箇条書きにまとめたからには、トランプがらみの記事を書かなけりゃと思いますが、どうせグダグダした素人談義とはいえ、なかなか難しそう。
ウォームアップかたがた、ちょっと別の話を先にしておきましょう。
BLOG BLUESあにさんが、天皇退位問題で自民党批判をしているので、関連した思い伝話。このブログで記事にしたことはないはずだけど、コメント欄には書いたと思います。
過去のコメントを探すのは面倒だからしません。、
1月24日、29日、2月14日とアップされたBLOG BLUESさんの記事です。ここでは新しい順に並べておきます。
自民党に尊皇の気持ちはない!特別立法一代限りの党見解 リンク1
安倍総理とその私的諮問機関「有識者会議」の天皇イジメを許すな! リンク2
天皇退位は「有識者会議」でなく皇室会議の意見を訊け リンク3
ずっと一緒に暮らしていた母方の祖母に聞いた話です。子供のころから何回も聞かされたました。話の筋はいたってシンプル。
明治天皇は、日ごろ維新の元勲たちから、「自分たちのいうことを聞かないと、また京都へ押し込めますよ」と言われていた。
ということです。
聞いたほうはおそらく、こども心に「明治天皇ってそんな簡単に脅されるほど弱い人とは思えないけどなあ」という感想を持ったのだろうと思います。小学生とか中学生とかですから、明治天皇の図像に触れる機会があったとしても、あの肖像画ですからね。ひげを蓄えて大礼服っていうのかな。いかめしそうな服装をしている人物像。明治天皇のエピソードなどはあまり記憶にないけど、明治のころは戦争にも勝って、日本はそこそこ強い国だったらしいというイメージですから、軟弱な天皇のイメージはわかない。
ただ、祖母が明治天皇の日常を知らないだろうという判断は子供でもできましたが、同様に、浅草生まれで親代々東京者の祖母が周囲から聞かされた話では、薩長を中心とする明治政府のメンバーが天皇を道具視して利用している、というストーリーはあるのだろうな、とも思いました。歴史事実というより、そうしたフォークロアが旧幕時代から暮らしていた東京市民に伝承されていたのだな、ということです。
そういう意味では、戦前の日本の庶民がみんな天皇を絶対視していたというわけではないという証言にはなるな、と思います。
明治維新で権力を握った人々が、天皇を道具視していたという主張は、大人になればそれなりに目にします。天皇を「玉」と呼んで利用することを考えていたみたいな。
そもそも明治天皇が個人的に怒ったり喜んだりして、政治をしたり戦争を始めたりというストーリーなどは最初から語られませんからね。明治時代の政治は政府と政府に不満な人々とのやりあいで動いたというイメージはあっても、天皇の姿はあんまり見えないのではないかな。
維新の元勲、明治政府の要人が明治天皇を脅かしていたまでのストーリーは、旧時代に郷愁をもつ江戸町民の末裔の負け惜しみかもしれませんが、天皇の取り巻きが政治をわたくししているという不満は、明治のころにもあったことでしょう。
こうした「天皇は周囲の担ぐ人々に利用されるのではないか」という観念は根強いと思います。もう昭和からずいぶん経ったから聞く機会も少ないでしょうが、先の戦争の責任に関しても、「天皇は軍部に利用された」という言い方はあった。ちゃんとした歴史事実の検証とはかかわりなく、庶民感情に類するものでしょうけど。
「天皇を利用する人々」への、あまり表立たないけど根強い反感は、天皇の退位問題についても影響を与えるかもしれません。
ただ「天皇を利用する」ことに対する反感というのはたいがい感情論にとどまるし、天皇を利用する立場というのは、現実の政治権力を握っている人が多いから、長いものには巻かれて置く心理のほうがまさるかもしれない。
「退位問題」って、天皇や皇室の制度のあり方を問うばかりでなく、日本人の性根もそこから見えてくるのかもしれないな。