投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

今週読んだ投資本を良かったものも良くなかったものも含めて紹介するシリーズの第5回目。

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小山哲『個人投資家のための小型株で賢く儲ける方法』<お勧め度★☆☆☆☆>

「うーん」と絶句してしまう本。

「個人投資家」「小型株」とタイトルにあったので、とりあえず図書館で借りて読んでみましたが、稀に見るひどい内容。買わなくて良かった…。私を信じて、絶対に読まないでください。

著者の小山さんは新聞記者上りの投資アドバイザー(って何してるの?)。一応プロと自認するだけあって、一つ一つの記述はそんなに間違ったことを書いていないのですが…。

小山さんが勧めるのは小型株の短期取引。しかも、仕手筋が入って人気化した銘柄の提灯買い。これって個人投資家がやってうまく行くんですか?

小型株は流動性が低いので、売買のタイミングが命。提灯が付いたと思ったら機動的に買いを入れて、仕手筋が完全に売り抜ける前に先手を打って高値で売り逃げる必要があります。

つまり、売買技術に卓越し、ずっと場に張り付いてウォッチできるプロやセミプロなら何とか許されますが、個人投資家にとっては最高に難易度が高い投資法。というより、昼間に働いている個人投資家には不可能。個人投資家がうっかり手を出すと、仕手筋の良いカモになるだけです。

しかも、エピローグでは「500万円を100億円にした小型株作戦」として、小山さん本人ではなく「Aさん」という胡散臭い謎の投資家の超絶実績を紹介しています。読んでみたら、本文とは打って変わって長期投資。おいおい、あなたは短期投資を推奨しているんじゃなかったんかい?

小山さんの著者略歴には、「個人投資家の味方を自認する良信派」って書いてありますが…。良信派どころか、個人投資家を奈落の底に突き落とす危険な人です。

おそらく小山さんは、たまたま大成功した投資家を取材しているだけで(取材しているかどうかも疑わしい)、自分ではちゃんと投資をしたことがないのでしょう。こういうただアドバイスをしているだけの「自称プロ」の本は、読まないのが賢明です。