投資を知ろう! 保有資産3億円のシロウト投資家・神田川トウシロウです。

新NISAが始まって、投資信託への関心が高まっています。投資信託を選ぶ際に大切な「スパゲッティチャート」と「生存者バイアス」という考え方を今日は紹介します。

まず「スパゲッティチャート」。何ですか、それ?

投資信託を選ぶ際、過去の利回りを見て「ファンドAは昨年の利回りはプラス20%だった。よし買おう」「ファンドBの昨年の利回りはマイナス20%だった。やめておこう」と判断したりします。

ところが、ファンドAは買ったら下がり始め、ファンドBが上がり始める、ということがよくあります。

色んなアセットクラスのファンドを利回りの高い順から並べて、経年で線を繋ぐと絡まったスパゲッティのようになります。そのため、「スパゲッティチャート」と呼ばれます。

ようは、過去の実績を見ても、将来の利回りが高いか低いかはわからないということです。

次に「生存者バイアス」。これは行動経済学の概念です。

ある証券会社の営業マンが、現在運用している3つのファンドを紹介しました。ファンドXは開始以来の利回りが80%、ファンドYは40%、ファンドZは20%です。「当社の平均の利回りは40%と抜群です。中でもファンドXは絶対にお勧めです」。

ここで、この証券会社がX・Y・Zの3つしかやっていないなら良いのですが、実際には開始したものの運用が振るわず、解散になってしまったファンドもあったりします。解散になったファンドも含めて全体を評価しないと、機関投資家の実力はわかりません。

生き残った優れたものだけを見て、全体の実態を見誤ってしまうことを「生存者バイアス」と言います。実績が良い機関投資家でも、実力を疑ってかかる必要があるということです。

それやこれや考えると、将来も上がるアクティブファンドを見つけ出すというのは、プロでも至難の業。個人投資家は、指数連動のパッシブファンドを積立てるのが賢明でしょう。

ちなみにシロウト投資家の私は、Nasdaq100(1545)とインドNifty50(1678)という2つのETF(上場投資信託)を買っています。

ところで、「スパゲッティチャート」も「生存者バイアス」も、初めて聞いたという方が多いのではないでしょうか。いずれも、手数料が高いアクティブファンドを売りたい証券会社にとって極めて不都合な話なので、証券会社の営業マン(やそれと紐づいたFP)はあまり語りたがらないのです。