投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

数ある株価指標の中で最も有名なのがPER(Price Earning Ratio、株価収益率)。PER=株価÷一株当たり当期純利益で、当期純利益の何倍まで買われているかを表します。

一般に「高PERの銘柄は割高」「低PERの銘柄は割安」と言われます。最近だと、日経平均が4万円を超えたとき、「バブルの頃は、日経平均のPERが70倍だった。いまは18倍程度なので、決して割高ではない」と言われましたね。

投資家にとってお馴染みのPERですが、実際の投資ではなかなか使いにくい。

まず、分母の当期純利益のブレが大きいという問題があります。

経営状態が悪い企業でも特別利益(たとえば土地の売却益)でPERが持ち上がったり、経営状態が良い企業でも特別損失(たとえば役員退職金)で低PERになったりします。表面的なPERの数字を鵜吞みにせず、決算書の中身をよく確認する必要があります。
また、決算書の中身を確認したとしても、PERで投資判断をするのはナンセンスで、極めて危険です。

PERが高い銘柄を成長株と言います。成長性が高い銘柄は将来の利益増加を株価が織り込むので、現在の利益を基にしたPERは割高になっています。つまり「高PERの銘柄は割高」と考えると、成長株には永遠に手を出せません。

逆に、PERが低い銘柄は、将来の成長性がない、あるいは事業に問題があり現在の高収益は一時的なものだ投資家が判断しているわけです。「低PERは割安」と飛びつくと、とんだ高値掴みになりかねません。

結論的には、PERは先ほどの日経平均のように相場の過熱感を見るには参考になりますが、PERだけで投資判断をしてはならない、ということになります(他の株価指標と組み合わせて投資判断に活用している投資家はいますが、単独では使い物になりません)。