瓦礫(がれき)と呼んではいけない・・・(いわき市 薄磯地区) | そうべいのブログ

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いわき市・豊間・・・正確には薄磯地区である。ここには豊間小学校、豊間中学校があるため地元の方でも豊間と呼ぶ事が多い。
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町の中心にある公民館・・・立派な石の看板だけが残っている。

日本の海岸線に良くある地形・・・海あり山あり・・・この地区も他の海岸線同様、砂浜がありその奥に小高い丘(=山)がある。
海岸近くの家々は壊滅的被害を受けている。基礎部分を残すのみで跡形もない。
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一方、山に近い地区では津波で流されてきた瓦礫と化した家や車等が積み重なるようになっている。
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「震災から7日後に妹に会えたんですよね・・・。」
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「良かったですね・・・今は避難所にいらっしゃるのですか!?」
「妹は海に近いところに住んでいたんですけどね・・・。津波で流されて・・・丘の上の小学校に近い電信柱のところで発見されたんですよ・・・昨日が葬式でした・・・。」
聞くのがつらいがこうして誰かに話をすることで少しでも被災者の方々の心が和むなら聞き役を買って出る。
「瓦礫がすごいでしょ。車がひっくり返っているところが自宅なんですけどね・・・。この辺はなかなか瓦礫の処理が進まなくてね・・・。山側の瓦礫は津波によるものだけど、街中にある山になっている瓦礫は行政が道を作るために重機で積み上げた瓦礫なんですよ・・・。」
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「道が見えるようになる前は一面瓦礫の山だったんです。道を先に作らないと人や物資、救援活動が思うようにならないっていうんで急いで瓦礫の撤去をはじめたんですよ。確かに道ができて入りやすくなったんですけどね・・・。自分達の家の物もすべて重機で瓦礫とされてめちゃくちゃに積み上げられたものだから、何がなんだか分からなくなってしまってね・・・。一言、行政も言ってくれれば良かったんですけど・・・。この積み上げられた瓦礫の中から自分達の物を探すのは大変な作業になってます。」
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救援作業を行っている、自衛隊や消防、少しでも家の物を探しにきた住民の方々・・・。瓦礫の中からあれこれ探している内に、自分の物以外で何か大切そうなものが見つかれこうして道路脇等に並べる。
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車の処分も大変で営業車等、必要な場合は所有している会社が引き取りにくるという。自家用車も同じく引き取りに来る方がいる場合があるのでひとまとめにはなかなかできないという・・・。
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「あそこに大型トラックの残骸があるでしょ。あのトラック・・・地震の時、海沿いを走っていてね・・・。津波で山の方まで流されたんですよ・・・。ドライバーの方は残念ですが・・・・。」
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「遺族の方からすれば形見になるかもしれませんからね・・・。なかなかそうした車両は遺族が来るまではそっとしておいて欲しい気もしますね・・・。」
県外ナンバーの大型トラック・・・住民の方も複雑に心境を語る。

「海辺の全壊した家は仕方ないですよ・・・何も残っていませんからね・・・。でも、半壊もしくはまだ家の原型をかろうじて残している場合の家だと所有者に許可を取らないと撤去できないんですよ・・・」
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半壊した家も数多く残る。ただ、何軒かの家の持ち主は”完全撤去お願いします”というような張り紙をしてあったりペンキ等で家に記している。車の場合も同様。
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「町の復興のためにも一日も早い瓦礫の撤去は大切・・・。作業をしてくださっている自衛隊や消防の方から見れば瓦礫かも知れないけど、私たちからすれば家だからね・・・無様な姿だけど・・・。単なる瓦礫やゴミとして扱って欲しくないっていう気持ちはありますよ・・・。柱の一本一本にも思い出みたいなものがありますから・・・。
避難所や連絡所には作業内容の連絡が入ってましてね・・・皆、それに合わせて家の物を取りに来るわけですよ・・・。」

図々しい私、写真人でも路上からの撮影、かろうじて出来ている私道からの撮影を基本としている。
瓦礫だと思ってずかずか登って撮影などしない・・・。そこは個人の家なのだから・・・。

以前、ご近所の箱根町の街角スナップ撮影をしていてカミサン(=神さん)に言われた事がある・・・。
「アナタねぇ~いくらカメラマンでも勝手によそ様のご自宅を撮影(もしくは写りこむ)するのってちょっと違うんじゃないのっ・・・。やめてちょうだいね・・・子供達の教育に良くないから・・・。」
・・・写真に全く興味のないカミサン(=神さん)のお言葉を思い出した・・・。

でも、今回の写真は長男・11歳牡馬には見せた・・・。
「お父ちゃん・・・これ、どこのニュースの写真なの!?」
「全部、お父ちゃんが撮影してきたんだぞっ!」
「えぇ~~、お父ちゃんの写真・・・すごすぎるね・・・。宮城なの岩手なの???」
「福島県のいわき市だよ・・・」
「・・・福島???・・・放射能は大丈夫なの・・・。福島もこんなに被害があったの・・・津波は怖いね・・・」
・・・我が子も連日の報道で宮城、岩手の震災被害は知っているが、
福島はやはり原発事故の福島
となっている。

情報化社会はあくまでも大人中心の社会・・・。
子供達には我々大人がもっと的確な情報提供をしなくてはならない・・・。

・・・なかには大人が大人につまらん情報を提供している場合があるが・・・。

てっ!

今回、瓦礫、瓦礫と呼んでいたがこれらはすべて家の一部であることを現場で思い知らされた私、写真人なのであるが・・・


★注意★

ここの記載されている写真と本文は関係ありません。
また、個々の発言についてもあくまでも地元個人の方々意見であり、
私、写真人の意見&いわき市民全体の意見ではないという事です。

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