口癖のようにフフフ~ンと口ずさんでいる曲が、実は誰の何という曲かわからないことありませんか?曲名を教えてくれるアプリなんかもたくさんありますが、そこで訊いてもわからない…インターネット上ではそういったものをまとめて「Lost Wave」と呼んでいます。

3年前にスペインの人がDVDを整理していた時に見つけた、ほんの何十秒かのフレーズ。昔どこかでヒットしたんじゃないのかと思わせるようなキャッチーさゆえ、それこそ音楽検索アプリの「Shazam」や「SoundHound」にかけたらすぐ見つかるだろうとたかをくくっていたスペインの人。だが見つからない。誰の何という曲か全くわからなかったという…。しゃーないんでアメリカの質問したら誰かが教えてくれるサイトに、このフレーズの音源を貼ったそうです。いくつかのボーイズグループやアイドルの名前があがったものの、彼らのすべての曲を探しても見つからず…。正式な曲名さえもわからないのでいつの間にか、このフレーズは「Everyone Knows That」と呼ばれるようになりました。こんな小さな疑問に食いついたのがアメリカ版5ちゃんねる「Reddit」民の皆さん。彼らもいくつものスレッドを消費しても見つけることはできませんでした。深まる謎…だがしかし!

つい昨日アーティスト名と曲のタイトル、そしてフルコーラス見つかりました!!

 

Christpher David Booth-「Ulterior Motives」(1986)

 

どうやって見つかったかはまだはっきりとわからないんですが、Redditの「特定班」の皆さんや気になっていた人たちがこぞってよかっただな!とyoutubeにコメントし、海外の歌詞サイトは早速この曲の歌詞をサイトに載せていたりなどちょっとした

「祭り」になっています。音源を最初に貼ったスペインの人は途中でいなくなってしまったけれど、今頃スッキリ気分で過ごしているのでしょうかね。

フルで聴いてみるとなんていうか…まあこういう曲だったんだねとどことなくスンッとしてしまいました笑 謎は謎のままでよかったとまでは思いませんが笑

この話題にあまり関係ないピンクフロイドとカツオの華麗なるコラボ

 

しかしLost Waveの世界にはまだまだ謎の曲が眠っています。それは日本の曲であり、「秋葉原で買ったカセットテープに入っていた曲」と呼ばれるものです。

秋葉原のジャンク屋みたいなところの店頭で投げ売りされていたカセットテープ…

中にどんな曲が入っているかの説明もなく面白半分で買って聴いてみたら「なるほどわからん」となったようです。音楽・サブカル系youtuberの「みの」さん(この方の音楽理論とてもわかりやすくてためになる)のチャンネルでも取り上げられていて、知らない音楽あるの?と思うほど博識なみのさんもこの曲は判明できませんでした。

 

この「聴いたことあるようでない」感じ、「Everyone Knows That」のフレーズを聴いた時と同じなんですよね。10年以上前に買ったということですが、デモテープっぽいような…ハウスDJたちの間でやりとりされている「ホワイトレーベル」と呼ばれるジャケットにもラベルにも何も書かれていない状態のレコードみたいな、プロモ盤的なものなのかな、とも思うのですが。この曲について、Keyというゲームのブランドが制作した「Air」「Kanon」のような、成人向けゲームに使われる予定のものだったのではないかと考察する人も…(上記の作品は内容もさることながら音楽も美メロと名高いそうで)。わたくしもその考察に乗ってみると、この曲のボーカルの「工藤静香」さんぽい歌い方とか、おそらく工藤静香さんがコンスタントに歌の活動をしていた時代に制作された、女性アイドルもしくは女性アーティストのアルバムの候補曲のデモテープなのでは??と思うんですよね。で、没になったけれど出来がいいのでいずれ他の歌手に使おうととっておいたレコード会社が流出させてしまったのではないかと。この曲もいずれ判明する日がくるのだろうか…?

この曲知ってる方おられましたら教えてください

 

 

関藤茂雄(関藤繫生)「The WordⅡ」(1975)

 

日本有数のエレクトーン奏者でありながらその後名義を変えてピアニストとしても活動されていたアーティスト。わたくしはそれまで存じ上げていなかったのですが、エレクトーンを習っていた方ならご存知なのでしょう。

知るきっかけとなったのは、海外のVaporWaveのアーティストたちがこの曲を元ネタにして作品を発表していたから。もとは70年代に日本で発売された4枚組のLPセットの中の一曲で、海外の人がどうやってそこにたどり着いたのか不思議です。

もっと驚くのは、関戸氏のwikiが英語版でしか存在しないということ。ずっと昔から海外人気の方が高かったということなのでしょうね。「秋篠健」名義でyoutubeでチャンネルを開設しておられましたが、コメント欄に残念ながら2021年にご逝去されたと記されてありました。

この甘美で哀切なメロディーは、わたくしにある種のノスタルジーを想起させます。

普段思い出すこともなかった小さなころの古い記憶が蘇ってきて、この曲が流れているほんの3分だけ時間が止まったような感覚に浸れるのです。