つまらない取材の杉村一樹(7) | そうべいのブログ

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今まで数多くの競馬関係者を取材&撮影してきた私、写真人。
ライターさん等と同行する場合は撮影に専念する事になる。

「この前の取材、つまんなかったですよ・・・。くだらん質問ばっかりで・・・。」

なんて事を愚痴る関係者が多々いる。私、写真人は写真を撮るのが仕事の写真人・・・皆、愚痴をこぼしやすいのである・・・。”この人ならいくらしゃべっても文章にはならないだろう・・・”と思って話してくれるのかもしれないが・・・。
がっ、・・・こうしてチンケなブログで文章にしたりして・・・

当然のことながら取材は難しい・・・。
何を質問するか・・・取材対象者の事を良く知らなければ取材できない。

優れたライターなら事前に資料をWeb等で漁ってから取材するのであろうが、
今回は”なぁ~にもなしっ!”の”ぶっつけ!”・・・まぁ~仕事(=ギャラ発生)ではないのであくまでもマイペースなのだけど・・・

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何度目の小向トレーニングセンターだろうか・・・この日も当然、夜明けと同時に突撃!
前日、杉村からは・・・
「明日はレースの騎乗もないし、午前中はヒマですよ・・・」
・・・と聞いていたので勇んで行く。

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たまに登場する”車屋台(飲食販売車)”のオバちゃんたちにも顔を覚えられ声をかけられる。
「おはようございます。今日も杉村さんの撮影ですか・・・朝早くから大変ですね・・・。」
・・・大変ではない・・・単に好きだからやっているだけなのだが・・・

時間は6時半。この時間になると競馬場へ向かう騎手がいるため”小屋”も少し人が減る。
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「おはようございます!」
・・・相変わらずのキモイ笑顔でご挨拶する私、写真人・・・。

だぁ~れも興味ないのか・・・はたまたすでに”ファミリーの一員”として受け入れてくれたのか・・・
皆、シ・カ・ト!!こんな状況下ではなかなか杉村本人と話を出来ないので、騎手の皆さんと南関東・・・特に川崎競馬についてお話をする。
「川崎って難しいですよね・・・。」
と軽いジャブをかます私、写真人。
「”難しい”ってそれ・・・馬券でしょ(笑。レースも川崎は難しいんですよ。水はけが悪いしね・・・。砂の乾き具合でその日のレース内容がかわっちゃうからね・・・。」
今回の撮影であれこれ助けていただいた、佐藤博之騎手と山林堂信彦騎手・・・相変わらず杉村は無口・・・。
「杉村さんって皆さんにとってどんな感じの人ですか!?」
「・・・知らなぁ~~~い(笑。」
「JRAのワールドスーパージョッキーシリーズに出た人。」
「九州の騎手。」
「1000勝騎手。」
等々・・・かなりいい加減!?
「騎手の仕事ぶりはどうなんですかね!?」
「ガンガン行く!」
「仕事がマジメ。」
「いつも居眠りしてる(笑」
等々・・・やはりいい加減!?

とっ!
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本当に居眠りしているではないかっ!
時間は7時ちょうど・・・調教もほとんど終わり競馬場へ向かう騎手もいるため、小屋に残ったのは杉村だけである。ここへ来て寝るとは・・・杉村・・・大したヤツである・・・って、単に嫌われているのかなぁ~・・・私、写真人・・・

仕方ないので暇つぶしにあれこれ写真を撮影。
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競走馬ならカメラのシャッター音に反応するのだが、人間である杉村は全く反応なし・・・はぁ~~・・・。

とっ!
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突然目覚める杉村。
「おはようございます。」
「あぁ~~~あぁ~~~・・・すみませんね・・・寝ちゃいましたよ・・・。」

さて、話を聞くかっ!?
杉村本人は携帯をチェックしていて全く興味なさそう・・・
「杉村さん、今日はあれこれ聞かせてもらいますね・・・と思ったんですど・・・やめました・・・。かれこれ一ヶ月、お付き合いさせてもらったんですけど、ごくフツ~の川崎所属の騎手ですもんね・・・。なぁ~んか、こうして写真を撮ったりして眺めていたんですけど、”取材”って形で話を聞くのは野暮な気がして・・・。」
「・・・取材でしょ・・・。今まで何度か取材を受けてますけど、取材って質問の内容がつまらないんですよね・・・。ありきたりの話ばっかりで・・・。関東の人(取材者)が多いせいか、九州時代のボクをちゃんと見ていてくれた人って少ないんですよ・・・まぁ~田舎の競馬場騎手だから仕方ないんですけどね・・・(笑」
大体、取材の内容に想像は付く。
●何故騎手になったか!?
●今まで思い出に残るレースは!?
●中央競馬のレースに出場しての印象は!?
●今の仕事で苦労している事は!?
・・等々・・・取材者からすれば杉村とは初対面であろうが、取材される杉村からすれば取材は多々ある。
いつも似たような質問ばかりというのもうなずける・・・。
「私、写真人、奈良県出身で大分県育ちなんです。小学校の頃から大分で暮らしていて、今も実家が大分。
中津競馬場は高砂、有馬さんあたりが活躍していた頃、帰省するたびに行ってましたからね・・・。
ただ、今の仕事をするようになってからは中央競馬がメインで杉村さんの現役を見てないんですよ。
今日はあれこれ世間話でもしていただけますか・・・騎手&写真人として・・・。」
などとツッこむ。
「杉村さんにとって、懐かしい大分弁でも話せますよ。”最近はどげぇ~かえ。荒尾がつぶれて川崎に流れて来ち、せちいぃ~のぉ~。ひとつだけ聞かせちもらいてぇ~んやけど、どうやって小田部雪ちゃんとは結婚したんかえ・・・”・・・なんてね・・・。」
「おっ、見事な大分弁ですね(笑。懐かしいですよ・・・。」
英語、日本語、関西弁、大分弁・・・”4つの言語を操る(?)”私、写真人

「杉村さん・・・もっとガツガツしたタイプかと思ったんですけど、ぜぇ~んぜんそんな感じがしないんですよね・・・もちろん、良い意味でですよ」
「そうですね・・・なんとなく今は川崎で騎乗させてもらっているって感じですね・・・。」
「今、具体的な夢とか目標ってないでしょっ!!”砂喰い騎手”として毎日競馬してるだけのでしょ!」
根拠もないのに言い切ってしまう、なんとも失礼極まりない私、写真人・・・さすがはアスペルガー症候群である!
「う~~ん・・・別にないですね・・・。ただ毎日こうして競馬できるだけで幸せですもん。」
「南関東は日本一、騎手の騎乗が厳しいんですよ。知ってます!?騎手はどこかの厩舎に所属だし(この春からフリー化が始まる)、期待馬も限られてきますからね。騎乗するのも一勝するのもむずかしいんですよ。」
「そうですよね・・・むずかしいですよね・・・。でも池田先生(調教師)のおかげでいろんな厩舎の馬に乗せてもらってますよ」
その池田調教師にも話を伺っている・・・またいずれ・・・。

「ボクね・・・川崎の騎手だけど、大井競馬場が得意なんですよね・・・。川崎は難しい・・・。中央競馬風にいうなら”トリッキーな馬場”ですかね!?逃げ馬が残るわけでもなし、毎回差しが決まるわけでもないし・・・。
・・・本当の事をいうとボク・・・中津競馬場でデビューしてずぅ~と右回りしか経験ないんですよ・・・。左回りの競馬場は苦手なんですよね・・・(汗」
「げっ、騎手が左回り苦手!そんな事言っちゃっていいんですかっ!?マズいでしょ、それじゃ・・・。」
考えてみれば杉村・・・騎手ビューして99%以上が右回りでの騎乗。
ちなみに川崎、船橋、浦和は左回り。
「ボクは騎手じゃないので良くわからないんですけどね・・・。どんな感じで難しいんですけね・・・。たとえば体の筋肉が”右回り仕様”になっているとか・・・(笑。理屈じゃ説明できないと思いますけどちょっと説明してもらえますか?!」
「う~~ん・・・なんて言うかな・・・。コーナーに差し掛かった時に重心が・・・。足が・・・。いやっ、口で説明するのは難しいですよ・・・。騎乗って理屈じゃなくて感覚的なものが多いですからね・・・。とにかく左回りは苦手!」
「じゃぁ~あれですかね・・・”左回りの杉村は黙って消しっ!”なんていう馬券的法則が産まれたりして・・・。」
「そこまではないですよ(笑。苦手だけど下手ではないと思ってますもん。野球選手でも左ピッチャーが苦手といいながらホームラン打つ選手いるでしょ・・・その程度ですからね・・・深刻じゃないです」
南関東は回りも去ることながら馬場も小回り、急なコーナー、バンク、直線の長さ・・・様々である。
「とにかく早く南関東の馬場のクセをつかまないとマズイですよね、他人事みたいだけど・・・(笑。そのためには多くの馬に騎乗しないと実現しないのだけど、池田先生(=調教師)のおかげでほぼ連日どこかの競馬場で乗せてもらってますからね・・・。すごい感謝してます。」

このところ、中央競馬オンリーだったので忘れてしまっていた。
中央の場合、リーディング騎手は騎乗にかんしてはエージェント任せ、騎乗は基本土日のみ・・・結構楽に見える・・・”競馬のサンデードライバー”って感じ(そのすべてではないのだけど・・・お断り・・・)。
欧州リーディングを取ったメンディザバルを取材した際に本人が言っていたが・・・
「凱旋門賞から1着賞金10万円の競馬場まで毎日どこかの競馬場で騎乗してるよ・・・。」
本来、騎手は馬にのって(レースに騎乗)ナンボだと思うのだが・・・
いろんな競馬場でいろんな馬に乗る事によって騎手の技術も上がると考える私、写真人。

まぁ~良い・・・競馬には様々なスタイルがある・・・。

「荒尾から移籍してきて、他の騎手の嫌がらせとかありませんでしたか!?たとえば直線で戸崎(=大井)が思いっきり鞭をふるって進路を狭くするとか、森(=船橋)が人気のない馬に乗っている時にスタートでぶつけてくるとか・・・。あと、若手騎手がブーツや勝負服を隠すとか・・・。」
「あははははっ、それじゃ~中学校の部活動ですよ・・・。全く嫌な思いはしてません。むしろあれこれアドバイスや教えてくれて助かってますよ。森とは以前から交流レースで面識があったし、年も近いので良く話をしますよ。
つい先日も一緒にメシを食ったし・・・。プライベートでは仲良くやってます。」
「川崎といえば”堀ノ内(歓楽街)があるんですけど、川崎での騎乗が終わって・・・”はぁ~今日は疲れたなぁ・・・堀ノ内で”13レース・一発抜くかっ!?”・・・なんて事はないんですか!?私、写真人は健全な遊びしかしませんけどね・・・。」
「ボク、酒飲めないしタバコもやらないんですよ・・・。”飲む・打つ・買う”は全くやりませんね。田舎モンだから電車での移動は苦手でね・・・川崎は電車だとどこでも行けるんでしょうけど、移動はもっぱら車です。ただ、これまた田舎と違って駐車できる場所が限られてくるのであまりどこにも行きません・・・。休みの日は家で寝てますよ・・・」
「彼女とかいるでしょ!九州から連れてきたんじゃありませんの!?今度3人でお食事でもしましょうよ・・・募る話でもゆっくりしながら・・・イヒヒヒッ(=かなり勘違い!?)」
「彼女・・・いないんですよ・・・実は・・・。欲しいですけどね・・・。毎日が競馬、調教だと知り合う機会もないですよ。朝早いし・・・9時前には寝るんで・・・知り合ってもデートする機会がないでしょうね・・・(涙」

なぁ~んだ!残念・・・。


こうして取りとめのない”世間話”が永遠と続くのだけど・・・。
いまさら白々しく”取材”なんて野暮である。
なんか杉村・・・悲壮感もなく、ガツガツしているわけでもなく全く自然体で騎手をしている。
もはや益田→中津→荒尾と移籍を余儀なくされた騎手ではなく、”一・川崎競馬の騎手”なのだっ!

ありきたりの質問なんて不要。こうしてたまの休み・・・騎手とあれこれ話をするほうが断然楽しい!?

取りとめのない話はさらに続く・・・NEXT・・・。