トランポリアを突きつけられる  | みんななかよく

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 Aporia (アポリア)

 Trump (トランプ)

 組み合わせて造語しようという魂胆。


 Trumporia でどうでしょうか。日本だと fun も fan も言いわけないから。


 トランポリアという言葉はですね。トランプ候補の今までに例をみない意見が突き付ける難題というような意味です。


トランプ氏が対日政策で暴言「米軍駐留費全額負担に応じなければ撤退」

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【ワシントン=加納宏幸】米大統領選で共和党候補指名を確実にした不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)は4日、米CNNテレビのインタビューで、大統領就任後に日本に米軍駐留費用の全額負担を求め、応じなければ在日米軍の撤収を検討すると述べた。日韓が自主防衛のため核武装することを容認する考えも否定しなかった。


 前々からいっている日本・韓国安保ただ乗り論を、共和党の大統領候補になることが確定した後でも修正しませんね。


在韓米軍のブルックス司令官は米議会で韓国が駐留経費の50%を負担していると証言した。トランプ氏はこのことを司会者から指摘されると「なぜ100%ではないのか」と疑問視。「日韓が米国の面倒をみないのであれば、私たちに世界の軍人、警察官である余裕はない」と強調した。


 こうした発言をする共和党大統領候補の出現に、日本の保守政権は戸惑いの色を隠せないようです。(ニュース紋切型)


これ  とか こんなの  とか



 在日米軍は日本だけを守っているのではなく東アジア全体の安全保障のためだ、と返そうにも、向こうは「どうぞ自分たちで防衛してください。核兵器を持ってもいいから」と言っている。

 「インド洋やペルシャ湾岸にも日本の基地から出動しているんだぜ」ってところを強調して、アメリカの世界戦略の一環としての日米安保、というところをクローズアップするのは、日本の現政権としてはあんまり好ましいところではないでしょうね。日米安保や集団的自衛権に関連して中国の脅威、北朝鮮からの脅威を強調してきましたから。



 「日米相互理解」とか「日米は価値観を共有する」とかいってきたのに、そもそもアメリカの大衆に日本の駐留負担や在外米軍の役割への無関心・無知があるとなると、いくら「どこの国でもアーパーはアーパー」と切り捨てても、今までの日米関係への信頼感はゆらぎます。



 昔から保守系の論者は、「非武装中立などと言う者は、いざとなればアメリカが守ってくれると思っているのだ」と、「革新」側の安全保障政策の無さを揶揄してきましたが、時代は移ってアメリカの政治家自身が、「世界の警察官の役割はできなくなった」というようになると、保守の側にも対米依存の深層心理はあったといえるでしょう。アメリカの世界戦略にアダプトすることを外交の主目的にしているだけでは済まなくなる。



 全くの孤立主義をアメリカがとることはちょっと想像がしにくいけど、アメリカが他の国の軍事資源を動員する方向は、トランプ大統領にならなくても、強まると思います。

 そのときに、日本の国際貢献は民生的なものの方が適しているのだ、と他の国々へ納得させる外交力があるのかどうか。アジアの国もヨーロッパ諸国も、紛争地域に平和維持活動として軍隊を送っている場合に、「日本も応分の負担を」と要求されて「民生支援なら」と答えることは可能でしょうが、そのように特化した貢献を言い出すならば、かなり大規模な活動をする必要があるんじゃないかな。お付き合いで自衛隊の小部隊を送るほうが安上りかつ安全だったりして。



 トランプ氏の日米安保片務性の強調(「日本が攻撃されたらアメリカは駆けつけなければならないが、アメリカが攻撃されても日本はアメリカを守らないでいい」)は、「アメリカを守るということはどういうことか」を考えさせる点で、在日米軍の機能にあらためて目を向けさせるものです。

 米軍の世界戦略を考えるということは、アメリカの軍事関与がないとして、どのような国際紛争の解決策があるのかに対しての答えも要求される。冷戦終結後だけみても、アメリカの軍事関与は事態を紛糾させることの方が多かったように思いますが、ではどうすればもっと世界が平和だったかと問われれば、そう簡答えは出ない。

 

 トランプ氏の「横紙破り」な議論が突き付けるもの。それは日本の「保守」だ「革新」だにとどまる話ではなく、日本全体、世界全体の問題でもあるでしょうね。