今でも絵画に対する憧れは強い・・・その辺だけは崇拝する写真家、藤原新也や森山大道、ロバート・メイプルソープ、ハーブ・リッツと同じ・・・写真のレベルはまるで違うけど・・・。
以前このブログでも紹介したがこんな油絵をヒマを見つけては描いている。
・・・学生時代からまるで進歩が無いような・・・。

”写真がヘタ”だと言うと仕事を頂いている皆様に申し訳ないけど、心優しいそんな皆様に支えられて今日まで何とかやってこれた訳だ・・・感謝、感謝である!
何故こんな記事を書くのかっ!?・・・本当は今週末のオールカマーでちょっと狙いたい馬がいるのに・・・。
先日、久々に写真家のFさんとお話をした。Fさん・・・料理の写真、スナップショット、ポートレート・・・どれもすばらしい写真をお撮りになる。”某”カメラ雑誌でも有名だったりして・・・。
「Fさん、キヤノンからあれこれ新しいレンズが発売になりましたよね。久々にキヤノンの戻ろうかなぁ・・・」
「おっ、写真人クン、オリンパス辞めちゃうの!?せっかくオリンパスのプロサービスに紹介してもらおうと思ったのに・・・。キミは数少ない貴重な”オリンパスユーザー”だからね!」
「いやぁ~まぁ~その・・・。」
「キヤノンは最近、ズームに力入れてるからあまり魅力ないね。どれも結局はフルサイズでは使えないレンズ。
まぁ~オレは単焦点しか持ってないから実際のところはわからないけどね・・・。」
Fさん・・・写真機材をデジタルに移行したときから一貫して”フルサイズ・デジタル”のみ。
レンズも高級レンズと言われる”Lレンズ”のみしか持っていない。
「フィルム時代はタムロンやシグマなんていうレンズも使ってきたけど、デジタルだとそうはいかない。カメラの性能に合わせてレンズの選ばなきゃならないし・・・。キヤノンの戻るならフルサイズにしないと写真がヘタになるよ!」
・・・キヤノンの戻るにあたりカメラを購入したのだが、もちろんFさんと違い、超~~~ビンボ~な私、写真人・・・
そうそうフルサイズのでデジタル一眼なんて買えない。しかもレンズはシグマだったりして・・・

デジタル一眼には大きく分けて三種類ある。
APS-Cサイズ(EOS7DやEOSkissなど)、APS-H(MarkⅢやMarkⅣなど)、そしてフルサイズである。
センサーのサイズが右から上がるのと比例して値段も上がる。
最近キヤノンで発売されたズームレンズ・”EF70-200F2.8LⅡ”がある。
レンズの特性を示す指標として”MTF特性図”というグラフのようなものがある。
端的にいってしまえ縦の線、0から始まり1になる。1に近ければ近いほど高性能レンズといえる(それがすべてではないが・・・。レンズの特性を示すもの。レンズの”味”だと理解して頂きたい)。
そのMTF特性図はこちら。

赤の線はAPS-Cサイズカメラで使用した場合、緑の線はAPS-Hで使用した場合である。
フルサイズの場合だと下線にある20の数字を超えた部分にあたる(各線までが撮影範囲)。
確かにセンサーが小さい程レンズの中心、”おいしい部分”を使っているのが良くわかる。
だが、これがAPS-Hサイズを超えたあたりから数値が下がり始め、フルサイズになると結構な落ち込みを見せている。一概に言えないが、フルサイズで撮影すると周辺の描写が甘くなるということだ(=あくまでも”レンズの味”としての描写)。
Fさんの言うととおり、フルサイズで撮影するとレンズそのものの特性が良くわかる・・・気がする???
とは言え・・・
「少ない投資・大きな利益」
が、仕事も馬券も身上の私、写真人・・・「大きな投資、さらに大きな利益」は望まない・・・望めない・・・

皆様もそぉ~でしょっ!!
てなわけで、安機材で大きな利益を求めるとする。
所詮、写真は見た目!・・・キヤノン→オリンパスと機材を変えて10社以上で仕事をしてきて、それに気付いた人間は”デジタルオタク”のM社のM君だけである。
気にしなぁ~い、気にしなぁ~い!!
っと!
機材に無頓着なのは昔からでそもそも油絵→版画→写真とメディアを変えてきた(=楽なほうへ逃げている!?)写真機材なんて絵筆くらいにしか思っちゃいない。
日本という国をドロップアウト(=自爆)して活躍の場(=逃げ場)をアメリカに求めた若くてかわいかったあの頃・・・

美大ではファインアートを専攻。後に親日派の教授に進められ写真を専攻するのだが・・・。
どんな”カメラオタク”が居るのだろうと思って教室を覗いてみると、写真専攻でありながらカメラを持っている学生は半分も居ない!!そう、アメリカはフランス同様、写真文化の国である。
日本の写真文化という名の”カメラ道”とはちと違う・・・まぁ~日本は自国でカメラを量産している国なので、
そうなるのは仕方ないのだけど・・・(余談:面白いことにドイツ人も写真よりカメラにこだわる・・・
似たもの同士!?)
写真は講義で使っていた”写真史”の教科書。A4サイズで300ページ、文字がぎっちり、写真ちょろっとという何とも退屈な本である(「THE HISTORY OF PHOTOGRAPHY」Beaumont Newhall著・日本でも購入可)。

議論好きのアメリカ人、写真を撮らずにひたすら議論をする。写真の歴史や絵画の歴史、撮影した写真にも
毎時間”クリティーク”というのがあり、撮影した写真に付いて徹底して議論する。
まぁ~そのおかげで自分の写真を売り込むという技は身につくのだが・・・。
でも、技術的な授業はほとんどないので撮影の技は身につかない・・・。
もちろん、アメリカなのですべて英語!ここまで大変になるとアドレナリンが脳みそ内で爆発して暴走できる。
ど~せ周りはアメリカ人”コノ単語ナンテ言ウ意味!?”なんて聞いてくるヤツはいない。
”オォ~イエェ~ス、イエェ~ス!ディス、イズ、ア、ペン!”と言っておけば良い。

今、この本を開いてみると最初のチャプターだけちゃんと勉強している。あとはまっさら!!
学期内に二回論文を提出するのだか、本の丸写し・・・ではなく”丸訳”である!!

宝島社の「別冊宝島」シリーズである(廃刊)。これには大変世話になった。
インターネットがあまり普及していない時代、車で片道4時間かけニューヨークにある日系の書店へ。
写真に関する本をあせっては購入。ちなみに一冊1010円のこの本、”日系書店価格13ドル(当時のレート・1ドルが130円)である・・・二冊で26ドル・・・高い・・・。
講義で使っていた教科書は一冊18ドル・・・こんな事までして単位を取るとは・・・。
だから写真がヘタなのだっ!
・・・で、ヘタな分機材に金をかければ良いのだが、今はビンボ~なので出来ない・・・若くてかわいかった頃は時間とお金をかけていたのに・・・。