
場所は東京・南千住駅前にある泪橋交差点。”橋”とあるが、現在、川はない・・・。
漫画「あしたのジョー」の舞台、”丹下拳闘倶楽部”のあった場所とされる。
いわゆる”ドヤ街”と言われる地域。高度成長期の日本には多くの働き手がこの町に集まった。
そのため安宿や安い食堂が軒を連ねる。

最近では日雇い仕事(=主に建築・土木関係)もすっかり減り人もまばらである。
数多くある食堂もちょっと”開店閉業状態”・・・昭和モダンを感じるステキな街並みなのだが・・・。


私、写真人が良く利用する(=家に帰るのがシンドイ時等)安宿もすっかりバックパッカーの集まり。

震災の前の週、久々のデート&競馬開催のため利用した。
そろそろ、海外でも春休みなのかこの日も何人かの海外からの旅行者が安宿にいた。

安宿には英字新聞が良く似合う!?
宿で働くかわいいおねぇ~さんい聞いてみた。
「最近は円高のせいかひと時に比べ、海外からのお客さまは減りましたね・・・。ユーロ高の時はフランスからのお客様が多くて・・・。南千住は秋葉原まで地下鉄で10分弱と近いので海外の”オタク”なお客様が一杯だったんですよ。このところは地方から仕事を探しにきた若い方々に利用していただいてますけどね・・・。」
チェックアウトの朝、宿の”共同ラウンジ”で朝食を・・・。キッチンもあり簡単な料理が自分で出来るのがうれしい!?

モーニングコーヒーを飲んでいると若いおにぃ~さんがジャージ姿でラウンジに下りてきた。
話を聞くと、勤めていた建設会社が年度末でもある3月を持って倒産。会社の寮に住んでいたが、出て行かなければならなくなったらしい・・・。住むところをなくしてしまい、ネットカフェで過ごしているときにこの南千住のドヤ街の事を知り、とりあえず1週間分の宿代、17500円だけ払い、仕事を探しているという。
27歳・独身・・・まだ若い・・・。路頭に迷ってしまったような悲壮感はないが、大変な状況なのは伝わる。
宿のおねぇ~さんが言っていたようにこうした若者が南千住に集まりつつある・・・。
競馬場へ行くため”がんばってくださいね”と労をねぎらいつつ宿を出る。
週末の朝・・・

夜遊びが過ぎて安宿に泊まっていたのか、それとも仕事を探しに行くのか、仕事に行くのか・・・
信号待ちの交差点には若いおねぇ~さんや、おにぃ~さんが結構いた・・・。
・・・ピンクのスニーカーがまぶしい・・・。
南千住の駅に着くとそこは”ドヤちっくな南千住”のイメージとは違い、どこにでもある東京都心の駅前の風景がある。

久々に泊まった南千住のドヤ街・・・また泊まろうかな・・・なんて思っていたのだが・・・。
この写真の週末・・・震災が日本を襲った・・・。
ドヤで暮らしている若者達は無事仕事を探す事が出来たであろうか・・・。
一週間を条件に宿に泊まっていたおにぃ~さんは無事仕事にありつけたであろうか・・・。
今回の震災の報道は安宿で聞いているに違いない。
被災地ではないけど、くじけることなくがんばって欲しい。
オッサンである私、写真人が出来る事はわずかなことだけど、若いキミ達はこれからいくらでも道を切り開ける。
春の中山、福島競馬の中止(JRA発表)が決定した。皐月賞は4月24日に東京競馬場で行われる。
皐月賞までの4週間・・・阪神競馬場へ撮影のため通うかもしれない私、写真人・・・。
震災の影響は出版界にもでており、何かと大変で毎週の関西までの経費を請求する訳には行かない・・・。
・・・関西に行くとなったら今度は関西のドヤ街・・・西成の安宿のお世話になりそうな私、写真人である