故」として片づけられるだろう、それまでハンクが金を預かる、やばいことになったら金を燃やす、ほとぼりが冷めたら金を分けてそれぞれ街を出ることを約束した。

 

帰宅したハンクに事情を聞いた妻であるサラは驚きながらも、生まれてくる子どもの為に金をせしめることに賛成し、これからの計画を勝手に立て始めた。そして、現金がまったく飛行機にないのは不自然じゃないかと言い出して、なるほどとハンクとジェイコブは40万ドルだけ戻しておこうと現場に向かうことにした。

狭い田舎町だから、みんなが顔見知り。途中でそんなひとりに出くわし、飛行機が見つかりそうになってしまった。ハンクとジェイコブは衝動的にその顔見知りを殺害してしまう。

サラは過去の新聞記事を調べ、とある令嬢誘拐殺人事件に行き着く。身代金として44

0万ドルが支払われたはずが届かず、警察が踏み込んだ時には令嬢は殺され、犯人とおぼしき人物も死んでいたとの事だった。あの金はまさにそれで、死んだパイロットは犯人グループの一人なのではないかとサラは推理した。

 

ジェイコブはかつて両親が経営していたが人手に渡ってしまった農場を買い戻そうと、ハンクに持ちかけるようになった。まだあの金をあてにすることはできないんだと言っても、引き下がらない。無職のジェイコブがいきなりそんなことをしたら、真っ先に疑われるだろうに。

金がいずれ自分たちのものになると信じて疑わないルーは、日頃からの自堕落な生活に拍車がかかりたちまち困窮してしまう。1万ドルでいいからあの金から出してほしいと、ハンクに頼み込んできた。断るなら顔見知りの殺害を警察にたれ込むと脅してさえくるようになった。サラは一計を案じる。「自白ゲーム」と称した遊びにルーを誘うようハンクに頼む。まったくのジョークとしてルーに「警察に自首する」と言わせ、ハンクがそれを録音して、逆に脅しの材料にしようとの目論見だった。しかし計画が失敗、逆上したルーはハンクにライフルを向ける。ジェイコブは隠し持っていた銃でルーを撃ち殺し、銃声に驚いて2階から降りてきたルーの妻を、ハンクがルーのライフルで殺害した。警察の取り調べに兄弟は応じ、夫妻がケンカの果てに撃ち合ったのだと口裏を合わせた。供述をとった保安官のカールもまた、兄弟とは長い付き合いであり親しかった。カールは兄弟を信じることにして、なんとかこの事件をおさめた。

 

良心の呵責に苛まれるようになったジェイコブは酒浸りの日々を過ごすようになった。ハンクもギリギリの精神状態…けれど、サラは何としてでも計画を全うしようとハンクを励ます。そんな中、FBI捜査官だと名乗る男が町を訪れる。飛行機を探していると保安官のカールに捜索協力を頼み、それを知ったハンクは追って現場へ向かった。その男を怪しんだサラが危険だと制止するのも聞かずに。サラはすぐさまジェイコブに連絡し、後を追うように頼んだ。

サラの読み通り、その男は実は誘拐の犯人グループの一人で、金を取り返そうとやって来たのだった。飛行機の残骸の前でその男はカール保安官を撃ち殺し、ハンクにも銃口を向けた。そこに追いついたジェイコブによって男は撃たれて危機を脱することができたものの、またしても殺人の偽装工作をする羽目になってしまった。

嘘をつくことに疲れ果てたジェイコブは生きる気力を失い、ハンクに自らを撃つように頼む。さもなければ自殺すると…そうなってしまえば、偽装工作が一層複雑になる。結局ハンクはジェイコブを射殺する。

やがて現場に本物のFBI捜査官と警察が到着する。状況を見た捜査官はハンクに疑いの目を向けなかった。犯人と撃ち合いになった保安官と、巻き込まれた一般市民。

あっさりとした検分を訝しむハンクに捜査官は淡々と告げた。

「身代金はすべて通し番号を記録しているので、真犯人はそれを遣った時点で逮捕できる」からと。

帰宅したハンクを待っていたのは、海外逃亡の支度をしていたサラだった。

ハンクはそれを無視して暖炉に金を放り込む。サラは慌てて止めようとするが、ハンクは次々と火にくべるのだった。「こんな金見つけなければよかった」と呟いて。

 

 

観ていてとにかく「あー…」の連続だった。どんどん悪くなる状況と余計な小細工。

そして状況を冷静に判断できる人がひとりもいないという絶望。サラだけは多少頭が回る感じだったが、この女はもし金が無事ならバレないようにとマネーロンダリングさえやりかねず、結局罪に罪を重ねるという愚かさという点ではハンクたちとそんなに変わらないのかもしれない。まあ子どものために、と行動する気持ちは似たような立場にあるわたくしにとっては理解できなくもなかった。

「シンプル・プラン」の意味は結局、冒頭に出てきた兄弟の父の在りし日の言葉を指していたということなのだろう。個人的にはそれとともに、「simple」の持つ意味のひとつである「無知な・愚かな」という暗喩も込められているのではないかと思う。

この映画と何となく似ているなあと思ったのはジョエル・コーエン監督の「ファーゴ」(1996)。こちらは誘拐犯側の視点だが、ほぼ同時期にこういったのどかな田舎のダークサイド的な映画が揃ったのはただの偶然なのだろうか。

「ファーゴ」が大ヒットしたのに比べ、「シンプル・プラン」は興行収入が制作費を上回ることはできなかった(それでもこの後「スパイダーマン」シリーズで盛り返すけれど)。

サラを演じたブリジット・フォンダ、そういえば見かけないなあと思っていたら、本作の音楽を担当したダニー・エルフマンと2003年に結婚して女優業を引退したとのこと。芸能一族であるフォンダ家に生まれ、スターとして順調な活動をしていたように思うが、2000年の初めに事故に遭い大けがをしたのがきっかけらしく、今はハリウッドから離れ一般人として生活を送っているという。

 

兄や友、小さな町の知り合いたちを自らの手によって失い、「こんな金があるから悪いんや」と大金を燃やし元の生活に戻る結末に、「日本昔ばなし」的な教訓めいたものを感じてしまった。ちなみに周りの何人かにこの映画のシチュエーションを伝えた上で、あなたならどうする?と尋ねてみた。あれこれと謀略を練る面々の中で、「最初に保安官に会ったところでお金落ちてましたよって申告する」と答えたのはたった一人だけだった。

 

 

 

Breakbotー「Be Mine Tonight」(2020)

 

数多くのアーティストのリミックスを手がけるフランスのDJであるBreakbot。

オリジナルも名曲が多くて、何となくこの時期に聴きたくなる。

薄暗いゲーセンに現れたしけた顔の女の子が、不思議な音ゲーに出会い…というのがこのPVのストーリー。運動神経0のわたくしであるからして、まずダンスダンスレボリューションやダンスラッシュスターダムといった音ゲーとは縁遠いんだけど、ちょっと昔に某所で見かけた女の子の脚さばきが素晴らしくて、憧れてしまったのはここだけの秘密である。