投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

株式投資で難しいのは、買いよりも売り。とくに、買値よりも下がってしまった場合、適時適切に損切りができるかどうかが、パフォーマンスを大きく左右します。私も以前は損切りができず塩漬け株を抱えていましたが、損切りができるようになって、資産が順調に増え始めました。

ただ、多くの投資本は、「損切りが重要」「損切りができて一人前」とか心構えを書いてあるだけで、実際にどのように損切りをすれば良いのか、具体的に書いていません。また、具体的に書いてある場合も、読んでいて何だかスッキリしません。

たとえば、公認会計士兼個人投資家として有名な足立武志氏は、「25日線を2%下回ったら損切りする」というルールを実践しているそうです。具体的に損切りルールを示しているのは良心的ですが、彼がどういう投資法を実践しているのかあまり開示していないので、正しいとも間違っているとも言えません。

足立氏が数日から数週間のスイングトレードをしていて、リスク管理(とにかく大負けしないこと)を重視しているなら、この損切りルールは極めて合理的。一方、もし数か月以上の長期投資をしているなら、この損切りルールだとしょっちゅう引っかかって、いわゆる「損切り貧乏」になってしまいます。

つまり、どう損切りするかは、投資期間やリスク許容度によって違ってきます。損切りルールは、最終的には「自分で考えるしかない」のです。これが投資本を読んでもスッキリしない理由です。

ただ、大まかな原則としては、投資スタイル別に以下のような感じかと思います。

◇ 積立投資・・・損切りはしません。下がったらむしろ買って株数を増やすべきです。ただし、特定の業界やテーマに特化したファンドは、業界・テーマの見通しが悪くなったら損切りします。

◇ デイトレード・・・目論見と反対方向に動いたら即座に損切り。遅くともその日のうちに手じまい。

◇ スイングトレード・・・25日線・75日線やMACDなどテクニカル指標を使って損切り。

◇ 個別株長期投資・・・投資先のビジネスモデルが崩れて売上鈍化・減益になったら損切り。ビジネスモデルが崩れていないのに下がったら、逆に買い増し。

繰り返しですが、さらに細かいところは、自分のリスク許容度などを勘案して自分なりにルール化するしかありません。失敗を経験して、少しずつルールを改善していくことになります。