投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

ウォーレン・バフェット率いるバークシャーハサウェイの株主総会が5月4日に開かれました。米アップル株の残高減少など売却が目立ち、手元資金は過去最高の30兆円に膨れ上がっています。

日本経済新聞は「高金利で鈍る株式投資」と評していますが、バフェット自身が「良い球が来た時しかバットを振らない」と述べている通り、単純に最近の株高で有望な割安株が減っているのでしょう。

バフェットが重視する指標が、Market Cap to GDP、いわゆるバフェット指数。その国の株式市場の時価総額が名目GDPの何倍に達しているかで、バフェットは「150%以上なら割高」と考えます。

アメリカのバフェット指数はこの1年間ほぼ150%以上で、現在約180%(こちらを参照)。つまりアメリカ株は最近ずっと割高で買うチャンスがなかった、むしろ絶好の売り時と判断した結果、手元資金が30兆円に膨れ上がったわけです。

日本では、バフェットが昨年から総合商社株に投資していることが話題になっています。総合商社は日本にしかない特殊で複雑な業態で、94歳のアメリカ人がちゃんと理解しているとは思えません。総合商社への投資は、バフェットの「自分の頭で理解できる会社に投資する」という長年の原則に思い切り反しています。

つまり、総合商社への投資は、アメリカで有望な投資先がなくなって困り果てたバフェットが、長年の原則を曲げてやむなく投資しているわけで、バフェットの苦悩を表しています。