「第1回関東定例記者会見が5日、東京港区のJRA六本木事務所で行われた。
06年から開始した騎乗依頼仲介者制度で、透明性確保の観点から6月1日より騎乗依頼仲介者
(エージェント)の申請が義務化される。
1人が担当可能な騎手の上限も3人+若手騎手1人(地方所属、外国人騎手を含む)と制限。
JRAは「エージェントの氏名は両トレセンで公表する。
制度に違反していないかどうか厳しく監督したい」と話した。」
騎乗依頼仲介者・・・いわゆるエージェントである。
スポーツの世界ではエージェント(orマネージャー)というのはごく当たり前になっている。
スポーツ王国・アメリカでは’80年代よりそれまで個人でやっていたエージェント業が企業組織になり、ありとあらゆるスポーツ選手をマネージメントしている。プロスポーツのみならず、オリンピック選手等も含まれる。
海外で活躍する日本人スポーツ選手のほとんどはどこかの”エージェントカンパニー”に属している。
また、”人種差別”がいまだ根深くあるアメリカではこれまで、人種の壁のため活躍できなかった選手がエージェントのお陰で壁を乗り越え実力で活躍できるようになった。
でっ・・・競馬!
中央競馬の場合、有名エージェントと言えば内田博幸のエージェントである中村剛士さん。

調教馬の手配から、レースの騎乗手配、騎乗馬のクセや特徴も掴む。
東西トレセン、競馬場等々、活躍の馬は広い。中村さんは内田専属のエージェント。
内田に関するマネージメントはすべてやる・・・あくまでも競馬に関してだけだが・・・プライベートは一切ノータッチ。だが、内田も何でもかんでも中村さん任せではない。もちろん、自分で厩舎を訪ねたり、レース後関係者と話をしたりして、調教、レース等の段取りを決める事もある。
”二人三脚”で歩んでいる、内田と中村さん。
昨年、内田が落馬負傷で騎乗できない時期が半年以上あったが、もちろんそんな場合は一切の報酬はない。
”無収入期間”が続いた事になる。
今年に入って本格的に復帰した内田だが、中村さんは内田より一足早・・・昨年の東京競馬場から・・・競馬場で熱心に各馬の動向&レースを見ていた。もちろん、復帰後の内田のためだ。
「内田さんみたいにきっちりタッグを組んでくれるエージェントだと心強いですよね。すべてにおいて有利な面が多いと思いますよ・・・。」
とは、”某・活躍中の若手騎手”。
ではっ・・・ほとんどのエージェントはどのような感じなのであろうか・・・。
なぁ~んて、ヘタレな私、写真人がわざわざこのチンケなブログで説明するまでもないであろう。
”中央競馬 騎手 エージェント”でWeb検索をかければ腐るほど情報が出てくる・・・ので・・・割愛させて頂く。

今回の”天下のJRA”の騎乗依頼仲介者(エージェント)申請が義務化だが、現行のエージェントをちょっと保護した形になる。最大で4人まで可能(上限も3人+若手騎手1人(地方所属、外国人騎手を含む))という事である。
ちと多いような気がする。前出の”某・活躍中の若手騎手”が言うように、一人の騎手に一人のエージェントが理想なのであろうが、そ~ゆ~制限をしたところでいくらでも抜け道はある。
厳格な審査なく、申請のみでのエージェント制度であれば、たとえ”One By One”にしたところで、”名目上のエージェント”何人か雇えば一人で複数の騎手のエージェントが可能となる。
・・・例えば・・・今回の制度では・・・
”エージェントA”が3人の騎手を世話したとして、さらに後輩分の”エージェントB(=名義貸し)”が3人の騎手を世話するとする。そうすると、エージェントAは実質6人の騎手を世話出来ることになる。6人の騎手からの報酬はエージェントAが受け取り、謝礼としてエージェントBにいくらかの報酬を支払えば良い。
さらにっ!”親分エージェント”が三人の後輩エージェント(名義貸し)に最大合計12人の騎手の世話をさせれば、一人で12人の騎手の世話ができる事になる・・・ネズミ算式にいくといくらでも騎手の世話はできる事になる。
・・・この辺を”天下のJRA様”だどうのように制限し、監督して行くのかが見ものなのだけど・・・。
では、エージェントの報酬とはいくらくらいなのであろあろうか・・・。関係者のみならず、我々競馬ファンに取ってもお金がかかってくる話なのでこの辺は是非、クリアーにして欲しいところなのだが・・・。

騎手&エージェントにより様々なのが現状。
ひと月契約で10万円~というエージェントもいれば、外国人騎手の場合獲得賞金の数パーセントと出来高制にしている場合もある。さらに、”無報酬”というエージェントもいる(=この場合、エージェントと呼べるかどうかビミョ~なのだが・・・)。
”リーディング上位騎手を仲介すればエージェントは儲かる”と思われがちだが、すべてがそうではない。
「賞金のパーセンテージで外国人騎手と契約しているけど、外国人騎手を嫌う調教師さんや馬主さんもいるしね・・・。いくら外国人と言えでも毎回良い馬が集まるわけではないしね・・・。また、通訳、マネージャー、プライベートの世話(衣食住や各移動など)あるから外国人騎手のエージェントは割にあわないね・・・。」
とは、以前外国人騎手のエージェントをしていた”某さん”。
エージェントとして3ヶ月で600万円ほど稼いだ時もあったようだが、逆にあれこれ経費がかさみ赤字になった事もあったとういう(日本への招致費やローカル開催での移動等)・・・。
結構大変なエージェント業ではある・・・もちろん楽ではないっ!

”勝てそうな馬の騎乗を決める!”もしくは”将来性のありそうな馬の騎乗を決める!”というのがエージェントの原則であろうが、中には馬主さんや厩舎の付き合いで騎乗を決める事もある。
「一場での出走馬って300頭前後でしょ。土日で24レースだから一レース、一人の騎手が勝ったとして24人の騎手が勝つことになる。でも、現実は違うからね・・・。今の中央競馬では一場に30~40人の騎手がいれば競馬は問題なく行われると思いますよ。騎手が多過ぎるのも問題ですよ・・・。毎年、黙っていて数人の騎手がデビューする訳だしね・・・。」
以前、愚痴をこぼしていたエージェントの付いていない”某・親しい騎手”。
新人とベテラン騎手との違いは技術、競馬のセンスからいって大きな差があるだろうがベテラン騎手同士、新人騎手同士であれば競馬センスは別にして技術の差は大きくないと考えている私、写真人・・・。
もちろん好き嫌い・・・あくまでも個人のテーストもある。
綺麗なファームの武ちゃん(豊)が好きな関係者もいれば、ガツガツ追う岩田が好きな関係者もいる。
外国人騎手・命の関係者もいればゼッタイ外国人騎手を使わない関係者もいる。
いろんなスタイルの騎手がいるのでいろんな騎手の活躍が競馬場で見れると思っているのだけど、現実はそうではない・・・。重賞や新馬戦の有力馬にはいつも同じような騎手が騎乗している・・・気がする・・・あくまでも気がするだけですよ・・・(汗
何より、何千頭も馬がいるのでいろんな馬にいろんな騎手が騎乗すればもっと競馬が楽しくなると思うのだが、
やはり勝負の世界なので有力馬には有力な騎手が集まる。

”某・親しい騎手”が言うように騎手が多過ぎるのであろうか・・・。
・・・そうではない・・・。
”エージェントが少なすぎるのであるっ!”
少なすぎるエージェントのため偏った騎乗になっているのではなかろうか!?
チョ~極端な話ではあるが(=現実離れした話)、騎手全員にエージェントがついたらどうなるか!?
こうなるとトレセンや競馬場は馬券に目を血走らせる競馬ファン以上に過激になるのではなかろあうか???
どのエージェントも己の騎手に勝ってもらいため、激しい営業合戦が始まる。
さらに、競馬にはゼッタイがないのを前提で行くとトレセンで次に勝てそうな馬を真剣に探す事になる。
アメリカ競馬のエージェントはまさにこの状況で各馬の調教から状態、さらに生産牧場や育成場の情報も手にいれて何とか己の騎手に乗ってもらうように努力する。アメリカで調教馬場でストップウオッチ片手に時計を取っているのはほとんどがエージェントだったりする(アメリカの競馬新聞では基本調教タイムは記載されていない)。
莫大な情報ソースを元に騎乗馬を決めるのである。
現状、中央競馬の場合エージェントは競馬専門紙のトラックマンの方が”掛け持ち”をしている場合がほとんど。「競馬ファンに情報を流すべき関係者がエージェントになって騎手に騎乗馬を決めるとはいかがなものかっ!?」・・・と一部の関係者のあいだから囁かれているが、日本の競馬は海外の競馬とはちがい、”国営競馬”なので仕方ない・・・何らかの組織に属すか、競馬関係の仕事をしていなければ”天下のJRA様”の敷居を踏む事はできないのである。
「今日からエージェントをやりますのでお願いしまぁ~す!」と競馬ファンが”転職”しようとしても、200%拒否される・・・経験と実績のない人間は中央競馬サークルには入れないのである・・・。
さらにゼッタイにあってはならない事ではあるが訳のわからん関係者が出は入りすると”八百長”につながりかねない・・・私、写真人くらい訳のわからん関係者だと、トレセンでも競馬場でも相手にされないのでいらぬ心配なのだけど・・・

「エージェントをやろうと思ったら、競馬好きじゃまず務まらないね・・・。私情を挟んでの仲介はぜったいに出来ないから・・・。競馬に関してシビアじゃないと務まらないよ・・・。オレは競馬が好きだらか今までどおりトラックマンとしてファンと一緒に競馬が楽しめれば十分だけどね・・・。」
たまに馬券情報を頂く”某・トラックマン”。
今日は久々の雨・・・関東地方もそろそろ梅雨入りか・・・。
雨音で目を覚ました訳ではないが今日は一日雨なので競馬場へ行かない予定・・・なんとルーズな私、写真人

こんな日は大人しくテレビ観戦をしながら、エージェントに付いてのブログでもアップするとしよう・・・凄まじいヒマ人ぶりである!
明日は雨でもこの春、最後の中央開催なのでエージェントの腕試しでも観に行くかなっ!?