川崎競馬場の杉村一樹(3) | そうべいのブログ

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先日、大井競馬場で半ば強引に撮影&取材を取り付けたので堂々と(?)杉村のホームグラウンドである、川崎競馬場へ向かう。
”神奈川県民”である、私、写真人にとっても地元の競馬場となる。
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川崎競馬場はJR&京急川崎駅と首都高・大師インターの中間にある。
一昔前より町開発がはじまり競馬場周辺の風景も随分と変わった。

川崎競馬場の開催は原則、月曜日から金曜日の平日に行われる。5日間の開催。
’90年代初頭は平日でも1万5千人以上の入場者を数えていたが、最近では1万人を超えるのは重賞が行われる時くらいである。
訪れたこの日の入場者は5千人ほど・・・。久々に訪れた川崎競馬場の主催者に挨拶をし、今回の撮影&取材の意図を伝える。以前は南関東でもこうした撮影&取材には厳しい川崎競馬場であったが、最近では理解を示してくれて動きやすくなった。主催者に感謝、感謝。

地方競馬のレース間隔は短い。30分に一レース。
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関係者エリアにボォ~っと突っ立ていてはどんどんレースは進み、関係者の撮影や取材もままならない。

騎手が中心となる地方競馬の場合、ヘタな解説者よりファンのほうがよく騎手の事は知っている。
地方競馬の事を知りたいのならファンに聞くに限る。中央競馬とは違い”コアなファン”が多いからだ。
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カメラと取材票をカメラバックに入れ、すっかりファン気分で場内へ・・・。
ファンの生の声を聞いてみたい・・・騎手、馬・・・そして杉村についてどう思っているのか・・・。

「このレースよぉ・・・頭は戸崎で固いんだよなっ!ヒモが問題なんだよな。一枠に杉村が入ったろ。コイツ、とにかくガンガン行くからなっ、押さえなきゃいけねぇ~よ・・・。」
60代であろうか・・・年季の入った競馬ファンの解説。
「ほら、5着だけど人気薄の杉村・・・逃げ残ったろ。今日の馬場は前残りなんだよ・・・。」
20代であろうか・・・馬場やデーターを気にしている若いファンのグループ。
「馬は買えねぇ~けど、杉村だからな・・・。このメンバーじゃ行く馬がいないから、杉村がハナを切るだろう」
40代であろうか・・・地方競馬は騎手中心と考える中年グループ。
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この日の川崎競馬場の入場者は5千人ちょっとだったが、結構”杉村”という名前が聞こえた。
場内の隅々まで回ったわけではないが、ちょっとウロウロしただけど”杉村”という名前が出る以上、ファンの認識は深い。
まるで昔から川崎競馬場で騎乗していた騎手のような扱い。
川崎競馬場で騎乗を始めて数ヶ月だがファンの間では”川崎の杉村”になっている。
高知出身で益田(見習い騎手時代)、中津、荒尾と渡り歩いて来たことを、ファンは知っているのだろうか・・・。
ファンにとっては昔の杉村の実績よりも、今の杉村の実績を重視しているように見えた。

ファン一人あたりの馬券購入金額は”天下のJRA様”には到底及ばないが、競馬に対する目はかなり肥えている地方競馬のファン。そのファンに認められ馬券の対象となるのはたったの数ヶ月では難しいはずだ。

ホームグラウンドである川崎競馬場ということもあり、一日6~8鞍のレースに騎乗している。
地方競馬には”昼休み”というのがないので、テキト~にコーヒータイムを決め、カメラをバッグにしまったまま杉村の騎乗を眺める。
どのレースも積極的に攻めている。とにかく先行する。ファンが認めるとおり”逃げる騎手”というイメージが強い。
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後半戦。

取材票をぶら下げ、ファンの皆様、関係者の皆様の迷惑にならないようにシャッター音が静かなフィルムカメラ(デジ一眼は音がうるさい)に望遠レンズを取り付け撮影を始める。モータードライブの設定も低速にする。
ファンと競馬の距離が近い地方競馬場・・・カメラマンは”石ころ”でなくてはと考える、私、写真人。
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バカでかい高価なレンズも地方競馬ではちょっと迷惑な道具。
小さなレンズでもここまで寄って写真を撮る事が出来る。

「行けっ、行けっ、杉村・・・ほれっ、ほれっ・・・」
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中央競馬では馬の番号を叫ぶファンが多いが、地方競馬の場合、圧倒的に騎手の名前を叫ぶファンのほうが多い。
23年度時点で川崎競馬場の所属騎手は18人。これに今年から加わった杉村を加え19人。
さらに他場から騎乗にくる騎手を加えても30人ほど・・・。
2,3週間も競馬場へ通えば騎手の名前と顔が一致する。騎手のクセもわかる。
また、クラス分けが細かい地方競馬の場合、馬の能力差が少ないため馬の調子、騎手の腕でレースが決まると言っても過言ではない。
そのため多くのファンは騎手のクセをつかみ、応援する。

約30分間隔で行われるレース。
デジタルと違い、フィルムを交換している間にどんどん時間が過ぎてゆく。

忙しいはずの地方競馬であるが、何故かゆっくり時間が流れているように感じてしまう。
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何故だろう・・・。

ひとたびデジ一眼レフカメラを競馬場へ持ち出せば一日に1000カット以上を撮影するのはざらだが、
今回の撮影では一日フィルム四本と決めていた・・・カット数でいうと140カット・・・これでも十分すぎるほどだった・・・。

がっ!

さらに杉村を撮影すべく、競馬場通いは続く・・・。