
新宿は東京でもっとも好きな街!カメラ屋もあるし、安居酒屋もあるし、写真ギャラリーもある。
訪れたのはニコンサロン(ニコンサービスステーション併設)のあるエルタワー。

思いっきり、キヤノンのカメラをぶら下げてサロンを訪れる。
”不詳の弟子”の写真展の初日を見に行ってやるためである!
とっ!

滝野恵太写真展というのが弟子の写真展・・・その下に”神田開主(かんだあきかみ)写真展”とある。
弟子の写真展の日に同姓の写真家の写真展とは・・・。
早速、ニコンサロンを訪れる。
まずは神田さんの写真展・・・”不肖の弟子”の写真展なんて後回しで良いっ


”インティメート 【intimate・親密】な心像写真”。
この手の写真はかなり私、写真人的には好きなのである。

二眼レフカメラを使ってマッタ~リと撮影したモノクロ写真40点ほどが並ぶ。
一枚の写真に訴える力は弱いのだがこうして何点も並ぶと作者の感情がみえて来る。
モノクロという何も飾らない写真メディアであるが、作品全体として力強いものとなる。
20代の神田さんの完成度の高い作品。興味のある方は是非!!
とっ、もう一人の”神田さん”・・・私、写真人も20代の頃、このニコンサロンに作品を持ち込んだ事がある。
見事に落選・・・

以来・・・
”ニコンは私、写真人の作風に合わないっ!”
と勝手にイジケてからキヤノンにすがリ、新宿御苑あたりのフォトギャラリーでせっせと写真展をやってきた。
若いって・・・アホである・・・私、写真人の場合!!
でっ、不肖の写真展。

”ドンパチ&武器オタク”の弟子・・・。この写真展のために夜行バスで京都から出てきた。
新幹線でないところが基本を崩していない・・・いいぞ、弟子!
さらに、在京の旧友のところに居候しながらこの写真展をサーブしている。
”ハングリー精神”がなくてはこの手の写真は撮れないぞっ!
ソマリアの現状を撮影したカラー写真、45点でまとめられて・・・いない・・・
あれほど写真のセレクトには慎重にやれっ!と言ってきたのだが・・・。
まぁ~良い・・・私、写真人の作風と合わないニコンサロンだから写真展ができたので良しとしておこう!
”紛争地カメラマン”の常として師匠である私、写真人同様、ビンボ~な弟子。
普段はアルバイトに精を出し、不要となった撮影機材を売ってソマリアに通って来た。
私、写真人よりかなり英語力は落ちるのだが、ガッツのみで戦地を乗り越えてきた。
現地”ドンパチ軍”のガイドを雇わなければ入国が認められないソマリア。
そのガイドの一日の費用はなんと800ドル(約6万5千円・飲食代込)!
「・・・貴様っ・・・ボラれてんのとちゃうかっ!?」
今回の撮影で訪れたのは4日間・・・滞在日26万円ほど・・・
まぁ~良い・・・新しい機材ばかり買い漁る競馬場にいる”ボンクラカメラマン”よりお金の使い方はまだマシッ!
弟子が使っているカメラはニコンD3sと24-70のレンズのみ。この組み合わせでほとんど撮影している。
あとサブで300Dsと70-200ズーム。
私、写真人にはぜぇ~んぜん興味のない紛争地話を熱く語る弟子・・・競馬場にいる”ボンクラカメラマン”達の撮影機材の新製品話よりはかなりマシではあるが・・・

基本、どのジャンルのカメラマンでもやはり自分が撮影している被写体や状況について熱く語るのは当然で、
機材の話なんてほとんどしないのがフツ~なのだが・・・。
・・・競馬場のカメラマン環境は・・・いやだなぁ・・・私、写真人の作風に合わない・・・
「ソマリアはイスラム教徒の国のせいか他のアフリカの国に比べ、人々がかしこそうな顔をしてるなっ。
女の子も結構かわいいじゃぁ~ないかっ!”かわいい女の子&おねぇ~さんの写真をしこたま撮影して来いっ!”ってあれほど言ったのに・・・なんだこの写真はっ・・・キツすぎるだろっ!」

「すいません・・・師匠・・・。」
私、写真人が”パイプ少年”とタイトルをつけた写真。
兵士やかわいそうな庶民の写真が多い中、皆この写真の前で目と止める。
爆風でやられた喉に直接ステンレス製のパイプを喉に通し呼吸を補助しているのだという・・・。
撮影した弟子にとってはある意味見慣れた光景なのだろうが、見慣れていない我々オーディエンスには結構インパクトの強い一枚・・・もちろん他にも背中の皮が火傷で爛れた(ただれた)子供の写真等あるのだが・・・
「日本はその昔、第二次世界大戦で同じような目に合ってるから悲惨な写真(特に怪我人等)には目を向けにくい。むしろ現代治療が進んだ21世紀でありながらこんな事でしか治療の手がないという現実のほうが恐ろしくて目を見張ると思うぞ!」
ちょっとだけ師匠ぶりを発揮する。
さらに・・・。
「日常的に紛争が行われている一般の被災者は誰も皆、目が死んでるな・・・。絶望感からなのか、もはや当たり前の生活なのか・・・ハァ~・・・切ないのぉ~・・・。気が優しくて(=ホンマかいなっ!)ソフトな私、写真人なんて昨年の福島・いわき市の被災地を訪れた時なんて涙しか見てなかったからなっ・・・同じ日本人として悲しくなる・・・。」

「唯一救われるのは子供たちの屈託のない笑顔だったりするのだけど、紛争地の被害者の子供達の目には真の笑顔がない・・・。”この国の将来は・・・”なんて思ってしまう・・・。まだ、日本の被災地の子供達には笑顔があるから救われるが・・・。」

紛争地の写真を見ていつも思う事だが、外国人が見た目ではなくて、現地の人間に写真を撮らせたらいったいどんな写真を撮るのだろうか・・・と思ってしまう。
機関銃を構えた兵士や怪我をした子供達の写真なんて撮るのだろうか・・・。
・・・私、写真人が現地人だったら絶対かわいいおねぇ~さんの写真しか撮らないのだけど・・・
とっ、うだうだ能書きを垂れているとかわいい若妻が登場・・・弟子の学友らしい・・・。
弟子よっ・・・いつも口を酸っぱくして言っているだろう・・・かわいいおねぇ~さんがいたら紹介しろと・・・。
何故、彼女が結婚する前に私、写真人に紹介しなかったのだっ、ヘタレめっ!
「みんなで楽しく記念撮影しましょう!」

はぁ~~~虚しいのぉ~・・・。
とっ!
「あのぉ~良かったら、これからオープニングパティーをするのですけど参加しませんかっ!?」
隣のスペースで写真展をやっている神田さんのお言葉。”神田”という姓の人間に悪い人間はいないっ!

おぉ~~~いいねぇ~~!若くてかわいいおねぇ~さんもチラホラ・・・

基本、人見知りだが若いおねぇ~さんの前では全くひるまず図々しいい私、写真人・・・うひょ~~


「今年の8月にソマリアでは新政府に向けての運動があるんですよ・・・。また金を貯めて行こうと思っているのですけどね・・・。政府軍と反政府軍の争いがまた始まるかも知れませんからね・・・・・・」
おいっ、弟子よっ!せっかくかわいいおねぇ~さんと楽しくお写真の話をしている最中なのに、ドンパチ話で口を挟むなっ・・・・あぁ・・・一人・・・二人・・・おねぇ~さんが離れて行くではないかっ!!
まぁ~良い・・・弟子にはジャンジャン働いてもらっていずれ楽をさせてもらおう!
こんどソマリアへ行ったら絶対かわいいおねぇ~さんをバシッバシッ撮影してこいよっ